Sightsong

自縄自縛日記

新宿で、土屋景子写真展、金子友洋写真展、それからアンソニー・ブラクストンのLP

2007-05-02 22:53:32 | 写真
買い物のため新宿に行ったついでに、西口のニコンサロンjuna21を覗いた。

土屋景子写真展・猫のいる島」は、岡山や佐賀や愛知などの島々で猫を撮影した作品群。
行ったことはないが、瀬戸内の島々は縦にも横にもくねくねしていて、やっぱりいいなあと思う。ちょうど、『男はつらいよ・寅次郎の縁談』で、寅さんと松坂慶子が出会う島のイメージ(映画は香川県の島だが)。

どれも柔らかな、眠い感じで、スクエアの中に猫が小さくぽつんと写っている。その猫を探す過程が少し幻のような感じだ。
写真を撮った土屋さんがいらしたので話をした。

カメラはハッセル、フィルムはTMAX400、印画紙がフジのレンブラント、そして(多階調なので)フィルタを1~1.5号にしているとのこと。フィルムもTRI-Xよりマイルドだし、1号というのは驚いた。柔らかくもなるはずだ。
ネガから直接スキャンしてインクジェットでプリントした小さいカードをお土産用に配っていたが、そんな小さいプリントでもはっきり見えるディテールが、大きなバライタ紙へのプリントではすごくもやっとしている。

1枚1枚がじろじろ見たくなるものなので、猫好きには必見だ。




おみやげのインクジェットプリント



となりの「金子友洋写真展・Botany」も観た。
森林や雑木林らしい場所を撮影した作品群で、中心がない、草や蔓や枝のディテールのみが充満している。
確かに、ディテールそのものがマッスとなっているものは目をひきつける。比べるべくもないだろうが、私も英国で草山を何となく撮影して、何となくプリントしたくなったことを思い出した。

私の好きなマックス・エルンストのようで面白かったが、全部となると無機質(被写体は有機質だが・・・)でちょっとつらい。




(これは私の撮影)
レイコック、Leica M3、Summicron 50mm/f2.0、TRI-X、アグファマルチコントラストクラシック(表面が縮緬)、2号




最近、東口のディスクユニオン・ジャズ館の売り場が広がったので、少しのつもりでエサ箱に食いついてみた。

アンソニー・ブラクストンが73年に来日した際に、ぐわらん堂メンバー(佐藤允彦、翆川敬基、田中保積)と録音した、『捧げものとしての4つの作品』(日本コロムビア)があった。
帰って聴いてみると、メンバーの相性が抜群に良く、また「ウォーン・マーシュに捧ぐ」という曲では、バップを解体再構築したようなアクロバティックなブラクストンのサックスが素晴らしいものだった。

このときには、ビザを持たないことを理由に、法務省から公の演奏活動を禁止されたためにこの録音にとどまったとのこと(副島輝人『日本フリージャズ史』、青土社)だが、悠雅彦氏のライナーによると、実は新宿ピットインでヒノテルのライブに飛び入りし、「ストレート、ノー・チェイサー」を吹いたこともあったようだ。

ブラクストン、誰か日本に招聘してくれないものか。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。