イクエ・モリ『In Light of Shadows』(Tzadik、2014年)を聴く。
Ikue Mori (electronics)
1997年に法政大学においてジョン・ゾーン、マイク・パットン、モリ・イクエのトリオを観たとき、印象はただ「やかましい」だった。そのあと特にアプローチするでもなく聴く機会がなかったのだが、何しろ、昨年(2015年)夏のエヴァン・パーカーらとのギグ3連発(エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone、Rocket Science変形版@The Stone、エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette)に接して、イメージが一変してしまった。
ここでも、エレクトロニクスだけで広くて狭い世界を創っている。宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を思わせる、宇宙/彼岸の広さ。萩原朔太郎『猫町』を思わせる、近場の落とし穴。怖くて、かつ、チャーミング。もっと追いかけてくればよかった。
●参照
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)