みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

主を信じた

2018年01月16日 | 創世記

創世記 15章

 本章は「これらの出来事の後」ということばで始まります。「これらの出来事」とは14章に記されていることでした。アブラムは神の助けによって、ケドルラオメルたち連合軍を破りました。そのことを指しているのです。

 大勝利を体験したアブラムに神は、「アブラムよ、恐れるな」とお語りになります。あれだけの強い敵を打ち破って、甥のロトや持ち物を取り戻したのですから、大勝利です。アブラムの評価は当然高まっていったのではないかと想像します。そのアブラムに神は「…恐れるな」と語り、「わたしがあなたの盾である」とおっしゃいます。

 アブラムが何を恐れたのかについては、2節のことばが伝えています。「恐れるな」とおっしゃる神に、突っかかっているように響くのです。彼は子どもがないままで死ぬのを恐れています。神はすでにアブラムに祝福を約束し、子孫にはこの地(カナンの地)を与えると約束なさいました。さらに13章14節から17節によりますと、神はアブラムに「地のちりのように増やす」と言っておられます。

 神の約束を聞いてしばらくの時を持ちました。けれども、約束が実現する兆しさえありません。そのような時に神は、「恐れるな」と声をおかけになったのです。アブラムは一向に動かない事態の中で神の「恐れるな」を聞いて、くってかかっているようです。

 そんな彼に神は、アブラムの子孫が空の星のようになると夜空の中でおっしゃるのです。それに対するアブラムの態度が目に留まります。「アブラムは主を信じた。それで、それが彼の義と認められた」のです。彼は絶望や恐れの中で、主のことばを聞いて信仰の確信を持つのです。自分自身に可能性がないということを知りながらも、いや、知ったからこそ、神の約束を信じることになったのかと、あれこれ考えさせられます。


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