決心してみると
心が豊かになってうれしい
トンイ より
本蔵院では、毎週住職が選んだ言葉を「今週のことば」として掲示板・ブログで紹介をしています。
今週は、これ。
いやー本当に響く言葉です。
何か嫌なことから逃げようとすると、かえってそれが迫ってくるという経験をされたことのある方は
多いのではないでしょうか。
苦しい、辛いと思っていても、実際その中に入ってみると案外そうでもなかったという経験もあるのでは?
仏教は、抜苦与楽と申しまして、読んで字のごとく、「苦を抜き楽を与える」そういう教えでございます。
ただ、誤解してはいけないのは、苦が無くなるとは言っていないのです。
苦を喜んで引き受けていける境地を楽と呼んでいるのです。
あの偉大な作曲家ベートーベンもこうおっしゃっておられます。
「苦悩を突き抜け 歓喜に至れ」
人には、自分ではどうにもできない業というものがあります。
その業から逃げることはできません。受け入れていくしかないのです。
しかし、苦を苦としてだけでとらえるのではなく、それを引き受けていく。
「悠々と穢土(世間)に居れる世界を浄土という」という言葉もありますが、
苦を向こう側にやって、楽はないのです。
苦の先に、地獄の先に極楽・浄土があるのです。
生きている我々は原因をすべて外に求めます。
あいつが悪いからこうなった。あの件がなかったら今頃俺は・・・。と、
すべて外に原因を求め、そして偽りの自分を作り上げていく。
自分が思っている自分は実はいないんです。どこにも。
そう考えますと、今週のことばは素晴らしい。
腹が決まるということの重要さ。そして、それが人間にはなかなかできないということ。
腹を決めれている人は強い!
先日「選手生命」という題で書かせていただきましたが、スポーツ選手もそうですよね。
腹を決めて、何事にも取り組んでいくことが、次につながっていくのでしょう。
だから、やれる人は、どこに行っても出来るんだと思います。
心のどこかで自分はこんなものじゃない、次の場所へ移ったらできるから、と腹の決まらない
行動を繰り返すものです。
苦を背負って歩いてみよう。それこそが仏の世界なのかな。
私もいろいろと不安は尽きませんが、その不安こそが浄土という仏の心に触れる唯一の梯子だろうと
思います。
トンイというドラマは見たことがないですが、すばらしい脚本ですね。
国は関係ないですね。
真理の言葉はどこまでも真理の言葉ですね。