みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

えこひいき

2017年03月09日 | ヤコブの手紙

ヤコブの手紙 2章1−13節

 月に二度程度の「男性聖書の学び会」。まもなく帰国するお二人も参加して開かれました。1時間少し、聖書を読み自分に照らして考え、分かち合います。一人では気づかないことへの発見がある恵まれた時間です。

 「人をえこひいきしてはいけません」とヤコブは命じます。1章には、貧しい境遇にある兄弟は自分の高い身分を誇りとするように、富んでいる人は自分が低くされることに誇りを持つように勧められています。そしてここでは、人を豊かだから貧しいからという物差でえこひいきしてはならないと命じています。

 1節には「私たちの栄光の主イエス・キリストを信じる信仰をもっているのですから」とあり、この手紙を読む教会に実際にそのようなえこひいきがあったことがわかります。2節以降は実際にそのようなことが教会で行われていたことが書かれているのでしょう。

 この手紙には、「兄弟たち」ということばが目立ちます。「私の兄弟たち」「愛する兄弟たち」と呼びかけながら、ヤコブは手紙を書き進めます。世間には貧富の差、主人と奴隷の違いなどが厳然としてあるけれども、会堂にまでそのようなことを持ち込んではならない、なぜならあなたがたは「神と主イエス・キリストのしもべ」であり、そのお方の前の兄弟たちなのだと、ヤコブは伝えたいのです。

 兄弟たち、兄弟姉妹と教会で呼び合うときに、えこひいきはないか、偏見によって相手をさばいていることはないのだろうかと自らに問うことを気づかされます。


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