裏面打法は単板で

10mmの単板に両面ラバーを貼っている男が,卓球についてまとめます。

Moth in the Penhold Business

2019-05-27 23:59:37 | 選手
その昔,中国には2本の楠があった。

そのうちの1本はすくすくと成長し,世紀をまたいで世界の頂を取るまでになった。

もう1本はその陰に隠れつつも,地道に根を張って行った……。

何かプ〇ジディーの曲みたいなタイトルのうえに,導入が昔話風になってしまい,スンマソ

さっき触れたのは一応王楠(元世界女王)と李楠(元中国代表)のつもりだったのだが,今回紹介するのは李楠の方である。

左ペン裏ソフトのドライブマンで,90年台から2000年台にかけて活躍した人物の一人である。


2009年の日本リーグより。

投げ上げサービスと低いトスのサービスを使い分け,バックは主にショートとプッシュを使う。

回り込みのフォアドライブも切れ味があり,厳しいコース取りが前陣での堅実な攻守を支えている。

ちなみにこの李楠,最近知ったのだがあの李振恃張立(いずれも元中国代表)との間に生まれた,生粋の「卓球少女」なのだ

そんな生い立ちで世界選手権やワールドカップでメダル獲得経験を持つ彼女だが,15近く前には当時恋愛禁止だった国家チームのルールを破ったとして省チームに降格されると言う波乱も経験してもいる。

同じ国家チームの偉大な先輩でもある両親についても,これからまた紹介していく予定。

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では,また

自由の国の速攻マン

2019-05-23 23:25:17 | 選手
今回紹介するのはデイビッド・チャン

1963年9月1日に中国の広東省に生まれ,本名は荘永祥とのこと。

キャリアの始まりは8歳か9歳と言われており,のちの世界チャンピオン・江加良は当時の知り合いだったと言う。

初の国際試合の経験は1981年,広州市で行われたある大会で日本戦で登板された。

1982年と1986年には広東省内部におけるチャンピオンにもなっている。

前出の江加良や黄文冠(後のジョニー・ファン)とは,同じ省チームの仲間同士でもあった。

アメリカに引っ越したのは1990年6月で,当初はニュージャージー州に生活の拠点を置いた。

95年のワールドチームカップでは,フランスのレグーや李哲承と言った強豪を撃破している。

翌年の1996年にアメリカの市民権を取得し,99年のパンアメリカン選手権ではアルゼンチンの劉松を破って優勝してもいる。

ことに全米選手権では単複共に優勝経験が豊富で,ダブルスでは10数年もの長期政権を確立しているほどである。


北京オリンピックでのプレー。

しかもお相手は何とナイジェリアのトリオラ

小気味よさに加えて,たまに来る緩急の差を織り交ぜたフォアハンドのスマッシュ連打は,従来の中国が得意としてきたスタイルの柱。

サービスのトスの高さの使い分けもまた特徴的だ。

中国仕込みの速攻を武器に,全米選手権での君臨にとどまらず,アトランタ,シドニー,北京と3度のオリンピック代表も経験している。

現在では結婚もして,子宝にも恵まれているそうだ。

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では,また

祭りの国の彗星

2019-05-14 23:48:11 | 選手
元号が変わってからどうも更新のペースが落ちている気がする

ちょっと疲れ気味な状況の中,気休めの選手紹介を1つ

今回紹介するのはエデュアルド・トモイケ

ブラジル生まれの18歳,世界的に見ても数少ない日本式ペンドライブ型の若手株の1人である。


普段の練習風景より。

ややクローズ気味のラケット角度から放たれるドライブは,切れ味も抜群。

そして何よりもすごいのは,ペン表面でチキータもやってのけるほどのテクニシャンということ


それがこらち。

ショートの要領で親指を立てながら,肘を張ることによってラケットの面を被せることが出来,シェークのように振り抜けることがお判りいただけるかと思う。

過去にこのブログでも紹介した平野伸幸と同様,ペン表面のテクニックにしては難易度ちょっと高めだが,極めればシェークにも十分対抗することは出来なくもない。

世界ランクはまだまだ低い分伸びしろもあると思うので,新しいテクニックで激動の時代を生きて行ってほしいと思う。

では,また

北欧の速攻戦士

2019-05-01 23:56:33 | 選手
令和改元,おめでとうございます

改元前に馬龍の大偉業を紹介したところで,その歴史的瞬間の「証人」を今回は紹介したいと思う。

その人物こそマティアス・ファルク

1991年9月7日生まれの27歳で,スウェーデン代表の一員である。

戦型は何とこのご時世に珍しい,フォア表ソフト・バック裏の速攻型である。


世界卓球2019,安宰賢戦。

フォアの強打もさることながら,打点に早いバックハンドで相手を揺さぶることも出来る。

サービスはラケットを反転しての逆横回転を中心に,ミドルに寄って出したり,時にはバックサービスを出すこともある。

短いストップや時折放たれるフリックもセンスを感じさせ,他の選手に引けを取らない。

準決勝の安宰賢戦でも,途中までの一進一退の展開を持ち前の積極的な攻撃で突破し,競り合いを制した。

イカれた危うさをも感じさせる速攻ぶりで,スウェーデン選手としては97年マンチェスター大会優勝のワルドナー以来22年ぶり,さらに表ソフト速攻型としても,99年アイントホーヘン大会優勝の劉国梁以来20年ぶりの決勝進出を果たした。

ドライブマン全盛の今の時代に,男で異質型でも活躍できることを印象付けた,ある意味では功労者でもあった。

ちなみに名字がファルクなのは,昨年に結婚して奥さんの方の名字を取ったからとの事(旧制はカールソン)。

では,また