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Sightsong

自縄自縛日記

ジョニー・トー(5) 『僕は君のために蝶になる』、『スー・チー in ミスター・パーフェクト』

2009-05-10 01:05:19 | 香港

いまだジョニー・トー熱冷めず、レンタル店で『僕は君のために蝶になる(蝴蝶飛)』(2007年)を借りてきた。

自分にも責任がある交通事故で恋人を亡くしてしまった女性。そのときの心の傷が癒えず、3年が経っても薬に頼って生きている。そんなとき、まだ成仏しない恋人の霊が突然見えるようになる。彼は将来を絶たれたことの恨みを口にするが、成仏できない本当のところは、小さい頃から厳しかった父とわかり合えなかったことにあった。

悪くないラブストーリーであり、細部にも眼が行き届いていて飽きない。幽霊となった恋人との会話は、いい年してしみじみしてしまう。しかし、アイドルを起用したアイドル映画の域を超えないのではないか、というのが正直な感想である。

幽霊の厳しい父を演じるヨウ・ヨンの味があるが、確か『ブレイキング・ニュース』で料理好きの殺し屋役だった。ああ、『レッドクリフ』では劉備を演じているのか(観ていないが)。ジョニー・トー作品の常連、太ったラム・シューも良い。ところで、横で観るともなく観ていたツマが、主演のリー・ビンビンのがに股を酷評していた。

『スー・チー in ミスター・パーフェクト(奇逢敵手)』(2003年)では、ジョニー・トーは監督ではなく製作を務めている。やはり執拗な細部への拘泥を含め、作家性が発揮されないようで、ジョニー・トーという名前で観るにはかなり辛い。

敢えて言えば、ここでもラム・シューの怪演。それからサイモン・ヤムのエキセントリックな個性が際立っていて、「ええ格好しい」を演じさせたらぴか一だ。ピンク色のジャケットを着て、不適ににやにや笑い、一々指を鳴らしてはアクションに移る。指を怪我したために鳴らなくなって、調子が出なくなるというのも笑える。格闘シーンはタップダンスも傘も使い、ミュージカル仕立て。

まあ、もう一度観ることはない。


踊りながら攻撃するサイモン・ヤム

●ジョニー・トー作品
『エグザイル/絆』
『文雀』、『エレクション』
『ブレイキング・ニュース』
『フルタイム・キラー』


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