緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

思い出すべき音

2023-07-30 23:36:55 | ギター
ギターの音の美しさを極限にまで実現したのはアンドレス・セゴビアであろう。
チェロの巨匠、ピエール・フルニエはセゴビアの音から多くのものを学んだと言っていた。

私がギターを始めた頃は、殆どのクラシックギタリストや愛好家たちがセゴビアの音を追求していた。
単なる美しさを超えて、人の心の深いところにまで浸透し、聴く人の心にさまざまな変化をもたらす。
そのような究極の音を目指していたのではないか。

セゴビアの演奏の中でも好きな曲の一つに、テデスコの組曲「プラテーロと私」の中の「子守歌」という曲がある。
是非聴いていただきたいと願う。

楽器はあきらかにホセ・ラミレスⅢ世、それも表面板がレッド・セダーに変わる前のスプルースのものであろう。
しかし音はセッド・セダーに変わった後と比べて何ら変わらないように思う。

実はこの曲をひそかに練習している。

Platero y yo, Op. 190: La arulladora (Lullaby)
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テデスコ作曲「ギターのための子守唄」を聴く

2023-07-30 00:36:20 | ギター
かなり昔(30年くらい前だと思う)に、目白のギタルラ社で買った楽譜で、一度しか弾かなかったものがあった。

MRIO CASTELNUOVO TEDESCO Ninna Nanna per chitarra (マリオ・カステルヌオーヴォ・テデスコ作曲 「ギターのための子守唄」)





楽譜をよく見てみると、グリーティング・カード 作品170番 と呼ばれる21曲からなる組曲の中の第14番のようだ。





このグリーティング・カードと呼ばれる組曲は、ギタリストを中心に副題に個人名が記載されている。
第1番のアンドレス・セゴヴィアから始まって、ジークフリード・ベーレント、高橋功、クリストファー・パークニング。レイ・ラ・トーレ、オスカー・ギリア、アリリオ・ディアス、エルネスト・ビテッティ、松田二朗などおなじみの名前が並ぶ。

この楽譜「Ninna Nanna per chitarra」はEugene Robin Escovado(ユージン・ロビン・エスコヴァード)という男性のために子守唄(Lullaby)として作曲されたらしいが、曲順としては楽譜に記載されている第14番ではなく第5番となってなっている。

Youtubeにあったので貼り付けさせていただく。
単独で演奏されることはまれで、殆ど知られることもない埋もれた曲のようだ。

Greeting Cards, Op. 170: No. 14, Ninna Nanna, a Lullaby for Eugene


全曲録音もあった。

Greeting Cards, Op. 170: V. A Lullaby for Eugene to Eugene Robin Escovado
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クリスチャン・ツィメルマン演奏 シューベルト作曲「即興曲 Op. 90 No. 3」を聴く

2023-07-28 23:26:56 | ピアノ
シューベルト作曲「即興曲 Op. 90 No. 3」のピアノ演奏でまたいい演奏を見つけた。
クリスチャン・ツィメルマン演奏 ライブ録音

極めて高い完成度を持つこの曲を演奏することはものすごく難しいではないかと思う。
しかし何度聴いてもものすごく感情が吐き出される。
至福感と同時に何とも言えない、普段は感じられない負の感情を根源とする心の深いところに堆積しているようなものが沸き起こってくる。
強い浄化作用を持つ曲だ。

思うにシューベルトはこのようなピアノ独奏曲を書くことによって、耐え難い、孤独感、恐れ、不安などの感情と対峙し、昇華させていったのではないか。
この即興曲は恐らく、最後のピアノ曲となったピアノソナタ第21番D.960にもつながっていると思う。

2週間ほど前にこの曲のマンドリンオーケストラ編曲版で演奏することができた。
この演奏会の曲目で最も練習を重ねた曲だ。
2か月ほどの期間であったが、短期間にこれほど練習した曲は無いと思う。

このようなピアノ独奏曲をマンドリンオーケストラに編曲するのは至難なことだと思った。
でもマンドリンオーケストラ編曲版で演奏できたことはものすごく貴重なことだったと今では感じることが出来る。


(HQ) Krystian Zimerman plays Franz Schubert - Impromptu Op. 90 No. 3 in G flat major
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29℃の室温の中で弾いた久しぶりの最後のトレモロ

2023-07-26 22:17:21 | ギター
55周年記念演奏会が終わって、何か気が抜けたビールのような感じが続いている。
そして暑い。このところの猛暑続きで夜も何度か目が覚めてしまう。

ギターが置いてある部屋は日中外出するときはエアコンを付けたままにしておく。
エアコンを入れないで外出すると部屋の温度が40℃近くになり、とくにセラック塗装の楽器は塗料が溶けて痩せてしまうからだ。
しかしその反面部屋の湿度は40%を切ることがあるから要注意だ。
真夏の楽器の管理は冬季以上に難しい。

久しぶりにこの曲を弾いた。

29℃の室温の中で弾いた久しぶりの最後のトレモロ どのくらいの量の汗をかいたかはご想像におまかせだ 2023年7月26日夜
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楽器の音は長時間鳴らしてあげると良くなる

2023-07-23 22:33:24 | ギター
今日は東京某町で社会人マンドリンクラブの合奏練習があった。
朝9時から17時まで途中昼休みを挟んで7時間ほど楽器を鳴らしていたが、帰宅して弾いてみると音の反応、響きが良くなっていた。
これは以前にも同様な経験があったが、出来れば大きな音も含めて、綺麗な音で鳴らしてあげると楽器はその本来潜在的に持つパフォーマンスを発揮するものだと思う。

プロが同じ楽器を使い続ける理由がここにあると思う。
やはり反応が速く、自分の出したい音を実現できる楽器で演奏するのは気持ちがいいもの。

楽器の評価というものは、その楽器の持つ本来の力が余すところなく引き出せるまで弾けるようになって、初めて出来るものではないか。

今日は練習後に反省会も出たので帰宅後に弾く時間は少なかったが、あともう7時間くらいは弾いていたいものだ。


このところの演奏会やそのための練習などで疲れながらも弾きたい気持ちにまかせて弾いたアルハンブラ 2023年7月23日夜
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