スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヴィクトワールピサ&第一部定理二五備考の解釈

2016-04-15 19:34:56 | 名馬
 桜花賞ジュエラーが僅差の争いを制しました。種牡馬として現3歳が初年度産駒になるヴィクトワールピサは初重賞制覇を大レースで果たしたことになります。
 父はネオユニヴァース。母はホワイトウォーターアフェア。8つ上の半兄にアサクサデンエン。6つ上の半兄に2006年の小倉記念を勝ったスウィフトカレント。Victoireはフランス語で勝利。
                                    
 デビューは2歳の10月。ここは完成度の差で2着に敗れたものの2戦目で勝ち上がるとオープン,ラジオNIKEEI杯2歳ステークス,弥生賞と4連勝。そして皐月賞で父仔制覇を達成し5連勝で大レース制覇。ダービーは3着。本質的には中距離馬であったからだと思われます。
 秋はフランスに遠征。しかしニエユ賞が4着,凱旋門賞は7着でした。日本でならこのくらいの距離でも戦えましたが,ヨーロッパでは長すぎたのだと思います。帰国してジャパンカップに出走。これは新馬で負けた馬の3着。ただしこのレースは1着馬の降着による繰上り。日本の競馬規則が変更される一因となったレースといえます。さらに有馬記念に出走すると先行して抜け出し,ジャパンカップで降着になった馬の追撃をぎりぎりで凌いで勝ちました。この勝利が評価されJRA賞の最優秀3歳牡馬に。
 翌春は復帰戦となった中山記念を楽勝してドバイへ。東日本大震災直後のドバイワールドカップで見事に優勝。この当時は馬場の関係でアメリカの強豪があまり出走しなかったのは事実ですが,このレースを勝ったというのは快挙といっていいでしょう。僕はグリーンチャンネルには加入前でしたが,ドバイのレースはノンスクランブル放送で視聴できました。日本時間では真夜中ですが声が出てしまった思い出があります。
 さすがにここを勝ったのは負担が大きかったのでしょう。秋のジャパンカップまで出走できず,13着。有馬記念も8着で競走馬生活を追えました。ドバイでの勝利が決め手となり,JRA賞の最優秀4歳以上牡馬に選出されています。
 今後も活躍馬は出してくるでしょう。

 確かに第一部定理二五を論証するときのスピノザの記述をみてみると,スピノザは事物の本性は認識されるものであると解していたように読めるのです。いい換えれば,スピノザは事物の十全な観念こそがその事物の本性であると解していたように読めるのです。ですが僕はそのようには理解しません。ここでスピノザがいっているのは,知性は事物の本性を事物の十全な観念として認識することによって,事物の本性がその十全な観念の外に,すなわち客観的有の事物としての外に形相的にも存在することを知るという意味なのではないかというのが僕の推測です。
 第一部定理二五の論証だけを読むと,僕のような読解には無理があるといえるでしょう。僕があえてそのように無理があると承知の読解をするのは,この定理が直後の第一部定理二五備考に続いているからです。神が自己原因であるというのは,神の本性を構成する各々の属性が自己原因であるということでなければなりません。そしてそれら各々の属性が自己原因であるというのと同じ意味において,各々の属性の属する様態の原因でなければならないのです。これが第一部定理二五の直後にいわれていることに注意すれば,各々の属性の様態の本性の原因はその様態が様態となっている属性であるということでなければなりません。したがってどんな属性の様態にもその本性が存在するといわなければならないでしょう。ゆえに,たとえば延長の属性の様態である物体Aには,物体Aに固有の本性が形相的な意味においてあるのであって,それは物体Aの客観的有すなわちAの十全な観念が存在するか存在しないかとは関係がないというように解するべきだと僕は考えるのです。
 ただし,この最後の部分は実際にはあまり意味がないことをいっているということは僕も認めます。というのも第二部定理七系の意味からして,もしも物体Aの本性が形相的にあるのであれば,必然的に物体Aの客観的有すなわちAの十全な観念もまた存在するからです。なのでその十全な観念の有無と無関係に本性が形相的にあるといういい方は,観念の有無という点に注目する限りでは,実は何も説明していないに等しいのです。
コメント
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