最近、ワダダ・レオ・スミスがエド・ブラックウェルと共演した盤『The Blue Mountain's Sun Drummer』(Kabell Records、1986年)をよく聴いている。
この形となれば、どうしても、ドン・チェリー『Mu』(BYG、1969年)を思い出してしまう。やはりエド・ブラックウェルとのデュオである。わたしが持っているのは、ジャケットもオリジナルと違うカップリング盤(もともと2枚のLPで出されていた)。
聴き比べてみるとさらに面白い。スミスのトランペットには、無限空間におけるヴィジョナリーな響きがある。一方、チェリーのトランペットは、手作業的で、自分の手の届くところから、やはり広大なヴィジョンを聴く者に想像させるような感覚。そして、両盤ともに、ブラックウェルのタイコは一聴してすぐにそれとわかる。土俗的とでもいうのか、ダサカッコよくもあり、親しみやすくもあり。
Wadada Leo Smith (tp, flh, fl, mbira, voice)
Ed Blackwell (ds, perc)
Don Cherry (pocket tp, p, indian fl, bamboo fl, bells, perc)
Ed Blackwell (ds, perc, bells)
●参照
エド・ブラックウェル『Walls-Bridges』 旧盤と新盤
カール・ベルガー+デイヴ・ホランド+エド・ブラックウェル『Crystal Fire』
ワダダ・レオ・スミス『The Great Lakes Suites』
ワダダ・レオ・スミス『Spiritual Dimensions』
ワダダ・レオ・スミスのゴールデン・カルテットの映像
ドン・チェリーの『Live at the Cafe Monmartre 1966』とESPサンプラー