角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履探しの旅。

2012年05月11日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
大型連休が明けて数日間は、ちょっと暑いくらいの好天に恵まれていました。そういう気候になると、「今日の草履」のような青やブルー基調が選ばれ出します。日常に四季を感じて暮らす、日本人らしい選択と思いますね。

そして昨日と今日は、早春を想わせる寒さです。朝晩は暖房なしでいられませんよ。
二週間前には初夏の暑さで桜が咲かせられ、連休後半は連日の雨と寒さ。そして連休が終わると気持ちの良い晴天が続き、また今度は早春の寒さです。散策の人影は落ち着いてきましたが、天候はまったく落ち着きを知りません。

私の草履実演を見つけると、「ここで会ったが百年目」じゃないですが、異常な興奮で見入るお客様がときに現れます。今日秋田市からお越しのおばさま8人グループも、まさにそんな感じでした。時間にして30分強、実演席は蜂の巣をつついたような騒ぎです。

みなさん布草履作りをいくらか経験したために、出掛ける先で布草履を見つけると「あーでもない、こーでもない」を繰り広げていたご様子。そんな中で角館草履を見つけたわけですから、今日の興奮は想像に難くありません。うちの三人がお好きな配色をお選びくださいました。

実はもっとスゴいお客様が昨日お見えだったんです。埼玉県と神奈川県からお越しのおばさま二人旅。昔からの仲良しであるお二人は、いろんなところへ旅をするんだそうです。そして旅先で探すものが「布草履」、とにかく大好きと言っていました。
そんなお二人が角館草履と出会ったのですから、丸太椅子で過ごした時間はおおむね一時間に達しましたか。

お二人が角館草履の値段を見て、最近とある温泉地で出会った布草履の話を教えてくれました。その土地で「布草履の先生」と云われる女性の作品で、温泉ホテルの一角に展示されているそうです。その値段は一万円、共に展示されているお弟子さんの作品が7千円と言ってました。

世の中には素材も価格もいろんな草履があるのでしょう。やがて私が旅をするときは、計らずとも「草履探しの旅」になるんでしょうね。
コメント (2)
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