スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産省賞典中山グランドジャンプ&第一部定理二四系証明

2012-04-14 18:46:05 | 中央競馬
 日本馬のみでの争いとなった第14回中山グランドジャンプ
 逃げたのはテイエムブユウデンで,追ったのがメルシーモンサン。前半はこの2頭が後ろを大きく離すというレースになりました。大いけ垣付近で一旦はメルシーモンサンの方が前に出ましたが,その後の向正面では一杯に。再びテイエムブユウデンが先頭に立つと,3番手グループの一角を形成していたバアゼルリバーが追って2番手に上がり,後方から中団を追走のマジェスティバイオも上がってきて,この3頭が雁行するように直線に。テイエムブユウデンはここからすぐに脱落,直線の最終障害付近で外のマジェスティバイオが先頭に立つと,あとは離していき優勝。バアゼルリバーが2着で,勝ち馬の後ろから追い込んだコスモソユーズが3着。
 優勝したマジェスティバイオは昨年暮れの中山大障害に続く大レース2勝目。前哨戦のペガサスジャンプステークスも勝っていてこれで3連勝。現在のこの路線では敵となり得る馬がいません。5歳ですからまだまだ走り続けられる筈で,よほどの新星が現れない限り,この馬の天下は長く続くものと思います。馬場の悪化で勝ち時計が5分を超えるようなレースとなりましたが,そうした究極のスタミナ勝負でも結果を出したのは収穫といえるでしょう。はとこにキングヘイロー。Majestyは陛下。
 騎乗した柴田大知騎手は第13回に続く連覇で,大レースも2勝目。管理している田中剛調教師は中山大障害以来の大レース制覇で,こちらも大レース2勝目。

 第一部定理二四系の冒頭で,この帰結としてといわれているのは,当然ながら第一部定理二四の帰結として,という意味です。つまりスピノザはそうした訴訟過程を通してこの系を帰結させています。しかし現在の考察では,その訴訟過程とは異なり,力という観点からこの系を導き出しました。よってここではそうした相の下にこの系を証明することにします。
 第三部定理七によれば,事物が自身の存在に固執するのは,その事物の現実的本性にほかなりません。ところでこうした現実的本性を有するものは,第一部公理一の実在的意味により,神であるか,そうでなければ神のある属性の変状であるかのどちらかです。しかるに第一部定理三四により,神の本性と神の力は同一です。したがって,事物が自己の存在に固執する傾向は,その事物の現実的な力であると考えられます。
 このことは,個物の存在のうち,個物が現実的に存在する場合について考えれば,より明瞭です。なぜなら,第一部定理二八が示すように,個物が現実的に存在するようになるのは,ほかの個物によって一定の原因が与えられるからです。いい換えれば第一部公理四により,個物が現実的に存在するようになる力は,ほかのものから与えられるような力です。むしろ個物にとってそれが実在することがひとつの力であるといえるのは,それが単に実在するようになるからであるというよりは,実在するその個物が,その実在に固執する傾向を有するからだといえるからです。
 こうした事物の力というものが,神の実在する絶対的な力の分有であるということは,第一部公理一の実在的意味に,力という観点を導入することによってすでに明らかになっています。いい換えればこの力の原因は神なのです。よって,事物が自身の存在に固執する力の原因は神であるということになります。つまり,第一部定理二五系は,個物が神の本性を一定の仕方で表現するといっていますが,個物というのは,自身の有に固執することによって,神の有への絶対的な力というものを,部分的に,すなわち一定の仕方で表現しているのだ,ということになるでしょう。
コメント
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