Sightsong

自縄自縛日記

マーク・ルワンドウスキ『Waller』

2017-10-21 14:14:55 | アヴァンギャルド・ジャズ

マーク・ルワンドウスキ『Waller』(Whirlwind Recordings、2016年)を聴く。

Mark Lewandowski (b)
Liam Noble (p)
Paul Clarvis (ds)

マーク・ルワンドウスキはロンドン出身のベーシストであり、かのヘンリー・グライムスに師事している。先日ニューヨークで、ベン・モンダー・トリオ(Cornelias Street Cafe)、クレイグ・テイボーン(The Stone)、マタナ・ロバーツ(Roulette)と、1週間で3度も遭遇した。いつもグライムス、ご夫人のマーガレット・デイヴィスさんと一緒で、ニューヨークのハコにおける名物なのかもしれなかった。その際にこのCDをいただいた。

若くこのご時世に、なんとファッツ・ウォーラー集である。ルワンドウスキのベースは重くて粘っこく、これはグライムス仕込みに違いない。ピアノトリオで浮き立つような演奏を繰り広げており、終始ゴキゲンでリラックス。ウォーラーの当時の録音もサンプリングしてあり愉しい。「Jitterbug Waltz」や「Ain't Mishaven'」、「Honeysuckle Rose」がモダンなアレンジで演奏されているだけで嬉しいというものだ。

●ファッツ・ウォーラー
マニー・ピットソン『ミニー・ザ・ムーチャー』、ウィリアム・マイルズ『I Remember Harlem』


ベニー・グリーン『Tribute to Art Blakey』

2017-10-21 13:18:26 | アヴァンギャルド・ジャズ

ベニー・グリーン『Tribute to Art Blakey』(JazzTime、2015年)を聴く。スイスのライヴ演奏2枚組。

Eddie Henderson (tp)
Donald Harrison (as)
Javon Jackson (ts)
Benny Green (p)
Peter Washington (b)
Carl Allen (ds)

ベニー・グリーンって90年代にSomethin' Elseレーベルからスタンダード集なんかを出していた人という印象しかなかったのだが、これは悪くない。ドナルド・ハリソン、ジャヴォン・ジャクソン、カール・アレンと、メンバーもちょっと前にメインストリームとしてもてはやされた人たち。しかしやはり悪くない。

ドナルド・ハリソンの魅力は、詰まったようで艶やかなアルトの音色にあって昔から好きなのだ。ここでもその音は健在。エディ・ヘンダーソンの知的なトランペットも相変わらず気持ちがいい。いまだにベニー・グリーンのピアノそのものの特徴がわからないのだが、どジャズ命の演奏をしているのだからいいのだ。

本盤はアート・ブレイキーへのトリビュート。あらためて聴くと「Along Came Betty」なんてすごく可能性が開かれた曲である。これを懐メロと言ってはダメである。