ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





上:石川理髪店。左:山田屋
千葉県松戸市松戸
2008(平成20)年2月19日(3枚とも)

松戸駅のほうから旧水戸街道を南にいくと春雨橋という坂川に架かる橋を渡る。上の写真では右端に春雨橋があり、その際から3軒の古い家が並んでいる。向かい側にも岡松栄泉堂という出桁造りの家と銅版貼看板建築の家が並んでいて、昭和初期の水戸街道の景観が残る名所のような地点だ。
松戸宿>家並みの変遷>旧街道』によると、平成5年の時点で、上写真左から、石川理容店、山田板金、福岡家店舗。現在ではいずれも商売を続けているようには見えない。3軒とも明治末期の建築らしい。
『昭和の松戸誌』(渡邉幸三郎著、崙書房出版、平成17年)の昭和12年の三丁目(旧町名)家並み図では、石川理髪店、銅菊山田屋(ブリキ屋)、福岡薪炭店。福岡薪炭店はわりと早く廃業したようだが石川理髪店と山田屋は昭和初期から(あるいはもっと前から)つい最近まで続いてきた店である。

下写真の福岡家店舗は屋敷の敷地の街道沿いに建てられた店舗。今は住居に使われているのだろう。横のレンガの壁は見えている片側だけ。防火用に後からつけたようにも見える。『昭和の松戸誌』には「福岡薪炭店は江戸期以来の松戸きっての資産家。通称中屋籐八。九代目。今は資産管理業。裏に神社。松戸神社の祭礼時にはいつも神酒所に」とある。店舗左に立派な門があり、中に鳥居が見えている。坂川沿いの路地から屋敷の横を見ても大木が何本もあって中の様子はよく判らない。煉瓦の倉庫があるのは認められる。




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コメント
 
 
 
他にも近代建築が・・・ (歴たび舎@白妙博明)
2022-10-19 03:24:51
2022年10月16日に松戸神社での神幸祭に伺った際に、この界隈を散策しました。

和菓子司 榮泉堂岡松で和菓子を買い求めた際にお店の方と少しだけお話。大正時代からの建物と伺い、興味深く思っておりました。
また斜向いの旧福岡薪炭店、何か情報がないかと検索して、こちらのサイトに伺いました。

過去には、あの駐車場となっていた場所に石川理容店、山田板金とあったわけですね。
googleストリート・ビューの過去で観たら、2011年2月には、確かにありました。

また拝見させていただきます。
足跡を残させていただきました。
 
 
 
>歴たび舎様 (流一)
2022-10-20 10:00:52
町の歴史的な変化を想像するのは難しいと思いますが、残されている建物から推定するのは楽しいですね。松戸駅周辺は旧水戸街道沿いを外れると農村だったので、古い建物はやはり街道沿いが多いかと思います。ちょっと離れて八柱霊園の門前町がありますね。
貴サイトでその辺のレポートが上がるのを期待しています。
 
 
 
Unknown (定マニア)
2023-07-09 07:49:32
昨日、根本眼科医院の建物の写真を撮りに行きました。こちらに掲載されていた写真の頃は、周辺がきれいでしたが、もう手入れをしていないようで、蔦が絡まって凄い状態でしたね。薪炭屋の建物は、地震か台風の影響で屋根が一部崩れておりました。炭屋さんと眼科には、共通して外壁に「電話○番」の表札があって、本当に古いんだなあと実感しました。それと、根本眼科医院の手前あたりに、これっていつの物件?と思うアパートがありました。あの「お便所のカラカラ」が折れ曲がっていて、絶対廃墟に見えるのに、部屋からお爺さんが出て来てびっくり!
 
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