スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

TOKYO MX賞フジノウェーブ記念&第一部定理一五備考

2024-02-28 19:08:19 | 地方競馬
 第15回フジノウェーブ記念。町田騎手が個人的な事情で騎乗できなくなったため,アポロビビは西啓太騎手に変更。
 スワーヴシャルルとオメガレインボーとトップウイナーが並んで先行する形。1馬身半差でサヨノグローリーとギャルダル。1馬身差でボンディマンシュ。半馬身差でブラックストームとルーチェドーロ。2馬身差でアポロビビとメンコイボクチャンとスナークダヴィンチ。3馬身差でエアアルマスとブラックパンサー。2馬身差でマムティキング。3馬身差でアルサトワ。2馬身差の最後尾にマースインディと,縦長の隊列。最初の600mは36秒1のハイペース。
 前の3頭は併走したまま3コーナーを回って直線へ。単独の4番手になっていたギャルダルは直線でこの3頭の外に持ち出しました。前の3頭の争いから抜け出したのは真中のオメガレインボー。外からギャルダルが徐々に差を詰め,フィニッシュ前に差し切って優勝。オメガレインボーがアタマ差で2着。中団から外を回って追い込んできたルーチェドーロが1馬身4分の3差で3着。
 優勝したギャルダルは昨年末のオープン戦以来の勝利。南関東重賞は昨年のフジノウェーブ記念以来となる2勝目。フジノウェーブ記念は連覇。昨年はフジノウェーブ記念を制した後,休養に入り,年末のオープンが復帰戦。今年は川崎マイラーズを使って2着でしたから,実力は上位。順調に使っていかれるようなら,これからも活躍していけるでしょう。距離は1400~1600mがよさそうです。父はホッコータルマエ。母の父はネオユニヴァース。3つ下の半妹が昨年のローレル賞を勝っている現役のミスカッレーラ。馬名の英語表記はRgyal Dar。チベット語で勝利の旗という意味のようです。
 騎乗した大井の矢野貴之騎手は報知グランプリカップ以来の南関東重賞38勝目。フジノウェーブ記念は第9回以来となる6年ぶりの2勝目。管理している船橋の川島正一調教師は南関東重賞33勝目。フジノウェーブ記念は連覇で2勝目。

 物体corpusがない物体を物体がない空間と等置するには,物体と空間が同じことを意味していると解する必要があります。これは『デカルトの哲学原理Renati des Cartes principiorum philosophiae pars Ⅰ,et Ⅱ, more geometrico demonstratae』では,第二部定理二系で示されています。ただしこのことは,第二部定義六に依拠します。そこでは空間は理性的見地によって延長Extensioと区別されるとされています。つまり延長と空間の区別distinguereは理性的区別であるというのが,スピノザの哲学にひきつけたときの意味になります。デカルトRené Descartesは『哲学原理Principia philosophiae』の第二部十節でそういっていますので,これもスピノザの考えではなくデカルトの考えです。
                                        
 物体の本性essentiaは延長にあるのであって,延長と空間の区別は理性的区別です。だから物体と空間の区別も理性的区別になります。いい換えればそれは同じものを別の観点から把握しようとしているにすぎません。よって物体はそのまま空間に置き換えることができます。なので物体のない物体を,物体のない空間と置き換えることができます。そしてそれがデカルトがいう真空vacuumです。ですから真空とは,空気が存在しない空間を意味するのではなくて,空気以外にも一切の物体が存在しない空間というのを意味します。よってそれを真空といいう語で示すのは,現代の日本語で考察する場合にはあまり適していません。よってデカルトがいう真空というのを,ここでは空虚といい換えることにします。デカルトがいっているのは,空虚は存在しないということ,いい換えれば空虚が存在するという主張は自己矛盾であるということです。
 スピノザもデカルトと同様に,空虚の存在を認めません。スピノザは第一部定理一五備考で,物体的実体substantia corporeaが無限infinitumであるということを説明していく中で,次のようにいっています。
 「このことは明晰な推理が誤りないものであることを知るすべての人々,ことに空虚の存在を否定する人々が容認しなければならぬことである」。
 ここでいわれている明晰な推理とは,スピノザの哲学でいう第二種の認識cognitio secundi generis,すなわち理性ratioによる認識を意味します。理性による認識には虚偽falsitasないし誤謬errorが含まれていないことを知っているすべての人が,物体的実体は無限であることを容認しなければならないといっているわけです。

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