2021年刊行の東野圭吾の作家生活35周年の記念作品。
文庫本が2024年4月に出るそうだ。
タイトルの「白鳥とコウモリ」と言う対比・・・
作者は「罪と罰」をイメージしたそうで、
東野作品のパターンと言う感じがする。
真実は一つであるが、真実を突き詰める事が、
結果として良かったのかどうか、を考えさせられる。
2017年、東京港区の海岸で刺殺体で発見された弁護士の白石健介。
捜査線に浮かんだ愛知県に住む倉木達郎を五代刑事が訪ねると、
倉木はあっさりと殺人を自供する。
そしてすでに犯人死亡で解決していたはずの、
1984年に愛知県三河安城市で起きた殺人事件までも、
自供するのだが・・・・。
被害者の弁護士:白石健介の娘は犯人:倉木達郎の供述が腑に落ちない。
犯人:倉木達郎の息子もやはり腑に落ちない。
供述通りの考え方と行動をするだろうか?
その時の状況から殺人が実行されていたのだろうか?
あり得ないと思われる被害者の娘と加害者の息子が協力して、
それぞれの立場から腑に落ちない点を洗い出していく。
1984年と2017年の殺人事件のつながりは?
供述のつじつまは合うが五代刑事にも引っかかる点がある。
東京と三河安城を結ぶものは?
白石弁護士と倉木達郎を結ぶものは?
真実が明らかになった時・・・
結末は・・・え・・・うぅぅん・・・
そう言う事もあると思うけど・・・・
被害者であっても加害者であっても、
本人も家族も苦しむのであった。