Sightsong

自縄自縛日記

チコ・フリーマン『Kings of Mali』

2016-05-13 07:18:22 | アヴァンギャルド・ジャズ

チコ・フリーマン『Kings of Mali』(India Navigation、1977年)。久しぶりに棚から出したら、LPの内袋がジャケットの中でへばりついていた。

Chico Freeman (ts, ss, fl, alto fl, African Bailophone)
Jay Hoggard (vib, African Bailophone)
Cecil McBee (b)
Anthony Davis (p)
Famoudou Don Moye (ds, Sun perc, African Bailophone, gongs, whistles)

13世紀から17世紀にアフリカに存在したマリ帝国をテーマとしたコンセプト・アルバムのようなものか。スンジャータ・ケイタやマンマ・ムーサという偉大な王をタイトルにした曲も含まれている。イスラームを受け容れて広まった歴史があり、有名な砂のモスクはこの時代にも作られている。いつだったか、坂田明氏がマリ共和国を旅する番組があって、それ以来ずっとマリに憧れていて、いまだ行けていない。

何しろサイドメンが抜群。他のアルバムにもあったが、ジェイ・ホガードのヴァイブがサウンドをきらめくものにしていて、そこに暴れるドン・モイエと、渋く重いセシル・マクビー。

あらためて聴いてみると、チコ・フリーマンのサックスは、若かっただけに勢いもソロの持続力もあるように思えるのだが、その一方、端正なフレーズを積み上げていくキャラは驚くほどいまと同じである。ソニー・ロリンズと同じで、周りを自分と同等のメンバーにして刺激でテンションを上げないと、「昔の名前でやってます」的なサウンドになってしまうということか。いや、いまのチコも偏愛の対象なのだが。

●参照
チコ・フリーマン『Spoken Into Existence』(2015年)
ジョージ・フリーマン+チコ・フリーマン『All in the Family』(2014-15年)
チコ・フリーマン+ハイリ・ケンツィヒ『The Arrival』(2014年)
チコ・フリーマン『Elvin』(2011年)
チコ・フリーマン『The Essence of Silence』(2010年)
最近のチコ・フリーマン(1996, 98, 2001, 2006年)
サム・リヴァースをしのんで ルーツ『Salute to the Saxophone』、『Porttait』(1992年)
チコ・フリーマンの16年(1979, 95年)
ヘンリー・スレッギル(4) チコ・フリーマンと(1976年)


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