スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マクトゥームチャレンジ3&本性との関係

2010-03-05 19:16:23 | 海外競馬
 今年のドバイの国際招待レースは現地時間の27日。競馬場がリニューアルされ,ダートコースがタペタという素材のオールウェザーになりました。そのオールウェザーのコースで現地時間の4日に行われたのがマクトゥームチャレンジラウンド3GⅡという前哨戦。ここに日本から昨年のJRA賞年度代表馬のウオッカと,秋華賞を勝ったレッドディザイアが参戦しました。
 レースを引張ったのはフランスのGloria de Campeao。ウオッカは好位の外。大外枠のJoe Louisは出遅れ,集団から離れた最後尾を追走し,レッドディザイアは残る集団の最後尾からのレース。
 ラップは不明ですが,スローペースのレースであったと思います。逃げたGloria de Campeaoは後ろに大きな差こそつけませんでしたが,かといって並ばれるというところもなくゴール板へ一直線。ウオッカはよい手応えで直線に入ったように見えましたが,どうやら引っ掛かっていたようで伸びを欠き結果8着。直線入口で大外に持ち出されたレッドディザイアの方はそこからぐいぐいと伸び,ゴール直前でGloria de Campeaoを捕えて優勝しました。
 優勝したレッドディザイアは秋華賞以来の勝利で重賞2勝目。2着のGloria de Campeaoは昨年のドバイワールドカップの2着馬で,シンガポール航空国際カップの優勝馬。前走はこれも前哨戦のマクトゥームチャレンジ1を勝っていました。こうした相手関係もそうですが,先行した馬が残るレースを大外から追い込んだわけですから,レッドディザイアはかなり強い内容であったといっていいと思います。父はマンハッタンカフェ
 管理している松永幹夫調教師はこれが海外競馬初出走。鞍上は日本でもおなじみのフランスのオリビエ・ペリエ騎手。日本馬による海外重賞制覇は一昨年のカジノドライヴによるピーターパンステークスGⅡ以来。ドバイでの重賞制覇は2007年のアドマイヤムーンによるドバイデューティフリーGⅠ以来となります。

 僕は知性と意志との関係というのを,事物の本性とその事物の実在性という関係になぞらえて説明しました。しかし,この関係は,事物とその事物の本性との関係にたとえることも可能で,実際には『エチカ』におけるスピノザ自身の説明というのはそのようになっています。
 ある知性のうちに平面上の三角形の観念があるとき,この観念のうちには,この三角形の内角の和が180度であることを肯定する意志が必ず含まれています。これは第一部公理六からそれ自体で明らかなのであって,この肯定,すなわち意志なしには,この知性のうちに三角形の観念があるということはできません。
 一方,ある知性のうちに,ある平面上の図形に関して,その内角の和が180度であることを肯定する意志があったとします。この意志は,平面上の三角形の観念に関しては肯定することができますが,その他の図形,また図形に限らずその他のあらゆる観念に関してはそれを肯定することができません。したがってこの肯定がある知性のうちに思惟の様態としてあるためには,三角形の観念が必要不可欠であるということになります。いい換えれば,平面上の三角形の観念がなければ,ある図形に関してその内角の和が180度であることを肯定する意志というのはあることができないでしょう。
 このことから,ある観念とこの観念を肯定する意志作用は,一方がなければ他方が,他方がなければもう一方が,考えること,ないしはあることができないという関係にあることになります。そしてこの関係は,第二部定義二の,事物とその本性との関係に完全に一致しているということになります。つまり平面上に形相的に,すなわち物体としてある三角形とこの三角形の本性との関係が,客観的に,すなわち何らかの知性のうちに十全な観念として考えられている三角形の観念とこの観念を肯定する意志との関係と一致するのです。よって,このように考える限り,知性と意志の関係を,事物とその事物の本性との関係にたとえることは,確かに可能であることを,僕も認めます。したがってこう考える限り,スピノザによる説明は正しいといえるでしょう。
コメント
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