風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

スウェーデンの秋暮らし 2-1

2017-11-13 | 海外
1日目からの続きです。 

● フィリス川の橋

2日目の朝。とてもとても静かなので、ぐっすり寝られました。
6時台はまだ暗く、7時になってから日が昇ります。

外はもう冬の寒さ。持参したフリースではとても間に合いません。
リョコちゃんの厚手のコートを借り、ベイビーを保育園に預けて、彼女と街に繰り出しました。

街の中心を流れるフィリス川。



川にかかる吊り橋。中世の時のまま止まっているようです。



この橋は、以前は隣のバス通りにかかっていたそうです。
道路拡張にあたり、橋を外すことになりましたが、失くさずに少し離れた場所にかけ直したんだとか。
古いものをきちんと残そうとする国民性ですね。



橋を渡ると、真ん中に金の王冠がついていました。
まあ、ロワイヤル。
恋人たちのかけた錠もギッシリついています。これは世界共通ですね。



● カフェとスズメ

道端のカフェ。
もう寒くなってきたので、オープンカフェはほとんどクッションを外してしまっています。
お客さんがいるところだけ。



その一組のお客さんのそばに、スズメたちが集まっていました。
みんなモフモフにふくれています。かわいい~。



● 紋章の旗

お店には、ときどきこうした中世風の旗がかかっています。
地方の紋章で、自分の出身地の旗のお店に人は集うんだとか。
すてきですね。三田会みたいな?ギルドフラッグみたいな?
この羊さんは、ゴットランドシープ。つまりゴットランド島の紋章だそうです。



大聖堂近くになると、フィリス川は少し狭まり、流れも速くなります。
シンプルな石橋がいいですね。



石橋の上から川の上流を見ると、小さな滝ができていました。



● BADは悪くない

川を越えて、ウプサラの中心街に入ります。
レンガ造りの建物に、大きくBADと書かれていました。

BADですって!
青少年更生施設とか?でもこんな町の中心地にあるもの?
Because I'm bad, I'm bad ~♪
頭の中をマイケル・ジャクソンが流れます。



またもやリョコちゃんにおそるおそる聞くと、「あれはお風呂っていう意味よ」と言われました。
えっ、お風呂?
「BATHのこと」
ぜんぜん悪じゃなかった~!

MANといいBADといい、教えてもらわなければきっと誤解したままだったわ~。

賑やかなドラガルブルンスガータン通り(Dragarbrunnsgatan、長い…)からバスに乗りました。
この辺り、前は彼女一人でも深夜の散歩ができていたけれど、移民の増加に伴って治安が悪くなり、今ではできなくなったそう。



● ガムラ・ウプサラ

バスの行先は、ガムラ・ウプサラ。ストックホルムにガムラ・スタンがありますが、ガムラとは「Old=古い」という意味だそうです。
ガムラ・ウプサラ。呪文のようですね。(それはアブラ・カダブラ)
終点で降りると、そこには緑の丘陵が広がっていました。



ここは、古代スカンディナビア最大の聖地。
5世紀から6世紀にかけて、スウェーデン王が居住した、政治と宗教の中心地でした。
緑の小高い山が三つ連なっており、王、子、孫の3代が眠る古墳と伝えられています。
「あれ、前に来た時にはこんな柵はなかったのに」とリョコちゃん。
前は上に上れたそうですが、今は入れなくなっていました。保存調査のためでしょう。
ゴロゴロころがり降りたかったけど、王が許してくれませんでしたのね。



墳墓からは、私たちがやってきた今のウプサラの町が見えます。
高い塔は、5キロほど離れたところにある、現在の町の中心の大聖堂。



これは歴史博物館。古めかしい作りですが、中は立派です。



これは一般の(?)おうち。真っ赤なのに目立ちすぎず、緑の中のアクセントとしてしっくり調和していました。
赤い家に赤い紅葉。すてきです。



かつて王が住んでいだ中心地ですが、今あるのはとても小さな集落。



● 緑の散策

緑の中を散策します。都会よりもこうした風景の方が好き。



途中、すれ違ったのはこの2人だけでした。
人が少ない北欧。街を離れると、本当に人影を見なくなります。



鮮やかな自然。
緑が美しいと、紅葉も美しいものなのかしら。



● 古めかしい教会

古めかしい教会がありました。
この場所には、かつて北欧神話の神々を祀った木造の古代神殿が建っていたそうです。
石ではなく木造というところが、北欧風。



12世紀にキリスト教化した後には、古代神殿の跡にスウェーデン最初の大司教座と大聖堂が置かれました。
13世紀後半になって現在の町の中心にあるウプサラ大聖堂に移るまでの約1000年間、ここはスウェーデンの宗教上の中心地でした。



重い扉を押して、中に入ってみました。ミニチュアの家具や衣裳があって、ここは小人の世界?
いえ、子供たちのためのコーナーのようです。



● オルガンの音色

聖堂内には、パイプオルガンの音色が鳴り響いていました。
夢の中にいるようです。



スカンジナビア、そしてウプサラの長い歴史を知ったあとで、人里離れた教会のオルガンの音を聴くと、自分もまたその歴史の中にいるという荘厳な気持ちになります。



上の階に、オルガンで賛美歌を演奏している人がいました。
私たちが入ってきたことに気づかず、熱心に練習していました。



教会に隣接する木造の鐘楼。北欧風の建物です。



別の角度から見た教会。違う建物のようですが、今入ったところです。
どこから見ても絵になります。
柵が斜めなのは、実用性でしょうけれど、なんだかおしゃれ。

● 森の民が還る場所



スウェーデン人は国旗が大好き。みんな国旗カラーの青と黄色の取り合わせが好きなんだそう。
そういえばIKEAカラーも青と黄ですね。今さら気づいたりして。



風が吹くと、はらはらと散る落ち葉。
鳥やリスがひょっこり姿を現しそう。

北欧では、人は森から来て森に還るといわれます。
たしかにここにいると、自然と一体化したように落ち着きます。



冷たい風が吹き抜けて、もうすっかり秋の中。
日本の暑さを忘れてしまいました。

その2に続きます。



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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2017-11-19 21:11:47
ウプサラってストックホルムのまだ北に
なるんですね。
高緯度地域ならではの
貴重な経験がうらやましいです。

MAN と BADには面食らいますね。
アネッティワールドさん (リカ)
2017-11-21 17:45:39
そう、ちょっとですがたしかに北上しました。ストックホルムからも行きやすいので、機会があればぜひ!

MAN と BAD、本当にびっくりしました。なまじ英語に読めるだけにそんなことに・・・(笑)

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