Nonsection Radical

撮影と本の空間

雨を見たかい

2011年07月05日 | Weblog
少し早い時間に仕事が終わり、隣の駅まで歩いて行こうとブラブラしていた。
淀んだ空気に少し冷えた風が感じられた時に、ポツリと雫が垂れた。
見上げた空にはネズミ色の雲が走っている。
ポツリ、ポツリと音をたて始めた時に、乾いたアスファルトに色の濃くなった涙の跡が生まれた。
号泣の中、雨宿りに駆け込んだ古本屋。
手にした一冊の小説が新たな出会いのページを開く。
文庫本を手に店を出ると、涙の跡は一面の雨跡に流しだされてしまった。
電車内で文庫のページを開き、さきほどの出会いを邂逅し、文字を追う。
一度読んだ本だった。
コメント (2)
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