3枚3000円のDVDコーナーに、ジョニー・トー『暗戦/デッドエンド』(1999年)を発見し、一も二もなく確保した。
愉快犯(アンディ・ラウ)が腕利き刑事(ラウ・チンワン)に犯罪ゲームを挑むストーリー仕立ては、続編『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)と同じ。但し、ここでは愉快犯が末期ガンにより残り少ない命だという設定だということもあり、続編では犯人役が交代している。使えないダメダメ上司(ホイ・シウホン)も同じ。ラム・シューは、本作の犯罪集団のボディーガードから、次作では心の弱い警察官となっている。
いつものことだが、ジョニー・トー作品の常連で固められており、いちいち待ってましたという嬉しさを覚える。ラウ・チンワンは、『MAD探偵』(2007年)、『奪命金』(2011年)と時が経つに従って暑苦しさと食えなさが増大し続けているが、ここではまだ35歳、くどい顔の二枚目といっても通用する。
犯罪ゲームの工夫は、のちのトー作品に比べれば、まだ詰め込む余地を残している感がある。2年後の続編にして、既に著しく過激化・濃密化しているのだから。同じ年に撮られた『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年)が、最高傑作『エグザイル/絆』(2006年)の原型となったように、この映画も、続編のみならず、多くの作品にとって源流的であるにちがいない。
それにしても面白い。香港でトー気分を追体験したいなあ。香港の仕事もないし無理かな。
●ジョニー・トー作品
○『高海抜の恋』(2012)
○『奪命金』(2011)
○『アクシデント』(2009)※製作
○『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
○『文雀』(邦題『スリ』)(2008)
○『僕は君のために蝶になる』(2008)
○『MAD探偵』(2007)
○『エグザイル/絆』(2006)
○『エレクション 死の報復』(2006)
○『エレクション』(2005)
○『ブレイキング・ニュース』(2004)
○『柔道龍虎房』(2004)
○『PTU』(2003)
○『ターンレフト・ターンライト』(2003)
○『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003)※製作
○『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001)
○『フルタイム・キラー』(2001)
○『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)