スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

埼玉新聞杯埼玉新聞栄冠賞&第一部定理一六系三

2012-10-10 19:01:23 | 地方競馬
 今年から改称された第22回埼玉新聞栄冠賞
 何が逃げるのか予測し難かったのですが,最内からカキツバタロイヤルが先手を奪うことになりました。ケイアイライジン,ドリームストライドまでほぼ雁行。その後ろにトーセンアレスとなり,ドラゴンウィスカーが続きました。ハイペースではあったのですが,淡々とした流れでもありました。
 先行した3頭からはまずケイアイライジン,続いてドリームストライドの順で脱落。自然と順位を上げたトーセンアレスが外からカキツバタロイヤルに並び掛け,4コーナーでは先頭に。しかしそこからカキツバタロイヤルも頑張り,ゴールまで叩き合い。前に出たトーセンアレスが抜かせず,クビ差で優勝。カキツバタロイヤルは2着。3着は5馬身差でドラゴンウィスカー。
 優勝したトーセンアレスは前々走まで中央で18戦5勝。オープンでも3着があったうえ,転入初戦となった前走の重賞でも2着になっていましたから力量上位。距離もこのくらいの方がよいと思え,まずは順当な勝利でしょう。もちろん南関東重賞は初制覇。接戦となったのは,2着馬も重賞級の力があるからだと思います。南関東重賞では今後も上位クラスの力を発揮するものと思いますし,重賞でも相手次第ではチャンスがあるものと思います。父はJRA賞で2001年の最優秀2歳牡馬,2003年と2004年は最優秀ダート馬,NARグランプリでは2003年の特別表彰馬のアドマイヤドン。祖母はキーフライヤーで従兄に2005年の春の天皇賞を勝ったスズカマンボ。Aresはスペイン語では鋤です。
 騎乗した船橋の張田京[たかし]騎手は5月の大井記念以来の南関東重賞制覇。埼玉新聞栄冠賞は初制覇。管理しているのは南関東リーディングの浦和の小久保智調教師で名称は異なりますが第18回を制していて,4年ぶりの2勝目。

 第二部定理九に対して施すべき操作の具体的な内容が明らかになりました。ただ,だからといってこうした操作を自由に行っていいというものではありません。それがここにスピノザが示したことに明白に反するのであれば,『エチカ』の考察としては元も子もなくなってしまうからです。よって,第二部定理九で無限に進むsic in infinitumといわれているときの個物の観念のすべてを,神の無限知性intellectus infinitusのうちにあるとのみ解釈するだけの余地があるのかどうかをまずは検討してみなければなりません。
 もしもこうした操作を許すべき理由を第二部定理九のうちに見出すとするならば,それはまさにこの定理が「無限に進む」という一文によって締め括られている点に求めるよりほかないだろうというのが僕の結論です。そして第二部定理九の意味の変容というのも,この「無限に進む」という一文をどのように解釈するのかという点に関わってくるのです。
 第二部定理九もそうですし,第二部定理九証明に大きく関係する第一部定理二八もそうなのですが,そのふたつの定理を「無限に進む」ということばでスピノザが締め括るとき,そこにはある消極的な意味合いが含まれているというのが僕のこれまでの解釈でした。これは前回の考察のときにも説明したことですが,非常に重要なので再び説明しておきますと,第二部定理九も第一部定理二八も,結果から原因へと遡及していくような,いわば帰納法的な記述がなされています。そしてそこに示されていることは,ある結果の原因,その原因,またその原因というようにいくら遡及していったとしても,それは無限に続くだけであり,どこかで第一原因とでもいうべきものに帰着することはないということです。つまり方法論としての帰納法の否定,いい換えれば演繹法の肯定がそこには示されているというのが,ここに含意されていると思われる消極性の意味なのです。
 もちろんこうした解釈も妥当なものであると僕は考えています。ここではそれを示すために,第一部定理一六系三を援用しておきましょう。
 「第三に,神は絶対に第一の原因であるということになる」。
 第一部定理一六系三なので第三にといわれているだけで,そこにはそれ以上の意味は何もありません。
コメント
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