ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




丸ビル。千代田区丸の内2-4。1986(昭和61)年9月23日

霞が関ビルが1968(昭和43)年に完成するまでは丸ビルが日本を代表するビルだった。丸ビルは「丸の内ビルディング」あるいは「丸の内ビルヂング」の略表だが、『日本近代建築総覧』や『近代建築ハンドブック』では「丸ビル」で表記している。設計=三菱地所部(技師長=桜井小太郎)、施工=フラー社(ニューヨークの建設会社)で、1920(大正9)年7月に着工、1923(大正12)年2月に完成している。「東洋一」の規模の先進的なオフィスビルで、1・2階の誰もが利用できるビル内の商店街が話題を呼んだ。機械力を駆使した施工法は当時の日本の建設会社には衝撃だったという。工程表による進捗管理や厳格な労務管理も模範になったようだ。
完成半年後の関東大震災では倒壊はしなかったもののかなりの被害を出した。構造設計にもかかわったフラー社の責任らしい。その改修工事が終わるのは1926(大正15)年7月で、3年もかかっている。こちらの日をビルの完成日としている資料もある。その後、1935(昭和10)年にも外壁などの改修工事が大林組で行われている。ビル上部にあった庇状の出っ張りはこのときに取り去られた。



南側(写真右奥に東京駅)。1986(昭和61)年9月23日


上:正面玄関と階段
1997(平成9)年4月5日
左:正面玄関上のタイルのレリーフ
1985(昭和60)年11月4日

上の写真を撮った1997年4月5日は丸ビルが閉館したその日である。たまたま近くにいたので寄ってみた。翌日の新聞記事によると来館者は300人を越えたというが、少ないといっていい。
外壁のタイルは貼り替えて3・4年しか経っていないのできれいだ。

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