思考の部屋

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人生の贈り物

2018年10月31日 | 仏教

 前回「一夜賢者の偈」という原始仏教の経典の言葉をアップしました。中部経典マッジマニカーヤの一夜賢者の経(偈)もアップしてありますので参考にしてください。さてこれに似たアメリカの有名な児童書があります。これはスペンサー・ジョンソンというアメリカの医学博士が書かれたもので、彼は医学と心理学の分野で多数の本を書かれています。

 一夜賢者経をヒントに創作されたものではないかとわたしは思うのですが、話の流れがとてもよく中略を含め引用させていただきます。

題名は『人生の贈り物』です。

 かけがえのないプレゼントとは、
 プレゼント、つまり現在のことだとわかったのです。
 過去でもなく、
 未来でもなく、かけがえのない現在ということです。
 現在の瞬間というのは、
 常にかけがえのないものです。
 それはまったく完全なものだからではありません。
 おもわくと異なることも多いのです。
 現在がかけがえがないのは、
 その時点では、それがすべてだからです。
 あるがままの状態が。
 たちまち彼は幸せになりました。
 まさにかけがえのない現在を
 生きているのがわかったのです。

(中略)

 これまでいつも
 何か足りないものがあると感じていました。
 その時その場所にいるという現実を
 生きていなかったのです。
 ずいぶん多くのものをみすみす逸したと思うと、たまらなく悲しくなりました。
 彼は自分を責めつづけ、
 それから、自分のしていることに気づきました。
 過去のいたらなかったことにこだわり、
 それにとらわれていたのです。

(中略)

 「過去のことをふりかえり、
 教訓をみいだすのは、
 賢明なことだ。
 しかし、過去を生きるのは、賢明なことではない。
 それは現在の自分を否定することだから」
 「未来のことを考え、
 準備するのは、
 賢明なことだ。
 しかし、未来を生きることは、
 賢明なことではない。
 それも現在の自分を否定することだから。
 そして、自分を否定することは、
 何よりも大事なものを否定することだ」

(中略)

 男はまよわず「いま」のほうを選びました!
 そして、いま彼は幸せです。
 ありのままの自分に安らぎを感じていました。
 人生のそれぞれの瞬間を、
 いいことも、わるいことも、
 まるごと味わおうと思いました。
 理解できなくてもいいのです。
 彼にとって初めてそれは問題ではなくなりました。
 この地球上で生きている瞬間瞬間を、
 贈り物として受け入れたのです。

(中略)

 「現在とは、ありのままということで、
 それがかけがえのないことなのだ。
 なぜそうなのかわからなくても。
 現在は、
 そうなるべくしてなかったものだ。
 その現在を知り、
 現在を受け入れ、
 現在を生きるなら、
 満ち足りて、幸せになれる。
 苦しみは、
 ありのままのことと、
 望むことが
 くいちがっているということだ。
 思いどおりにいかなかった過去を
 悔やみ、
 どうなるかわからない未来を
 思いわずらうのは、
 現在を生きていないということだ。
 それは、苦しく、
 みじめで、
 不幸なことだ。
 過去もそのときは現在だった。
 そして、未来も現在になる。
 現在の瞬間こそが、
 経験できる唯一の現実なのだ。
 現在にとどまるかぎり、
 永遠の幸せでいられる。
 永遠も、
 常に現在なのだから。
 私がさがしていた、かけがえのないプレゼントとは、
 ただ、
 いま現在あるがままの自分のことだ。
 それはかけがえのないものだ。
 かけがえのないプレゼントは、
 自分から、
 自分に与える、
 かけがえのない贈り物なのだ。
 自分というのはかけがえのないものだから。
 自分こそ、かけがえのないプレゼントなんだ」

以上ダイアモンド社「人生の贈り物」スペンサー・ジョンソン著 門田美鈴訳から抜粋しました。とても良い本です。


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