帰宅後連続テレビ小説 おひさま を視聴する毎日ですが、昨日はこの番組のすぐ後に放送される、あさイチ「プレミアムトーク」という番組に陽子の義母徳子を演じている樋口可南子さんが出演されていました。
第十週目の「今日だけの花嫁」(第59回)は夫和成が出征し、残された妻陽子と義母徳子の会話から始まりました。そのシーンの中に次のような会話がありました。
【義母徳子・樋口可南子】
娘を亡くした母と・・・母を亡くした娘と・・・・ねっ!。
【陽子・井上真央】
はい。
【義母徳子・樋口可南子】
(ため息)・・とにかくさ・・世の中大変だけれど・・・この家(うち)の中だけは・・・笑っていよう・・・ねっ!
そうすれば、大抵のことは乗り切れる。・・・ねっ!・・・そう思わないかい!
【陽子・井上真央】
(うなづきながら)そう思います!
【義母徳子・樋口可南子】
・・・・・ねっ!
俳優さんの演技については時々ブログに、役に「なりきる」、役を「演ずる」という視点から書いています。
なりきるこころ[2009年07月20日]
http://blog.goo.ne.jp/sinanodaimon/e/3d3e798ce24b2e4e29b6150b0a5e5682
今回のこのシーン、樋口可南子さんには特別な思いがありました。
樋口さんは、「プレミアムトーク」で おひさま を演じる中で、東日本大震災の被災者の方々のことを思い出し、「励まし」の気持がこもると語っておられました。今回はその思いが特に強かったそうです。
「プレミアムトーク」の最後に視聴者からのファックスが届き2通読まれました。
【福島県郡山の母】
福島県で二人の子育てをしています。
今日の樋口さんの「こんな世の中だけど、家の中では笑っていようよ。」
子どもの小学校では外での活動は制限されていて、いつも頭の中は放射能でいっぱい。そんな私たちに向けられた言葉のようで、ハットさせられました。
これからは子どものためにも笑顔でいたいと思います。
【宮城県の陽子さん】
私は気仙沼市に住む24歳です。
おひさま と同じ太陽の陽子です。毎日見ています。陽子が頑張っているのを見ていると私も頑張ろうと思います。
おひさま を見ていると津波のことを忘れることができます。これからも頑張ってください。
という内容のものでした。
樋口さんは、「おひさま を抜けて、被災地の方々へ・・」という思いが強かったと語っていました。
樋口さんは女優の仕事について若い時には「私にできないだろう」という仕事に進んでチャレンジしてきたといいます。
「私にはできない」という仕事に積極的に取り組む姿勢。
「男気のある性格なのかも知れない」旨の話をされていました。
性格もさることながら、自分の力量を自分で推し量りつい「できない」と思ってしまいますが、第三者がみると可能性を多分に内にひめた人に見えたのかも知れません。
最近は人を笑わす演技もしたくなりました、と話されていました。
「なりきる」「演ずる」役者だけの特技であろうかといつも思うのですが、そんなに簡単に人柄なり性格を変えることはできないかもしれません。しかしその可能性はだれもが持っているように思うのです。
ヤクザ映画を観終わった人たちが映画館から出てくると全員がやくざ風に見える。そんな話をよく聞きました。
「人は思い込みが激しい」
人は、悲しみを背負うことには貪欲な演技者ですが、悦びを演じることには消極的な演技者なのかも知れません。
これからは笑わす演技をしたいという樋口さんの言葉。沁みました。
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