緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

学生時代の練習録音テープ(3本目)見つかる

2023-06-30 23:56:05 | ギター
学生時代、37,8年前の1985年から1986年くらいの頃、大学4年生から5年生にかけての頃であろか、そのころに練習していた曲の録音カセットテープが見つかった。
曲はバリオスの「ワルツ第3番」と「ワルツ第4番」。



テープの劣化が著しい。
先日記事に挙げた、郷愁のショーロやワルツ第3番の録音の後の時期に録音されたものだと思う。
ワルツ第3番の弾き方が微妙に異なっている。
バルタサール・ベニーテスのワルツ第3番やワルツ第4番の録音を聴いて影響を受けたことが分かる。
ワルツ第4番の中間部などはバルタサール・ベニーテスの解釈そのもの、いわゆるコピーで弾いている。

今日、デジタルに変換して若干の編集をしてみた。

自分で言うのも何だけど、やっぱりこの頃ってものすごくギターが好きだったんだとあらためて思う。

録音の最後に兄貴から「うるさい!」と言われて演奏を止めたようだ。

1985~1986年頃にかけて録音された学生時代の練習録音 バリオス作曲「ワルツ第3番」、「ワルツ第4番」

あと大聖堂を弾いた録音テープがあるはずだ。
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久しぶりのアンダルーサとアルハンブラ(実家演奏)

2023-06-27 21:36:41 | ギター
25日の母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会の合奏練習が終わった翌日、帰りの飛行機までの時間に余裕があったので、しばらく弾くことを封印していた(そんな大げさなものではないが)独奏曲、それも今まで飽きるほど弾いてきたアンダルーサとアルハンブラを実家の居間で録音してみた。

破綻がいくつかあるのは仕方ないか。

母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会の合奏練習が終わった翌日、帰りの飛行機までの時間につかの間の安堵感と開放感に浸りながら弾いたアンダルーサ 2023年6月26日昼

同じく、散らかった実家の居間でひよこを食べた後にひいたアルハンブラ 2023年6月26日昼
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母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会合奏練習参加(6/25)

2023-06-26 22:32:09 | マンドリン合奏
昨日、6/25に母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会のための合奏練習が札幌某区民センターで行われ、参加してきた。
全体練習への参加は2月下旬以来2回目。
6月4日には札幌から指揮者や一部トップの方々が来てくれて、関東在住の数人のメンバーのために東京で合奏練習が行われた。

元々札幌での練習は2月下旬と本番前日の2回のみを予定していたが、6月4日の東京練習でかなりテンポや音がずれてしまった曲があり、その曲は今回の演奏曲目のなかで最も思い入れのある曲なのだが、実際に合奏練習の場で、指揮を見ながら、また他パートの生の音(録音ではない)を聴きながら練習しないと本番でてこずってしまう(だけでなく曲をぶち壊してしまう?)だろうと思ったことが今回急遽練習に参加したきっかけであった。

2月下旬の合奏練習ではほぼ初見状態、その後、大規模演奏会やゴールデンウイークのアンサンブルのための練習のために、5月練習明けまでは55周年記念演奏会のための練習は全くしていなかった。
本格的に練習をやりだしたのは5月中旬からだったのであるが、その時点では曲目のなかでこの曲は易しいだろうとたかをくくっていて後回しにしていたある曲が、実は極めて難しい難曲であるとは夢にも思っていなかったのである。
具体的な曲名は後日紹介することとして、その曲はある有名作曲家の器楽曲からの編曲ものなのであるが、ギターパートの譜面が、いままでマンドリン・オーケストラ曲のギターパートで経験した曲の中で1、2位を争うほどの難しさを持った曲だと分かったときには、さすがに本番までに間に合わないかもしれないと思ったほどであった。

その難曲は譜面上は単純な分散和音に見えるのであるが、指揮者の求めるテンポ、それもあらゆる箇所でテンポは変化し、揺れ、強弱も多彩、しかも1つでも右指、左指のどちらであろうと弾き損じると次の小節以降の演奏が崩れてかつその崩れた音が目立ってしまうという、一瞬の油断も隙も許されないほど神経を張り詰めた状態を維持していなければ満足に弾くことのできない程の曲だったのである。
その難しさにやっと気が付き、5月中旬から猛練習を始めたものの、6月4日の東京練習では途中で見失ってどこを弾いているか分からなくなってしまう始末。テンポも大きくずれてしまっていた。
こんな状態ではとても本番のステージでは弾いてられない、と思って、東京練習が終わってからも猛練習を重ね、予定に無かった6/25の合奏練習に参加することでさらにモチベーションを高めようと考えた。

実際、この難曲は最初の頃は全く関心も無かったが、弾いているうちにその難しさに悲鳴を上げる一方で、同時に何とも言えない高揚感、至福感を徐々に感じてきたことに気が付いた。
難しさを克服するだけの程度の満足感を遥かに上回る音楽的満足感を日増しに感じるようになっていったのである。
ギター単独で弾く場合も、合奏練習録音を聴きながら弾くときでも、演奏しながら大きな感動を得る、ということはそうあるものではない。
この曲は、自分にとってはまさにそのような曲であった。
今回の演奏会はこの曲は何としてでも成功させたい、本番で至福感に包まれながら演奏したいと思うようになり、これに全力を注ぐこと腹を決めた。

25日の合奏練習に参加するために、前日の24日の夕方成田を出発した。
ピーチという格安航空便を使った。







今回は実家にあるギター(田中俊彦)でなく、こちらでいつも使っている楽器(ホセ・ラミレスⅢ世)を重たい思いをしながら持って行った。
ピーチは手荷物預け代がとられるので(往復で4千円弱)、成田までの往復電車代を含めると2万3千円くらいの交通費となった。
ギターを飛行機で預けるにはリスクを伴う。
ピーチは取り扱い注意のタグもつけないし、エアパッキンなどの梱包サービスも皆無である。
札幌は6月が最も気候のいい季節なのであるが、25日、26日ともに快晴、お昼時は少し暑いくらいであったが、乾燥した気持ちのいい状態で練習に参加できた。

会場は2月下旬に参加した場所(区民センター)であったが、区民センターに着くと、ロビーにはすでに1部の指揮者のSさん、ギターパートトップのSさん、東京の社会人マンドリンクラブのメンバーでもあるドラのTさんが来ていた。
練習室は今回が小さな体育館のような部屋だったが、2部の指揮者のSさんに挨拶を交わし、今回練習に来たいきさつなどを話した。
そして今回、学生時代に同じメンバーだった3つ下のベースのO君が来ていたので、近況などを訊く。
私の学生時代の弟子のTさんの消息を訊いたり、家から運んできたというベース(楽器)の話などをする。

そしていよいよ13時過ぎに練習が始まったが、先の難曲は残念ながら1回通して演奏するだけで終わってしまった。
本当のところ100回くらい合わせ練習をして欲しかったくらいだ。
この曲に対する思い入れが強く、失敗したくない、という思いが強かったのか、今回の合奏練習ではこの曲だけ演奏中に緊張で手が震えた。
失敗してはいけない、と自分にプレッシャーをかけると出てくる症状である。「失敗したら大変なことになるぞ」と自分に脅しの暗示をかけているようなものだ。
しかし今回は手が震えながらも、おおむねテンポ通りに演奏できたという実感を感じられた。猛練習した甲斐があったと思った。
恐らく本番ではもっとよく演奏できているに違いない。
願わくは、本番で、無心の心境で、この曲に本当に感動しながら弾けるようになることだ。

他の曲も2,3の課題はあったが、それが明確になったのはこの練習に参加した意味があったと思う。

合奏練習はあっという間に終わった。自分としては少なくても倍の時間は続けていたいと思ったほどだ。
練習後は飲み会に参加。
2月下旬のときと同じメンバーだったが、今回は終始、かなり盛り上がりのある飲み会だった。3時間以上は飲んだか。
隣に座った11代上のギターパートの方がクラシックギターにかなり詳しい方であり、札幌のギター界の裏話的な話題から野球の話題まで、私も珍しく飲み会で時間を忘れるほど会話に忙しかった。
あとはちょっととっつきにくいかな、という印象をそれまでもっていた先輩(10代以上上の方)も話してみればきさくな方だったりして、2月下旬のときよりもこの方々との距離が縮まっているのを感じた。
最後の締め指名されて戸惑ったが、先の難曲を是非成功させたいとの思いを強調してあいさつに代えさせてもらった。

合奏練習も飲み会もわずかな時間であったが、とても楽しかった。はるばる遠方から参加した甲斐があった。
明日からまた猛練習を再開だ。
そして、16日の本番は35年以上会っていない学生時代のメンバーに会えないかと期待している。
こういう機会でないと再会する機会は2度とないだろうからだ。
演奏会に聴きに来て欲しいし、演奏後のロビーで是非会いたい。
夢のような(?)再会をひそかに期待している。


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張力の強い弦を張るとネックは反るか?

2023-06-23 23:23:33 | ギター
明日から実家に帰省だ。
25日に母校マンドリンクラブ55周年記念演奏会の合奏練習に参加するためである。

6月4日に関東在住の参加者のために、札幌から指揮者やトップが来てくれて合奏練習をしたのであるが、やはり実際の合奏となると家で一人で弾くのと全然感覚が違っていて、難しい曲などはテンポが著しくずれてしまっていたので、本番前日練習までに1度は合奏練習に参加しておきたいと思ったのがきっかけである。

あとは一緒に演奏するメンバーとして、可能な限り雰囲気に慣れておく必要もあると思った。
同じ大学のOBとは言っても知らない方が圧倒的に多いのも事実だ。

さて先日、再販されたアランフェス・クラシックシルバー弦が自分の楽器との相性が良く、自分の求める音とも合致することを再認識してから、これからこの低音弦をずっと使い続けようと思っていたところに、もしかしてアランフェスよりもいい弦があるかもしれないと欲を出して、アマゾンからサバレス・カンティーガ・ノーマルテンションという弦を買って試してみることにした。



まずは高音弦を張ってみた。それまで長年使ってきたのはオーガスティン(リーガルでない普通のオーガスティン)。



弦のサイズをオーガスチンと比べてみると、カンティーガの方が若干太い。

【オーガスティン(黒・赤・青共通)】
①弦:0.71mm
②弦:0.81mm
③弦:1.01mm



【サバレス・カンティーガ・ノーマルテンション】
①弦:0.73mm
②弦:0.83mm
③弦:1.03mm



カンティーガはオーガスティン・リーガルよりかは細い。

【オーガスティン・リーガル】
①弦:0.75mm
②弦:0.85mm
③弦:1.05mm

弦が太くなると、張力が強くなるようだ。
オーガスティン(普通)よりもカンティーガの方が明らかに張力が強く感じられた。
弦の聴力が強くなるのが分かる変化として、ペグのツマミを回す際の抵抗の度合いで感じ取ることが出来る。
張力が弱い弦だと、ツマミを回す時の抵抗力が少なく感じられる。
逆に張力の強い弦だと、ツマミを回す時の抵抗力が大きく感じられる。

張力の強い弦を張ったときの変化として気を付けなければならないのは、ネックが弦の張力に負けて順反りしてしまうことである。
今回、カンティーガに替えてからしばらくして、異変に気が付いたのだが、弦高がわずかに高くなって、今まで問題なく押さえられていた音がビリついたり、押さえを外してしまうようになったのである。
ネックをチェックするとやはり、少し順反りしていた。失敗だ。
弦高というのは髪の毛1本分高くなっただけも、弾き辛さを感じるものである。

このままこの弦を装着し続けていると、ネックの順反りが定着して元に戻らなくなるかもしれないと思って、まだ替えてから1週間ほどしか経っていなかったけど、やむなく外すことにし、オーガスティンの普通弦に戻すことにした。
外してから3日くらい経つが、ネックは次第に元通りのストレートに戻ってきているようだ。
(張力に負けて木材の変化が固定化されるまでの間であれば、木材は元の状態に戻ろうとする働きがあるものだと思う)

だいぶ前であるが、別の楽器でサバレスのアリアンスという張力のかなり強いフロロ・カーボン弦を張ったら、それまでストレートだったネックが反ってしまい、反りが元にに戻らなくなってしまったことがあった。
楽器にもよるだろうが、張力の強い弦を張るときはネックの強度を見極めてからにした方が良い。
強い張力の弦でネックが反ってしまうということは十分にありえることである。
ごくわずかな変化であっても演奏に影響してしまうので、注意が必要だ。


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渡辺範彦演奏 ポンセ作曲「組曲 イ短調」ライヴ録音を聴く

2023-06-22 22:22:37 | ギター
また渡辺範彦の素晴らしい演奏を見つけた。
ポンセ作曲「組曲 イ短調」のライヴ録音 1968年。

見つけたのは昨日。
今日あらためて聴いてみた。
椅子の背もたれにだらしなく体を傾け、日本酒「浦霞」の300mlびんを飲み、乾燥肌による猛烈なかゆみを引っ掻き、J-Guitarという楽器サイトを見ながら、聴いていたのであるが、2曲目のアルマンドを聴いているのときに異変に気付いた。
なんと知らないうちに涙が出ていた。
きっと心の深いところで何かが知らないうちに起こったに違いない。
そして聴き進めるうちにその感情は増幅していった。

かなり自分でも驚いた。
こんな体験、10年以上前だったと思うが、シゲティの弾くバッハのヴァイオリン・パルティータ第2番を聴いて以来かな。

渡辺氏の弾く楽器は河野賢の初期の作品だ。
伊福部昭が所有していたといわれる同じ頃に製作された河野ギターの音を思い出した。

しかし、これだけ聴く人の心に深く浸透し、奥底の眠れる感情を呼び起こすことの出来る演奏ってどれだけあるだろうか。
渡辺範彦氏はレコーディングよりもライブで本領を発揮したと思う。
今回このようなライブ録音を聴くことで、渡辺氏の底知れぬ実力を思い知らされた。
このような彼のライブ録音が今後発掘され、公開されることを切に望む。

下に、今回聴いたライブ演奏のYoutubeの投稿を貼り付けさせていただきます。


高音質 渡辺範彦 組曲 イ短調/ポンセ ライヴ


下は、現代ギター誌の巻末に掲載された、渡辺範彦氏の編集、運指による「組曲イ短調」の楽譜。





下は、セゴビアがあきれた、ブロニッツ編の楽譜(この運指はなかなかだと思うけど)。



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