スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ピーターパンステークス&アトム

2008-05-12 21:59:25 | 海外競馬
 アメリカ遠征中のカジノドライヴ,そして帯同馬のスパークキャンドルが出走したピーターパンステークスGⅡ(動画)は現地時間10日,日本時間の11日早朝に行われました。
 先手を奪ったのはMint Lane。帯同馬のスパークキャンドルが2番手。カジノドライヴは出遅れ,最初は最後尾でしたが,1番枠からそのままインを上がっていき,長い向正面では3番手のインまで上昇。レースは最初の800メートルが46秒31。最近のアメリカのレースの傾向は分かりませんが,勝ち時計との比較ではハイペースではあると思います。
 3コーナー過ぎからGolden Spikesが上昇し4番手。スパークキャンドルが後退し始め,3番手に上がると,Mint LaneとGolden Spikesの間を割って直線へ。ここから追い出されるとあとは後ろを離す一方。最終的には6馬身弱の差をつけるという実に衝撃的なカジノドライヴの優勝でした。スパークキャンドルは6着。
 展望では「無謀な挑戦」という表現すら用いましたが,実際にはこの馬はこれだけのレベルにある馬で,単に自身の能力に見合ったレースを選択したということ。僕は完全にこの馬の力を見誤っていたのであって,あのような表現は陣営や関係者,何より馬に対して失礼でした。この点についてはお詫びしておきます。
 レースが少頭数であったこと,スパークキャンドルでも2番手にいかれるようなペースであったことなど,恵まれた面があったことも確かです。ただベルモント競馬場はアメリカでは例外的に大きな競馬場であり,最初から早いペースにならない傾向はあると思われ,この前哨戦を選択した陣営の判断も素晴らしかったといえるかもしれません。
 管理する藤沢和雄調教師の海外重賞制覇,日本馬によるアメリカ重賞制覇は一昨年のキャッシュコールマイル以来。日本馬の海外重賞制覇は昨年のシンガポール航空国際カップ以来。日本馬の海外ダート重賞制覇は一昨年のゴドルフィンマイル以来。日本馬がアメリカのダート重賞を制したのはこれが初めて。それをキャリア1戦の3歳馬が達成したのですから歴史的快挙といえるでしょう。鞍上は藤沢調教師とも親交深いアメリカのケント・デザーモ騎手でした。
 最大目標のベルモントステークスは現地時間7日。場所は同じベルモント競馬場。距離は600メートルほど伸びますが,姉と兄が勝っていますから血統面での不安は少ないでしょう。問題は相手関係で,本当のトップクラスは先週のケンタッキーダービーに出走している筈で,またレベルはぐんと上がることになります。しかし,期待をもって迎えられるのは間違いないところ。とにかく無事にいってほしいです。

 明日は棋聖戦の挑戦者決定戦。本戦トーナメントを勝ち上がってきたのは羽生善治二冠と久保利明八段。対戦成績は羽生二冠が25勝,久保八段が8勝です。

 ゼノンZeno Eleatesがいっている今というのは瞬間,すなわち最小時間でなければならず。またそのような最小時間が実在するためには,それ以上は分割することができない場所あるいは空間というのが実在しなければなりません。そこでもしもそれ以上は分割することができないような空間というのが実在しないならば,瞬間もまた実在し得ず,ゼノンの逆説,少なくとも第三の逆説は崩壊することになります。ゼノンに対するスピノザの最初の反論は,この論理構成に従っています。すなわちスピノザは,それ以上は分割することができない空間なるものは実在しないと考えているのです。そこでこのスピノザの主張を詳しく検討してみることにしましょう。
 しかしこのことは『エチカ』では触れられていません。そこでまず,『デカルトの哲学原理Renati des Cartes principiorum philosophiae pars Ⅰ,et Ⅱ, more geometrico demonstratae』においてこのことがどのように証明されているかを検証し,それが『エチカ』に代表されるようなスピノザの哲学と齟齬を来さないかどうかを探求するという順序を経ることにします。
 このときに重要となってくるのがアトムという概念notioです。これは『デカルトの哲学原理』の第二部定義三で定義されている概念で,そこでは「アトムとはその本性上不可分的な物質部分である」といわれています。不可分的であるとは分割できないという意味に理解していいでしょう。したがって,アトムが実在し得るかどうかということが,当座の問題となってくるわけです。
コメント
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