スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

グランプリカップ&第四部定理五〇まとめ⑤

2008-02-06 19:51:00 | 地方競馬
 有力と思われる馬が多く,どんなレースとなるか個人的にも楽しみにしていた今日のグランプリカップ。正直なところ,どのような人気順になるかも僕には分かりませんでした。
 雪が舞う中でのレース。トップサバトンは出遅れ。発走後の直線でアートルマンも前が詰まって躓く不利。逃げたかったのは外のエスプリベンだと思いますが,プライドキムが内からこれを制してハナへ。エスプリベンは外の2番手に控え,この2頭の直後にブルーローレンス。前半の800メートルは49秒6。これはスローペースでしょう。
 向正面で後方からトップサバトンガ一気に進出していってレースが動きました。3コーナーから捲り加減にエスプリベンの外へ。これを先に行かせたアートルマンがさらに外を追い上げてきて直線。粘るプライドキムにエスプリベン,トップサバトン,アートルマンと襲い掛かって迫力あるレース。しかし内でじっとしていたブルーローレンスがプライドキムとエスプリベンの間を突くと,ゴール直前でプライドキムを捕えて優勝。プライドキムが粘って2着,一番外のアートルマンが3着という入線でしたが,発走後のアートルマンの躓きはプライドキムの外への斜行に要因があり,降着処分を科されたため,2着がアートルマン,3着がプライドキムという結果になっています。
 優勝したブルーローレンスは12月の総の国オープン以来の勝利。南関東重賞は2004年のクラウンカップ,2005年の東京シティ盃とテレビ埼玉杯に勝っていてこれが4勝目。元来は重賞でも勝負になる馬ですので,勝って不思議のない能力の持ち主。ただ今日は,最後まで控えていいところを割った大井の的場文男騎手の手腕が光ったと思います。とくにこの距離は少し長いのではないかと思うのでなおさら。的場騎手は昨年6月の帝王賞以来となる重賞・南関東重賞制覇です。
 プライドキムはまずまず力を出せたといえるでしょう。アートルマンも大外を回ってこれだけ走れれば十分。ディープサマーが大敗してしまったのが不可解ではあります。

 王将戦七番勝負第三局は先手の久保利明八段の四間飛車に後手の羽生善治王将が居飛車穴熊。封じ手は中盤の戦いが始まったところ。僕なら▲4五歩と打ちますが,久保八段の棋風には▲4五銀の方が合っているかもしれません。

 まず,第四部定理五〇に関して,憐憫という感情がそれ自体で悪であるということについては,僕は人間が理性的であるかどうかということには関係のないことであると考えています。つまり憐憫という感情は,人間が理性に従っていようと従っていまいと,それ自体で考えられるならば,悪であるということです。
 このことを証明するのはそうも難しいことではありません。なぜなら,第一に第三部諸感情の定義一八により憐憫という感情は悲しみの一種であり,第二に第四部定理八により,ある人間にとっての悪とは,その人間自身の悲しみの認識にほかならないからです。したがって人間は,憐憫という感情を抱き,かつこの感情を意識する限り,何らかの悪を認識するでしょう。第四部定義二により,悪とは諸個人の認識の問題にほかなりませんので,憐憫という感情がそれ自体で悪であるということに関しては,これだけで十分であると思います。
 では,そうしたそれ自体では悪である憐憫という感情は,人間が理性に従っていない場合には,なぜ有用であり得るのでしょうか。これを僕は人間の本性と有用性という観点から考えます。すなわち,ある人間と別の人間の本性が一致するということは,人間全体にとって有用なことであり,あるいはある人間と別の人間の本性が対立することを妨げるなら,それもまた人間全体にとって有用であると考えるのです。この場合,本性の一致あるいは対立の解消は,ある人間と別の人間の本性全体に関係せず,たとえ部分的なものにすぎなくても,それはやはり人間全体にとって有用であるといっていいのではないでしょうか。
コメント
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