Sightsong

自縄自縛日記

日野元彦『Flash』

2016-11-27 20:38:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

日野元彦『Flash』(TRIO Records、1977年)を聴く。

Motohiko Hino 日野元彦 (ds)
Masahiko Satoh 佐藤允彦 (p)
Nobuyoshi Ino 井野信義 (b)

いま聴いても驚くほど鮮烈で尖っている。トコさんのドラムスは引き締まっていて固く、やはり大変なスタイリストだ。井野さんの、ここぞとばかりに攻めて駆動させるベースにも興奮。そして佐藤さんのピアノは今もそうだが、当時の方が知性と攻撃性とを外部に向けて迸らせていたのではないかと感じる(いまは、余裕があるという意味で)。特に、「Norwegian Wood」において、硬質な即興の中に計算したようにあのメロディが現れる瞬間なんてぞくりとする。

それはそれとして、全員の演奏の方向も、サウンド全体も、起承転結を見通した上で展開されているような気がするのだがどうか。つまらぬというわけではなく非常にスリリングなのだが、破綻ありとしてくれればもっと・・・、いや、この素晴らしい記録にそんなことを言うのはお門違いか。

解説によれば、1977年、この録音に先立つ前に、旧新宿ピットインにおいて、「日野元彦と三人のピアニスト」と題された三夜連続のセッションがあったという。他には山本剛、板橋文夫。その中からこの盤があらためてライヴ録音されたというわけである。なんて贅沢なんだろう。

●日野元彦
本田竹広『BOOGIE-BOGA-BOO』(1995年)
日野元彦『Sailing Stone』(1991年)
内田修ジャズコレクション『宮沢昭』(1976-87年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)


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