Sightsong

自縄自縛日記

石川真生『大琉球写真絵巻』

2015-07-04 23:41:39 | 沖縄

中野ZEROに足を運び、石川真生さんの新しい写真展『大琉球写真絵巻』を観る。

吃驚するくらい、直接的な怒りと、そこまでやるかという冗談とが横溢している。琉球王国の時代から現代にいたるまでの、琉球~沖縄の苦難の歴史が、コスプレによって再現されているのだ。まさに、猛烈に突き進む「まお写真」の真骨頂。

幕末時代、ペリーは琉球にも立ち寄った。かなり強引なやり方で、琉球を都合のよい場所として使おうとする意図があった。そしてこの写真展では、琉球国王とペリーとが対峙し、国王は普天間の米国移転と高江ヘリパッドの即時停止を、ペリーは、思いやり予算があるから永遠に琉球にいたいこと、高江もほしいことを主張している。また、「お笑い米軍基地」の小波津正光にはオスプレイの恰好をさせ、普天間に隣接する家のベランダに墜落したという設定で住人と見つめあっている。さらには、首相や島尻議員、仲井眞前知事、翁長知事、稲嶺名護市長に似たお面をかぶったキャラクターが、最近のさまざまな事件を演じていたりもする。これをただの冗談と受け止めることができるか。

写真展はすぐに終わってしまう。石川真生さんはずっと在廊しておられるので、ぜひこの機会に足を運んでほしい。

●参照
石川真生『日の丸を視る目』、『FENCES, OKINAWA』、『港町エレジー』
石川真生『Laugh it off !』、山本英夫『沖縄・辺野古”この海と生きる”』
上里隆史『琉日戦争一六〇九 島津氏の琉球侵攻』


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