緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

定期演奏会終わる

2023-11-20 22:52:45 | マンドリン合奏
昨日(11月19日)、東京江戸川橋のトッパンホールにて千葉マンドリンクラブの定期演奏会が行われた。
このマンドリン団体は私の母校マンドリンクラブOB夫妻が創設し、当初は母校OBなどが中心となって小編成でスタートしたと聞いているが、今年は60名ほどの部員を抱えるまでになったという。とくに今年はかなりの人数の新規入部があった。
私もそのうちの1人で、今年7月下旬、母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会が終わった1週間後に参加させていただくことになった。

以前から、東京マンドリンクラブの同じパートの超ベテランのYさんや、大規模演奏会で一緒に演奏した母校OBの方々などからこの団体に入らないかと折に触れて勧められていたのだが、マンドリン合奏を再開してからまだ数年と合奏経験が浅いことや、講習会など他にもやりたいことがあったため断っていた。

今年7月に開催された母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会の懇親会で、千葉マンドリンクラブの創設者であるKご夫妻と初めてお会いし、その時、この団体に所属するOBの方々、マンドリンのIさん、Nさん、チェロのKさん、ドラのTさんたちが集まってきて、あらかじめ決まっていたシナリオ通りというような感じで、この時点でもう入部が決まってしまった。
記念演奏会が終わってから後輩のTさんから東京マンドリンクラブのYさんに連絡を取ってくれたようで、Yさんが入部を喜んでくれたことがとても嬉しかった。

7月22日から練習に参加したが、定期演奏会の曲目はかなり難易度の高い曲であった。
9月上旬には東京マンドリンクラブの定期演奏会が控えており、しかも50回記念演奏会ということで演奏曲目は超難曲ぞろいだったので、必然的に練習はこちらの方を優先せざるを得なかった。
本格的に練習を開始出来たのが、9月中旬頃からだったと思うが、11月初めの東京マンドリンクラブギターパートの発表会の練習にも時間を割く必要があり、万全の体制で演奏会に臨むことが出来なかったことは認めざるを得ない。
それでも自分としては、最大限練習を重ねたと思っている。
難所など、成功率が落ちる箇所を弾かずにやりすごすか、リスクを覚悟して弾きとおすか、葛藤もあったが、後者を選択した。途中参加の身ではあるが、自分としては何としてもやり遂げたかった。

今回の曲目のギターパートには演奏困難な難所がいくつかあった。
一番の難所は演奏曲目1曲目のM氏作曲の1分程の曲の冒頭5小節から現れる次の部分。





この部分の運指をどう決めるか。運指の取り方で出来不出来か大きく左右される箇所だ。
この部分の運指を熟考の末定まったのが本番の1か月前だったと思う。
それから猛練習を開始したが壁にぶち当たった。独りで弾くときはちゃんと弾けるのに、いざ合奏の中で弾こうとすると弾けなくなってしまうのである。合奏練習のたびに情けない思いをした。
何故、合奏練習になると弾けなくなってしまうのか。
その原因を考えてみた。すぐに答えは出てこなかったが、しばらくしてこれが原因ではないかということが見えてきた。それは次のようなことだった。

①裏拍から入るのと、速度が速めであることと、左指の運指が難しいため、入るポイントを逃すと全く弾くことが出来なくなってしまうこと(途中から入り直すことは困難)。
②左指(右指も)の運指を一つ一つ確実に意識出来ていないと、曲の中で指の動きを見失ってしまうこと。

①は何度も合奏練習に参加していないと体感でつかめない入り方だった。合奏練習回数が相対的に不足していたので、合奏練習録音を頼りにこの部分を何度も再生しながら入り方と指の動きを練習した。この1か月近く何百回と再生したと思う。その甲斐があり練習録音を聴きながらでは成功率が90%くらいにまで上がってきた。
しかしそれでも実際の合奏練習では思うような演奏が出来なかった。何故?。
やはり録音と実際の演奏の中とでは違うのである。何が違うのかと言われると明確な答えは掴めていないが、自分としてはメンタル面での要素が関係しているのではないかと考えている。
また②については、左指の運指を潜在意識に任せて記憶させるのではなく、顕在意識化で一つ一つの音を明確に意識しながら指の動きを目で追い、演奏するということを実現しないと成功率が上がっていかないことも分かってきた。
これは単に指の運動というより脳の知覚の領域から来る要素が大きいのではないかと思っている。脳からの指令がいかに確実に迅速に指の運動に連動していかれるか、神経伝達回路を確実に形成するには相応の時間がかかる。今回の練習では間に合わなかった。本番では小さな音で、やっと弾けたというレベル。しかし打点が確実に合っていたという実感は持てなかった。

同様のフレーズが以下の部分。裏拍から入る。



ここもこの数週間で何百回も録音を再生しながら練習した。録音を聴きながら練習を開始する前までは、独りで弾くときは問題なく弾けるのに、いざ合奏練習で弾く段になると弾けなくなってしまうという現象が出てきた。
何故、合奏では弾けなくなってしまうのか。これも考えた末に出てきたことは上記①、②であった。
裏拍を明確に意識出来ていないから入れなくなってしまうのである。裏拍を心の中で数えるか、表拍のコントラバスの音を聴きながら入るかを意識しながら、合奏練習録音を聴きながらでの練習では成功率が90%くらいまで上がってきた。
しかしこのフレーズもいざ生の合奏練習では思うように弾くことが出来なかった。
ここもやはり①と②に関する脳の知覚と神経伝達が確実に定着するのが間に合わなかったという感じがしている。猛練習しても定着化にはそれ相応の時間が必要だと言うことが分かった。

他の曲でも同様な部分があったが割愛する。
次の演奏会のためにも反省点は記録しておきたい。
他にも本番では、入りが早かったり、遅れたりなど様々なミスがあった。合奏練習では出来ていたのに本番では想定外の事象が起きたということだ。このことで本番後、かなり落ち込んだ。
しかしこのような事象の発生原因を紐解いていけば、必ずその原因は見つかるものだと思っている。次の演奏会に活かすためにも、その原因は嫌でもはっきりさせておきたい。

・テンポ、入り、終わり方等、楽譜の記載内容ではなかなか記憶しにくい変動要素のある要注意な箇所は徹底的にマークして、無意識にその注意点が知覚されるまで、頭に叩きこんでおくこと。楽譜に分かりやすいように記載しておくことも一つの方法だ。

・テンポ、入り、終わり方等、不安な箇所、不明な箇所は本番まで持ち越さない。分からなかったらトップに聞く、指揮者に聞くなどして、その部分に迷いや懸念の無い状態にしておく。そしてその部分をとくに注視して練習する。

・合奏練習録音をどの曲も通しで聞きながら練習する。部分的に活用することも必要だが、フレーズとフレーズの切れ目など、要注意箇所は合奏練習録音を通しで聞くことで意識化、明確化出来る。今回この練習が出来なかったことが残念。

・出来るだけ早い段階から、合奏練習録音を活用した個人練習を習慣化する。合奏練習録音を聴きながら練習するのと聴かないで自分の主観で練習するのとでは雲泥の差が現れる。

・本番1週間前からは睡眠時間を多めにとる。今回、本番前1週間は睡眠時間を削ったせいで、リハーサル時にやや眠気に襲われた。普段から睡眠時間をそれなりに確保していないと、いい結果につながらないようだ。
ちなみに日本の平均睡眠時間は正確には忘れたが7時間10数分だとのことで、世界でも最も低い水準だそうだ。世界平均は8時間??分だった。
やはりなんだかんだ言って、たいていの人は7時間以上睡眠を取っているのだ。会社の隣の席の同僚(多忙な方)も7時間睡眠を取っていると言っていた。しかし彼は帰って晩御飯を食べて風呂入って寝るだけと言っていた。
帰宅してから練習したり音楽鑑賞していたら、あっという間に夜中になって睡眠時間が5時間を切ってしまう。しかし最近の電車内の広告やテレビなどで警告しているように、短い睡眠時間の習慣が心筋梗塞や脳梗塞の原因となり、また免疫力が低下することによるがんの発病の原因として考えられていることから、考え直さなければならないと思った(職場でも短い睡眠時間を習慣にしている方が、40代の若さで脳梗塞で亡くなった方が何人かいる)。


他にも色々あるが、重要なことは記載しておいた。
演奏会終了後は打ち上げに参加。これは結構楽しかった。
新人は一言スピーチするのが恒例のようで、私は、この団体に入ることを勧めてくれた方々に対する感謝の気持ちや、この団体が意外にも(と言ったら失礼かもしれないが)雰囲気が良く、いい方がたくさんいる団体で入って良かったと思っている、というようなことをしゃべった(口下手なスピーチで心苦しかったですが)。

定期演奏会が終わってひと段落する暇もなく、東京マンドリンクラブの定期演奏会の練習、そして千葉マンドリンクラブの部内発表会のための練習が始まる。
部内発表会ではYさんと2重奏をやることになった。今日、曲出しを開始。また独奏曲も弾かせてもらうことにした。
曲はあの曲にしようかと思う。5分くらいの曲。自分の好きな曲だ。

来年は定期演奏会の他、地方公演で他団体とのジョイントコンサートが決定しており、楽しみだ。しばらくはマンドリン合奏漬けの日々が続きそうだ。

【番外編】

思わぬアクシデント。
・今回の定期演奏会の衣装で、蝶ネクタイなるものを初めて着用した。
アマゾンで安いやつを買って、本番2日前に試しに装着を試みたが、ネットで調べても良くわからない。ひもが短かったのでもしかして子供用を買ってしまったのかと勘違いして、アマゾンで別の(安いやつ2つ)を追加注文した。
しかし届いたものは最初のものと同様のものだった。その後試行錯誤しているうちに何とか装着できるようになった。
演奏会当日、3つ買ったうちの1つだけ持っていけばいいだろうと思ったが、もしかして万が一忘れてしまった人のために持って行っても損は無いと思い、3つとも持って行った。
本番直前、着替えをしてその蝶ネクタイ(最初に買ったもの)を鏡の前で付けようとしたら、鏡に映る手の動きが実際の動きと正反対になるので、上手く装着出来ない。あせりも出てきて、試行錯誤していたら、何と、フックの金具が取れてしまった。フックを固定している紐の縫い目がいつの間にかほつれて切れてしまっていたのだ。不良品だ。縫い直さない限り使用不可。畜生だ。





一瞬、血の気が引いたが、他に2つ持ってきたことを思い出し、急いでパッケージを開け、これを装着する。こっちの方は装着しやすかった。



これはある意味幸運だった。もし予備を持っていかなかったら、私一人だけ蝶ネクタイ無しで演奏するはめになっていた。あ~あいつ、蝶ネクタイ忘れたドジなやつだな、と思われていたな~。
普段、身に付けたことのないものを初めて使用するときは、注意した方がいいということを学ぶ。(根っから用意周到な正確でないので、多分、忘れているだろうな)
でも正直なところ、黒ワイシャツと黒ズボンの方がいいな。動きやすいし。首も締め付けられない。わずか2時間しか着ていないのにクリーニングに出す必要もないし(黒ワイシャツと黒ズボンも都度クリーニングに出しているけど)。

・本番、入場前の1分前に、楽譜のファイルを持ってきていないことに突然気が付く。



慌てて、舞台袖のスペースに置いてあった楽譜ファイルを取りに走り出す。走っている最中、「え、どうしたの?」、「なんだ、なんだ」という声が聴こえてくる。
入場20秒くらい前までに間に合い、ほっとする。ポカミスだ。あーもう嫌だな。



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