思考の部屋

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悠久の美

2019年03月06日 | 芸術

 最近、長野県木曽郡大桑村の日本一大きな顔がついた「人面土器」の愛称が決まったという記事がありました。1999年に同村内で発掘された「人面装飾付有孔鍔付土器(じんめんそうしょくつきゆうこうつばつきどき)」で昨年「信州の特色ある縄文土器」(158点)のひとつとして県宝に指定されたのを受け愛称を公募したところ県内外から234点が寄せられ愛称を決定したものです。選ばれた愛称は、

「悠久のほほ笑み」

 でした。人面土器を見た人たちは、「親しみやすい愛嬌のある顔」「ほほ笑みが、いつまでも平和な時間をもたらしてくれるように・・・」などの感想を述べているようです。

 人面土器については、ネットで確認していただければと思いますが、土偶のような細めの目で、ほほ笑んでいるように見えます。どのような意味あって顔面を付けたのかわかりませんが、飾り付けることにはそれなりの意味があるはずです。

 考古学者ならば宗教的意味を語るかもしれません。現代人の私たちがそれを見ると「親しみある顔」「ほほ笑み」などという感じる体験をします。中には気味が悪いと思う人もいるかもしれませんが、大方の人は、

「悠久のほほ笑み」

を見るのです。

 これも新聞記事の話ですが、顔写真パネル展の記事に

96歳女性、悠久の微笑「よう、生きたなあ」

ここにも「悠久」という言葉が出ていました。「悠久の時を経て」という背景が浮かんできます。

 言葉の意味を「果てしなく長く続くこと。長く久しいこと。また、そのさま。」と解説されたところで、個人的な内心に抱く感覚を表していることはまれで詳細に語ろうとしても語れません。そこで「悠久」という漢字を借用します。

尽きることなき意味の問い。言い表せないからこそ善しで納めます。


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1 コメント

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感謝です。 (縁(えにし))
2019-03-20 18:41:02
早速のお気遣い(対処)に。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

新しいご縁に感謝しつつ・・・・合掌

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