風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

博多日帰り歴史探訪 2

2015-10-30 | 九州
その1からの続きです。

○ ポンポン周船寺

さっちゃんと別れた後、私は地下鉄で姪浜駅まで行き、そこからJR筑肥線に乗り換えて周船寺駅まで行きました。
姪浜(めいはま)も変わっていますが、周船寺(すせんじ)って面白い名前ですね。
ポンポン船を連想します。
周船寺というお寺があるのかな?と思いましたが、今はない様子。
奈良時代の大宰府政庁の時代に、船を司る役所(主船司)があったことに由来するといわれているそうです。

小さな駅で、駅員さんにバス停の場所を聞いて、コミュニティバスに乗り込みました。
目指すは九州大学伊都キャンパス。別の駅からも大学行きのバスが出ていますが、一番時間が合いそうだったのです。
小さなマイクロバスに乗客は私一人。20分ほど揺られて、目的地に着きました。

○ 新しい九州大学

かなり山の中までやってきて、びっくり。
3月にも九大に来ましたが、その時は市街中心部にある箱崎キャンパス、今回はアクセスが大変な伊都キャンパス。
計画都市のように、どこを見回してもピカピカです。
広くて迷いそう。
数年後には、大学はすべてこちらに移転するそうで、敷地内では急ピッチで建設工事が進められていました。



ここで開催される勉強会への参加が、今回のメインの目的だったんです。
お勉強を終えた後、ほかの参加者と一緒に市営バスで九州大学学研都市駅に出て、博多方面に向かいました。
ここからぞろぞろとJRに乗り換えましたが、私はひとり、西新駅で降りました。

「元寇防塁を見ようと思って」
「は?」
全く分からないという顔をされたので、電車が駅に停まるまで、急いで説明することになりした。
まあ、興味のない人には全くピンとこないものですものね。

○ 元寇防塁

鎌倉幕府8代執権・北条時宗の代に起こった元寇。
鎌倉を訪れると時宗ゆかりのお寺が多く、往時をしのびながら散策しますが、考えてみると、戦場は鎌倉ではありません。
元の大軍は、九州に上陸しようとしたのです。

鎌倉だけを訪れて、元寇をわかったつもりになっていてはいけませんね。
当時築かれた防塁が、今でも福岡の海沿いにいくつか残っている箇所があります。
九州大学のある糸島半島に立派なものがあるようですが、車がないと移動しづらい場所なので、駅から歩いていけるところにしました。

私は下山門駅そばの防塁をチェックしていましたが、さっちゃんが西新駅そばの方を訪れたと聞いて(やはり趣味嗜好が似ている)、急遽予定を変更し、西新に行ってみることにしたのです。
にぎやかな町でした。

○ サザエさんの町

突然「サザエさんの町」というパネルを発見。



長谷川町子さんは、この辺りゆかりの人なんですね。てっきり桜新町の人だと思っていましたが、佐賀県出身で20代まで福岡に住んでいたそうです。
サザエさん通りを歩きましたが、見たところサザエさん色はありませんでした。記念碑はあるそうです。
そういえば、桜新町の波平さん像の髪の毛はどうなったのかな。

○ 読めない県立校

修猷館高等学校があります。
読めない・・・。「しゅうゆうかん」だそうです。
日光の大猷院(たいゆういん)を思い出しました。



門のデザインからしてすてき。門柱に校名が浮き彫りにされています。
てっきり由緒ある私立だろうと思ったら、校門に「県立」とかかれていたので、驚きました。
レベルが高い学校らしいですが、今からでも入りたーい!

○ 防塁はキャンパス内

元寇防塁は住宅街の中にあると聞いており、ちゃんと見つけられるか不安でしたが、きちんとパネル表示がされていたので迷わずに行けました。
途中、西南学院大学にさしかかります。
ここの校門前にも、元寇防塁のサインがあったので、(おや?)と思って、構内見取り図を見てみました。
すると、なんと敷地内にあると判明。

ちょっと敷居が高かったのですが、勇気を出して、まずはそちらに行ってみることにしました。
この日ふたつめの大学訪問。



もう5時過ぎていたので係の人はいませんが、見学できます。
建物の中に入ってきょろきょろしていたら、標識を見つけました。
元寇絵巻に描かれた武士でしょう。GODIVAのマーク(右)を和風にした感じ。

     


防塁は、建物の中庭にありました。周囲を近代的なビルに囲まれています。



防塁の高さは、2.5~3m。思ったよりもしっかりと残っていて、圧倒されます。



がっちりとした石垣になっています。
迫りくる迫力。これは頑強ですね。



九州の御家人たちは、遠い鎌倉からの命令を受けて頑張ったんだなあと、遠い目になります。



もっと崩れかけているかと思っていましたが、こんなに存在感があるなんて。
実際に防塁に触って、その質感を確認できました。

○ ほかにもあります

キャンパスを出て、近くにある別の防塁にも向かいました。
草ぼうぼうのちょっとした空地のような場所にあり、標識がなければ気付ずに通り過ぎたことでしょう。
説明パネルを見ると、福岡の湾岸にはいくつも防塁が築かれ、現存していることがわかります。



先ほどの元寇マークは、上の絵の赤い武将を反転させたものじゃないでしょうか。
さっきのものとはまたちょっと違う造り。こちらは塀というより溝のようです。



そばには、元寇神社もありました。
コンクリでできている、新しそうな小さい祠。
ええと、何の神様を祀っているんでしょうね?
特に説明がないため、わかりません。
戦いの神様というわけではないでしょうから、元寇で戦い、命を散らした兵士たちを弔っているのかもしれません。



人に話してみても、相当反応の薄い元寇防塁。
福岡出身の人にさえ「なんでわざわざ行くの?」と、真顔で聞かれる始末です。
観光スポットじゃないんですねー。
でも私は感激しました。おそらくさっちゃんもそうでしょう。
鎌倉になじんだ人は、実際に訪れてみると(おお~)と思うんじゃないかと思います。

○ 愛宕登山

再び地下鉄に乗ります。一日乗車券があると、気楽に移動できてとても便利だわ~。
(自分のを落としておいてー)
今度は、逆方向の電車に乗り、室見駅で降りました。



室見川を渡ってすぐに、大きな標識を見かけます。
次に目指すのは、この愛宕神社です。
ここは、日本三大愛宕(京都・東京・福岡)の一つ。
本家本元の京都の方はまだ訪れていませんが、東京都港区の愛宕神社には何度か参拝済み。
福岡でもお参りすることにしました。



しかーし、ご存じの方も多いと思いますが、愛宕神社は山の上にあるもの。
京都にある総本社は、登山に2時間かかるアクセスハードな場所にあるらしく、いつ行けるのか自信がありません。
ここはどうかしら?地図で見るだけではわからないし、福岡の愛宕神社は情報があまりありません。

道を曲がると、あーやっぱり。
急な坂道が目の前にありました。
予想していたことなので、悲嘆にくれずに歩き始めます。

テクテク・・・。
登っていると息切れがして、暑くなりますが、それでも夕方にさしかかっているため、日中よりはずいぶん涼しくなってきています。

しかし、さすがはあたご。急勾配・・・。
車だと、相当気合を入れてアクセルを踏み込まないといけなさそうな坂道。
ゆっくり登っていきます。

ほかに歩いている人はいませんが、道の両脇は住宅地。
市街地ですもんね。
子ネコが数匹遊んでいましたが、こちらの余裕がないのでちょっかいをだせません。



東京の愛宕山も結構な坂で「出世階段」と言われるくらいですが、ここの方が延々と登っていく気がします。
山の上の方まで行くと、大きな鳥居が見え、さらに上に続く石段が見えました。
ひえ~、まだ登るのねー。
登りつづけて、ようやく社殿が見えてきました。
つ、着いたわー。(ゼイゼイ)



○ 展望台からの景色

参拝して、後ろ側に周ってみると、そこは見晴らしのいい開けた場所になっていました。
わあ、きれい。絶景を前に、ここまでの苦労が吹き飛びます。
ベンチがあり、望遠鏡も設置されていて、完全に展望台です。
三脚を据えて眼下の光景を撮影している人もいました。



海の向こうに見えるのは、能古島(のこのしま)。
視線を右にずらしていくと、さらに奥に見えてくるのは、いつか行きたい海ノ中道。
福岡ってあまり海のイメージがありませんが、高台からこうして見ると、ウォーターフロントの町だなあと思います。



さらに右の方には、室見川河口が見えます。
このあと再び地下鉄に乗って、西新駅から訪れようと思っていた、シーサイドももち海浜公園も見渡せます。
城址からも見えていた注射針のような塔は、福岡タワーだとわかりました。



なんだか、海岸まで行くよりも、ここで見下ろしているほうがいいような気になってきました。
今から移動しても、公園に着くころにはもう暗くなっているでしょう。
急いで動くよりも、ここでのんびりしよう。
高台から海を見下ろせるこの場所はとても居心地がよく、ベンチに腰掛けて、しばらく辺りの光景を眺めていました。
鎌倉時代には、先程見た元寇防塁の辺りが波打ち際だったのでしょうけれど、今ではかなり埋め立てられていますね。
そういえばスピッツのマサムネは、福岡に住んでいた頃、毎年初詣にこの神社を参拝していたそうですよ。
こんなニッチな情報を知っているのも、さっちゃんの教育のたまもの。彼が眺めたこの景色、ファンは登って共有しないとね!

薄暗くなり、風が冷たくなってきたので、そろそろ下ることにしました。
拝殿をもう一度お参り。もう夜の面持ちになっています。



下り道で膝が笑って、石段や坂道で転ばないよう、気を付けながら下りて行きました。

○ 音次郎と音二郎

参道途中にある目に鮮やかなたくさんの朱鳥居は、愛宕音次郎稲荷神社。
愛宕神社とは関係はない、民間信仰の神社のようです。



「おとじろう」といったら、新派劇の父、川上音二郎を連想しますが、字がちょっと違いました。
この神社とは関係ないようですが、博多出身の彼の銅像は福岡の川端通商店街前にあります。

帰りの坂道では、まだ先ほどの子猫たちが遊んでいました。
今度はカメラを取り出しましたが、くるくると走り回っていて、うまく写真には撮れませんでした。



下に降りると、先程の標識はもう夜の中。
それでも煌々と目立っています。
夜景を観に上がる人もいるのでしょう。

再び室見橋の上から、福岡タワーを眺めます。
夜景も雰囲気があって、すてきです。



○ 天神で画伯展

地下鉄に乗って、今度は天神駅に向かいました。
さっちゃんとランチを取ったパルコを再び訪れ、上の階へと上がります。
ちょうどこの日から、田辺画伯展が開催されると聞いたからです。
ご存じの方も多いとは思いますが、画伯というのは、あまりに脱力した絵を描くために一周して呼ばれた名前です。
まさかの画伯の個展!うっそ~。



個展というよりは、グッズ売り場といった方が近い感じでしたが、それでも女性のお客さんが結構いました。
画像を見ると、閑散としているようですが、たまたま人が写らないタイミングを狙っただけです。



画伯の書いたもっちーという犬と、お散歩してきましたよ。
さっちゃんも、昼に私と別れた後でここを訪れ、グッズをゲットしたそうです。何を買ったのかしら~。
画伯のサイン発見。額に入っています。いつの間にこんなに大物になったんでしょうね。



店内にはキディランドがありました。
子供が好きそうなかわいいぬいぐるみのお店かと思っていたら、大人が好きそうなスターウォーズ仕様。
ダースベイダーの衣装は、ハロウィン用かしら?



夜になり、空港に行く時間になりました。
パルコは地下鉄天神駅とつながっているから便利。この日最後の地下鉄に乗り込みます。
一日乗車券、十分もとが取れましたー。

○ お土産いろいろ

お土産に、紅白の鶴乃子まんじゅうを買いました。
かもめの玉子に似ていますが、こちらはマシュマロで黄味あんを包んでいます。
タンチョウヅルが来るのは鹿児島の出水ですが、お菓子を出しているのは福岡なんですね。
「ひよこ」の広告があちこちに貼られています。東京ひよこよりも博多ひよこの方が歴史が古いそうですが、それよりもこの鶴乃子は古くからあるんだそうです。



くまモンのものは、まごうことなきさっちゃんからのいただきものです。
勢いあふれた黒糖ピーナッツも!この顔は、ピーナッツ?



男は食べる!食べたら元気になりそうです。



○ epilogue

福岡空港からはスムーズに帰途につきました。
今回はANAの正規便。LCCとは全然違うびっくりのお値段ですが、羽田発着はやっぱり便利で快適です。

日帰りでしたが、一日まるまる使った博多旅行は、天気に恵まれ、友と再会できて、楽しく過ごすことができました。
防塁に、ここまで心動かされるなんて。
これまで鎌倉視点でしかとらえてなかったので、
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
という、九州の御家人たちの叫びが聞こえた気がします。

いろいろな時代の歴史を確認できた今回の旅。
次は泊まりで訪れたいわ~。
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博多日帰り歴史探訪 1

2015-10-28 | 九州
[2015.9.4]
○ prologue

9月に、福岡を訪れました。
3月に行って以来の半年ぶりですが、また今回も日帰り。
せめてなるべく現地に長く滞在しようと、朝早く、夜遅いフライトをとりました。
5時起きして7時半に羽田を発っても、福岡に着くのは9時半近くです。

○ さっちゃんとクロと再会

福岡空港では、さっちゃんが待っていてくれました。
7月の熊本旅行でたっぷりお世話になった彼女が、今回は熊本から出てきてくれて、お買い物がてら、私と一緒に半日過ごしてくれるのです。
九州は大きいから、熊本‐福岡間は結構距離がありますよね。ありがたいわ~。うれしいわ~。

さっちゃんも九州に来てまだ日が浅いため、お互い福岡ビギナー。
空港直結の地下鉄に乗るのにも、うろうろ、きょろきょろ。
地下鉄一日乗車券を買い、乗り込みます。これで一日、乗り降り自由になりました。
乗り込んだ車両のドアに描かれた黒い子犬に、2人で注目しました。
「これ、クロじゃない!」



阿蘇を走る観光列車、あそぼーいのキャラクターです。
キミ、阿蘇駅の犬小屋に住んでいるのに、なぜ福岡のメトロについているの?
JR九州だからでしょう。

○ 空海建立最古のお寺

まずは祇園駅で降り、私のリクエストで、東長寺に行きました。
空海(弘法大師)が日本で最初に創建したお寺です。
よく見ると、両側の木札には
「九州八十八カ所第一番霊場」「九州三十六不動尊結願霊場」と書かれています。
名刹、古刹ですね。



大きくて立派な仁王門が迎えてくれます。
でも中をのぞくと、仁王さまじゃない金ピカの人が、にらみを利かせていました。
ええと、どなた?中国の方かとお見かけしますが…。



境内に五重塔がある、広々としたお寺。
平成23年に完成したばかりのまだ新しい五重塔は、高さ23mの総檜造。
バランスの取れた、美しい姿です。



お参りをしようと本堂に行くと、お賽銭箱の横に、大きなリンがありました。
「これ、鳴らしていいのかな?」



参拝客向けの場所に置いてあるから、okと判断して、リン棒を当てました。
一般家庭の仏前にある小さいものだと「チーン・・・」という音が響きわたります。
それを期待していたら、「バコン!」という音。
予想外!さっちゃんが鳴らしても「ペコン!」と言う音でした。
音響はどこにいったの?余韻がないわ~。
分厚いのに、すごくへこみがあるので、これまで怪力の九州男児(と九州女児)に叩かれ続けてきたのでしょう。
広い拝殿の奥中央にある、秘仏の千手観音菩薩や不動明王像をお参りしました。

○ 九州の巨大仏

それから表示にしたがって、階段を上がります。
先ほどから、本殿参拝はせずに、階段にまっすぐ向かう人が結構います。

ここは大仏殿。あがったところに、福岡大仏が鎮座していました。
高さ10.8mという日本最大級の、檜の木造坐像の釈迦如来像。
撮影禁止のため、外の表示パネルの画像を載せます。



奈良や鎌倉で見慣れた大仏と違う、木の暖かみを感じます。
触れそうなくらい近くから見せてくれるため、下から見上げて拝観することになります。
衣裳のドレープの質感や量感は、木製とは思えない美しさ。
ありがたや~。

堂内には極太の大きな蝋燭が灯されていて、ルルドでもそうだったと思い出しました。
あそこでは、参拝者はプロパンガスほど巨大なろうそくを、リアカーで引いて運んでいましたが。

大きな白いろうそくの表面に、奉納者は願いを書いています。
だいたい日本人は「商売繁盛」「家内安全」「病気平癒」といった四文字熟語(?)ですが、その中で、びっしり漢字が書き込まれているものがありました。
(漢詩みたい)と思いますが、中国語が読めるさっちゃんはすばやく判読して「母国に戻っても商売がうまく行きますようにとか、あれやこれや、とにかくいっぱいお願い事が書いてあるよ」
願いを書ききれないから、大きなろうそくにしたのかも。

○ 地獄・極楽巡り

大仏の台座の中には、「地獄・極楽巡り入り口」があります。
地獄・極楽巡り!ツアーですかい。
ここに来たかったんですよね~。いそいそと地獄に向かいます。



薄暗い細道を入っていくと、ぼんやりした明かりのもとで、何枚ものおどろおどろしい地獄絵巻のレリーフが飾られており、歩いていくごとに、さまざまな地獄の説明が放送で入ります。
誰が手がけたのか、かなり強烈。思いっきり描いている感じ。
「こんなに地獄ってあるんだねー」「覚えてられないねー」
最後にあった武者地獄?は、甲冑姿の人同士が戦っていて、絵としてはやけに格好良かったです。

そこから突然、通路は真っ暗になりました。
戒壇巡りの始まりです。
わからない人は「え、なに?」と驚きそうですが、(面白いものが好きな)私たちは、お互い体験済みなので、勝手がわかっています。
「うわ、暗い」と口々に言いながら、手すりにつかまってくねくね道を進んでいくと、途中に「仏の輪」があり、じきにぼんやりと明るくなってきました。
そこが極楽でした。パーラダーイス!
わーい、地獄から極楽にこれたよー。
極楽の絵は一枚だけでした。お賽銭箱があるのもここだけでした。
まあ、地獄の絵の前でお賽銭を入れる人はいないでしょう。

地獄はたくさんあっても、極楽は一カ所なんだなあと思い、トルストイの『アンナ・カレーニナ』の冒頭の一文「幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」を思い出しました。
(こんな場所でロシア文学!)



極楽気分のまま、入ったところと逆側の大仏の台座下から出ました。
出口の表示の方がおどろおどろしいのはなぜ?

九州一の大仏を見せてくれて、極楽巡りもさせてくれながら、拝観料がただという太っ腹のお寺。
それで参拝客が多いのでしょう。中国語があちこちで交わされていました。
境内にはいい狛犬もいたし、満足だわー。

○ 福岡城址へ

再び地下鉄に乗り、今度は大濠公園駅で降りました。
これで「おおぼり」って読むんですねー。
名前の通り、大きな公園と福岡城址があります。



お堀の横を歩きながら、「先月は、一緒に熊本城のお堀の横を歩いたね」と言いました。
ああ、熊本城は最高でした。
ここは天守閣のない城跡ですが、石垣や櫓は少し残っており、雰囲気はあります。
別名「舞鶴城」と呼ばれたそう。優雅な姿だったんでしょう。

お堀には、蓮の葉が青々と茂っていました。
カエルは水に入らずとも、渡って行けそうです。



○ 福岡ジャック?

お城の隣には陸上競技場があります。その周りには、大勢の人たちがいます。
なにか陸上競技大会でも行われているのかなと思うくらいのにぎわいぶり。
番号札を掲げて、人々を移動させている人もいます。
でも、アスリートと言うにはなんだか体型や動作がちょっと・・・。年齢も幅広いし。
大通りの反対側にまでしゃべっている声が聞こえてきますが、ガヤガヤしすぎて、なにを言っているのかわかりません。

さっちゃんが「中国人ツアーだわ」と言いました。
そうなんだ~。それにしても大勢すぎます。
総勢何人かわかりませんが、何百人単位のすごい数。
日本のツアー観光客とは比較にならない、修学旅行レベルの人数です。
「福岡ジャック?」「爆買い?」
私「みんな大型クルーズ船で来たのなら、2日後くらいには熊本にもやってくるんじゃない?」
さちこ「じゃあ、一週間後くらいには横浜で再会するかもよ」
お互いに、黙りこくります。
お城の周りで休んでいる人たちも大勢いますが、移動中の人々は、どうやら私たちと同じく天守閣跡の大天守台を目指しているようです。
ガイド風の人が声を張り上げてなにかしゃべっており、さっちゃんが「今からこの城跡で一番高いところに行きます、だって」と通訳してくれました。
このままだと、ツアーの大群と高台でかち合っちゃうわ。

混雑を避けて、彼らが向かっている表門ではなく、裏門から入りましたが、入り口が違っても結局中で会うのは一緒。
きっとみんな、撮影しだすわー。
アジアの人たちの撮影にかける情熱というか執念は、すごいものです。
みんな、本気のポーズをとって、プロマイドのように、納得がいくまで何枚も撮ります。

前に上海のバンド (外灘)を観光していたら、中国人青年に「そこ空けて」と言われて、「?」と思って場所を空けると、彼女らしき人がそこに立ってモデル顔負けの決めポーズをとりはじめ、唖然とする私の横で撮影会が始まったことがありました。
今回は日本でそんな光景が展開されるのねー!
と身構えていましたが、意外にも、そんなにカメラを構える人はいませんでした。
ほとんど見がいがなかったからでしょうか。
大天守台は展望台になっている割には見晴らしがいま一つで、私たちもカメラは取り出しませんでした。

中国の人たちは、似ている顔立ちですが、服装が全然違います。
選ぶ色も、原色が多い感じ。
日本のツアー客よりも男性が多いなと思います。日本だと、女性か退職した年配男性ばかりですが、中国はどちらかというと家族全員で参加しているみたい。
男の人は仕事を休んで参加しているのでしょう。
どこを向いても中国人、飛び交う中国語。このとき大天守台にいた日本人は、間違いなく私たち二人だけでした。



石段の上にあるのは、本丸の鬼門封じの祈念をするための祈念櫓。
遠くに注射針のようなタワーが見えました。福岡のニードルタワーでしょうか?



○ 中国人ツアー

今度は城跡から大濠公園の方へと移動します。
「いやー、びっくりしたねー」
「ここが日本なのか中国なのかわからなくなっちゃったね」
お城から離れるにつれ、日本人の世界に戻ったと思いましたが、それでもツアー札を首から下げた人を何人も見かけました。
みんな、自由行動中なの?それともはぐれてるの?

中国在住経験のあるさっちゃんは、「中国人ツアーなんて、時間に間に合わない人が続出して、全然予定通りに進まなそう」と言います。
それ、ツアーとしては致命的でないかーい。

まあ、騒がしいとはいっても、特に迷惑行為をしているわけではありません。
身なりもちゃんとしているし、それなりのステイタスの人々のようです。
「身なりと言えば、ちょっと前に、上海あたりでパジャマ姿で外出するのがはやってなかった?」
「今でもいるよ」
さっちゃん、さりげなさすぎ!

「えーっ!」
「暑いからじゃないかな」
さっちゃん、理解ありすぎ!

「まあ、今回はいなさそうだね」
「さすがに別の国に来るとなったら、おめかしするんじゃないかな」

チャイナパワーに圧倒されて、福岡城の歴史に思いを馳せることを忘れていました。
初代福岡藩主・黒田長政が建てたお城で、黒田官兵衛・長政ゆかりの場所なんですね。
でもこの前岡山で、官兵衛の入れ知恵で秀吉に水攻めされた、かわいそうな備中高松城を訪れたばかりなので、(人のお城を沈めておいてーぶー)といまいち素直になれませんでした。

○ お堀にしては大きすぎ



さて、大濠公園では、大きな池がたゆたってていました。
お城は私、公園はさっちゃんのリクエスト。
「この公園、地図で見たら、池が大きいのが気になったのよね。お堀にしては太すぎると思わない?」
むむ、目の付け所が鋭い!私は全然気がつきませんでした。
確かに太すぎる!とてもお堀とは思えません。
上の画像は、この時大濠公園駅から歩いたコース。池が目立ちますね…。

調べてみると、元々博多湾に続いていた入り江を、黒田長政がお城の外濠にしたようです。
水源まで地面を掘るより、元からある入り江を埋める方が楽ですからでしょうか。
下の画像で向こう岸のように見えるのは、池を半分に横切っている道で、その先にさらに池は広がっています。



この日は最高気温29度のとても暑い日。
寒くて天気の悪い日が一週間近く続いていたので、突然の夏のぶり返しに身体が驚いています。
九州もずっと天候不順だったそうなので、とりあえずは晴れてよかった。
さっちゃんに「日傘を持ってきたら?」と教えてもらったときには(そんなに暑いかなあ?)と半信半疑だったし、朝、東京は雨が降っていましたが、着いてみたら驚きのピーカン。
日光が眩しくて、みんな日陰に寄っています。日傘を持参して助かったわー。

○ スズメとひまわり

池の周りの遊歩道にはごつごつした石の飛び出た足つぼコーナーがあり、見てるだけで足の裏が痛くなりそう。
スズメがちゅんちゅん。ひまわりにつかまって、揺られていました。



ひまわりの花の季節はもう終わり、その種をつついているようです。
スズメがひまわりの種を食べるとは思いませんでした。
シジュウカラやヒワやイカルは、種の皮をむきやすいくちばしをしていますが、スズメも挑戦しているのかも?



○ 池の真ん中を通る

池の真ん中には、天橋立のような小道が通っています。
そこを歩くと、湖面を渡る風が涼しくて、とても快適。
両側が水面というのは、とても気持ちがいいものですね。



この池は、半分ずつ釣りが可能なエリアと禁止のエリアに分かれています。
公平ですね。
平日ですが、夏に戻った天気に呼ばれてか、スワンボートが何台も池に浮かんでいます。
乗ったことがありますが、すぐに脚が疲れちゃって、以外と大変だったんですよねー。
さっちゃんも、あるそうです。



後ろから「ヘイ、イッツ・スワンボート」という声が聞こえました。
体力がありそうな欧米の青年2人が、私たちを追い越して、ずんずん歩いていきます。
(乗っちゃえ乗っちゃえー)と、背中に向かって2人で念を送りました。
スワン男子だ!と、萌える女子もいるでしょう(たぶん)。

○ 共通点がマイナー

橋の上で、亀に餌やりをしているおじさんがおり、辺りに亀が群がっていました。
遠くの方から、食いっぱぐれまいと猛スピードで水をかき分けてくる亀もいます。
『亀は以外と速く泳ぐ』という映画を思い出したら、さっちゃんも観たことがあるそう。
戒壇巡りに、スワンボートに、若干マイナーな映画。
つくづく、彼女とは、共通点を感じます。妙なところばっかり(笑)。
好みが似ているということね。



○ 一日パスはどこいった

お昼になったので、天神でランチをしようと、地下鉄の駅に向かいました。
ここで、アクシデント発生。
なんと、私の地下鉄乗車券が見あたりません。
そうはいっても、たいていバッグのどこかにあるので、「ハハハ、ちょっと探すから待っててねー」と、はじめは余裕を持っていましたが、いくら探しても、何度探しても、見つからないのです。
こ、これは、本当に落としたのかも・・・。

まったく記憶にありませんが、さっちゃんに会ってから、心ここにあらずでラリラリ浮かれていたので、やらかしちゃったようです。
あーあ。この日はまだ使いたいのになあ。
肩を落としていたら、さっちゃんが「私、天神から熊本に帰るから、これ使って」と自分のを差し出してくれました。
わああ(涙)。なんというありがたいお言葉!
持つべき者は友ですねー!
逆にさっちゃん、手間のかかる友でごめんよー!

○ 許さんばい!

そんな私を戒めるように、にらみをきかせる大男が3人。
よくよく見ると、みんな知ってる人でした。



工藤監督の就任は知っていましたが、井原さんがアビスパの監督になっていたとは、知らなかった―!
現役時代はミスター・マリノスと呼ばれていて、横浜の人というイメージなのに~!
柱谷監督の就任も知りませんでしたが、ギラヴァンツ北九州というチーム自体初耳でした。J2なんですね。

それにしても贅沢なポスター。
誰一人九州出身ではないので、「許さんばい」とは言わないと思いますが、まあ、そこは、まあ(笑)。
往年のスポーツヒーローたちが、今も御健在のようでなによりです。

○ 鉄なべギョーザ

そうして天神に移動。
スピッツファンのさっちゃんは「マサムネ(福岡出身)ゆかりのお店に行きたーい」と言うかなと思いましたが、特にそうしたミーハー心はないようでした。
彼女が好きなのはドラムの人(佐野出身)だからかも。

天神駅に降りるのは、これが初めて。
スピッツの「さわって・かわって」の歌の出だしが「天神駅の改札口で、君のよれた笑顔~♪」。
なぜか長いこと、大阪の天神橋駅と勘違いしていたけれど、ここのことなのねー!きましたよー!
って私の方が熱烈なファンみたい。



ここの鉄なべに入りました。
鉄なべで焼いた餃子を出すお店。
なぜここにしたかというと、福岡出身の知人が、上京して食べたという蒲田の餃子にいたく感激していたからです。
「東京の餃子って大きいね!福岡のはもう小さくて物足りなくって」
そんなに喜ぶなんて、福岡のギョーザはどれほど小さいんだろうと、逆に気になっていました。



「熱いので気を付けて下さいね」と、ジュージューいう音とともに、火からおろしたての鉄なべが目の前に運ばれてきました。
餃子は、確かにミニサイズ!ご飯はたくさんですが。
これは、男の人は足らないんじゃないかしら?
それともこっちの人はお上品で、そんなに餃子を食べないの?
東京は、ギョーザ消費量一、二を争う宇都宮と浜松の間にあるので、もりもり量なんですよー。

あとで福岡出身の男性に聞いたら「足らん足らん。2人前頼むとよ」とのことでした。



鉄で焼かれたため、カリッとした皮。
本当に一口で食べられるサイズなので、肉汁が出ることもなく、食べやすかったです。
デザートには、ここのお店だけという、レアチーズ豆腐を食べました。
豆腐?ケーキ?不思議な食感。

さっちゃんは、届いたばかりというスピッツの会報を持ってきて、見せてくれました。
親切にも「次に会うときまで、持っていてもいいよ」と言ってくれましたが、そんな、ファンの方の大切な会報をお預かりするなんて恐れ多くて気が引けますわ~。
熊本滞在の折に、知らないうちに夜な夜な受けていたスピッツ強化合宿は、密かにまだ続いているようです(笑)
おかげさまで、私もかなり好きになりました!



○ よれた笑顔でお別れ

そろそろ私の方の時間が近づいてきたので、天神駅の改札まで送ってもらって、お別れしました。
別れの時はいつも寂しいもの。私は歌の通り、笑い泣きしそうな「よれた笑顔」になっていただろうなあと思います。
会ってくれてありがとう。また会おうね、さっちゃん!

その2に続きます。
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博多日帰り歴史探訪 index

2015-10-27 | 九州
[2015.9.4]


◆ 福岡 1-(1) ←旅行記へ
 日帰りで福岡に行きました。熊本のさっちゃんと現地で落ち合います。
 巨大仏を見て、地獄・極楽巡りをして、中国人メガ団体に圧倒されて。
 大濠公園の池を渡って、鉄なべギョーザを食べました。
  ○ prologue ○ さっちゃんとクロと再会 ○ 空海建立最古のお寺
  ○ 九州の巨大仏 ○ 地獄・極楽巡り ○ 福岡城址へ
  ○ 福岡ジャック? ○ 中国人ツアー ○ お堀にしては大きすぎ
  ○ スズメとひまわり ○ 池の真ん中を通る ○ 共通点がマイナー
  ○ 一日パスはどこいった ○ 許さんばい! ○ 鉄なべギョーザ ○ よれた笑顔でお別れ

◆ 福岡 1-(2)
 午後は糸島半島で用事をすませ、再び町に戻ります。
 あちこちにまだ残っている元寇防塁を訪れてワクワク。
 高台から市内を見下ろして、博多のいまむかしに思いをはせました。
  ○ ポンポン周船寺 ○ 新しい九州大学 ○ 元寇防塁
  ○ サザエさんの町 ○ 読めない県立校 ○ 防塁はキャンパス内
  ○ ほかにもあります ○ 愛宕登山 ○ 展望台からの景色
  ○ 音次郎と音二郎 ○ 天神で画伯展 ○ お土産いろいろ ○ epilogue


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夏休みには庄内の風 index

2015-10-27 | 東北
[2015.8.9-11]

◆ 羽黒山 1-(1) ←旅行記へ
 神奈川県民の夏の定番といえば、湘南!
 ですがこの夏は、庄内に行ってきました。
 ヨガの参加者たちと霊峰羽黒山に登ります。修行中の山伏に遭いました。
  ○  prologue ○ 土地勘全くなし ○ 早朝の鶴岡
  ○ 真夏も芋煮 ○ 白いハチ公像 ○ 北の言葉
  ○ 羽黒山行きバス ○ 友ではなく山伏 ○ 古めかしい五重塔
  ○ キュートな石灯籠 ○ 重力との戦い ○ ここから石段行脚
  ○ 二ノ坂茶屋休憩 ○ とうとう登り切る ○ 蜂子神社の神事
  ○ 出羽三山合社 ○ 昇り龍と下り龍 ○ 下りもハラハラ
  ○ 漬け物天国 ○ おろし麦そば

◆ 鶴岡 1-(2)
 修行を終えた山伏たちと交流して、山から海へ移動します。
 加茂水族館では、クラゲの美しさにうっとり。
 電車で酒田に移動して、最上川そばの宿に泊まりました。
  ○ 朝の隣の宿坊へ ○ 山伏の饗宴 ○ 大鳥居を何度もくぐる
  ○ 風光明媚な鶴岡 ○ いよいよ水族館 ○ 好みのタイプ
  ○ クラネタリウム ○ 夢のような大水槽 ○ アシカやアザラシ
  ○ 「よ」つきの店名 ○ マリエさんとのお別れ ○ 2両の羽越本線
  ○ 酒田駅ライオンヘッド ○ 最上川の夕景 



◆ 酒田 2-(1)
 2日目は酒田をドライブ。海沿いのとびうおラーメンに舌鼓を打ちます。
 人里離れた自然の中へと連れて行ってもらいました。
 神秘的な泉を前に、時のたつのを忘れました。
  ○ 朝の窓の外 ○ ラ・フランスのカレー ○ レンタカー屋さんの送迎
  ○ レンタカー屋さんの送迎 ○ 黒光りのスポーツカー ○ ドライブ出発
  ○ 山形はお漬物 ○ リクエストは即身仏 ○ またもや長い石段
  ○ とびうおラーメン ○ 手彫りの十六羅漢像 ○ なりきり清張の黒い女
  ○ 木立の中の丸池様 ○ 土地の神社巡り ○ 髭面のお地蔵さん

◆ 遊佐 2-(2)
 物語に出てきそうなお寺に行ったり、地元の神社でルーツ探しをしたり。
 映画「おくりびと」の撮影場所に行きました。
 山々からつながる平野に、そこを流れる川。旅先ならではのすばらしいロケーションでした。
  ○ 普通に行けないお寺 ○ 山の中の神社 ○ ルーツを探して
  ○ おくりびとの場所 ○ エアーバイオリン ○ 町の中の神社
  ○ 早起きスーパー ○ 不二家はどこに ○ 旅先のバースディケーキ



◆ 鳥海山 3-(1)
 3日目には滝ガールがジョインして、滝巡りをしました。
 鳥海山を上がったり下りたり。いずれも個性豊かな滝ばかり。
 懸案の即身仏問題も、無事決着を迎えました。
  ○ 庄内料理のモーニング ○ 滝ガール加わる ○ いよいよ即身仏?
  ○ 鳥海山の滝巡り ○ 虹の滝 ○ きららのソフト
  ○ 貴婦人の滝 ○ 番地はこあら ○ 落ち着けるランチ

◆ 新庄 3-(2)
 最終日の午後も滝巡り。山を上ったり下りたり、滝へのアクセスは大変です。
 最上川沿いの風光明媚な場所に、突然出現した謎のコリアンタウン。
 新庄駅で解散し、3人それぞれの道へ。自然たっぷりの思い出に残る夏休みでした。
  ○ 白バイ発見 ○ 滝と筋肉痛 ○ 吊り橋とのコラボ
  ○ 出羽松山藩のあと ○ 田舎ドライブ ○ 最上川と白糸の滝
  ○ いとこ煮なるもの ○ 突然のコリアンタウン ○ こぶとりじいさま通り
  ○ ちぇれんこと大蔵村 ○ 新庄の山車 ○ 三人三様の道へ
  ○ epilogue <追記>



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夏休みには庄内の風(新庄) 3-(2) 最終回

2015-10-23 | 東北
3-(1)からの続きです。

○ 白バイ発見

混雑に合うこともなく、緑の田んぼを両側に眺めながらの快適なドライブ。
私たちの車の横を、サーッと白バイが走り抜けていきました。
「わあ、白バイだー!わーい!」とテンションが上がる私。
かっこいいですね~。



でも、アコリンもアヤちゃんも特に反応はなく、落ち着いたまま。
「あれっ?」
「だって、時々見るもの」
お仕事で車を運転する機会が多い二人に比べてさほど道路に出ない私は、箱根駅伝でしか白バイを見たことがありません。
本物を見たら、テンション上がりますよねー。
駅伝選手気分で、道が分かれるまでしばらく一緒に走っていきました。

○ 滝と筋肉痛

なだらかな平地から、再び傾斜の続く山の中へと入っていきます。今度は十二滝へ向かいました。
何回も山のクネクネカーブを上ったり下りたりして、かなり酔いそう。
山道が細くなってもなお、アクセルを踏んでどんどん攻め気味に進み続けるアヤちゃん。
乗り物に強くないと、滝ガールにはなれませんね。

車を降りてから滝までのアクセスも、山の中だとなかなか大変。
ここでは、鬱蒼とした緑の中、細く急な木の段をどんどん下りて行きます。
腱を伸ばすたびに、羽黒山登山の筋肉痛がジンジン響きます。
でも、ここまできたからには、そんなこと言っていられません。





その名の通り大小12の滝から構成されており、ザーザーいう水音もダイナミックです。
滝壺近くまで行けました。素晴らしい滝でした。



頑張って近くまで行く価値があります。滝ガールの情熱に押されて、私も目覚めそう。
アヤちゃんは、こうやってショッカーのように滝ガールを増やしているのかも!

○ 吊り橋とのコラボ

滝のそばに赤い吊り橋を発見。わあ、今回の旅で初めて吊り橋を見ました。
雪国では雪の重みに耐えかねるため、吊り橋は少なく、今回の旅では見られないだろうと思っていました。
長さ28m、幅1.2mのなかなか大きな、立派なものです。



この吊り橋を渡って川の向こう側から見ると、流れ落ちる十二滝の起伏が一望できるみたい。
吊り橋好きの私も、浮かれだします。さっそく渡りましょう。
早く早くー!



アヤちゃんに続き、私まで喜びのあまり我を忘れかけている傍らで、ひとり正常モードのアコリンは苦笑い。
吊り橋と滝をバックに、滝ガールと橋リーナ(命名適当)、2ショットの写真を撮ってくれました。


ところが、橋には「立ち入り禁止」の黄色いテープが貼られていました。
ええー、渡っちゃいけないの~ん?



素敵な吊り橋が目の前にあるのに渡ることができないなんて、がっかりです。
おそらく渡ったところがなにか危険な状態になっているのでしょうけれど。
一気にテンションだだ下がり。

向こう岸に渡って十二滝の全貌を見ることはかなわず、重い足取りで再び急な山道階段を上がって行きます。
上がる途中も木立の間から下をのぞいてみましたが、滝の姿を見ることはできませんでした。
残念ですが、仕方がありません。無茶をして大変なことになっても、簡単には救助が来てくれない山の中ですから。

○ 出羽松山藩のあと

山を下りて再び平地に戻ってから、最上川沿いに東に移動します。
途中、こぎれいに整った町を通りました。
松山というところでした。



ここはかつて松山藩が置かれたところで、当時は松山城もあったようですが、藩は戊辰戦争で奥羽越列藩同盟に参加して敗北したため、廃城となったそうです。
今では酒田市に合併されて、松山という地名さえなくなっていますが、それでも往時の城下町の雰囲気が残っていました。

○ 田舎ドライブ



それからさらにドライブ。広々とした景色です。
北海道にいるような気になってきます。
あっ、いい橋発見。



もしかして、ここを渡るのかな?



橋を渡る時って、ドキドキしますねー。そう、車がゆっくり向きを変える、この瞬間です。(橋リーナ目線)



山あいにも、アーチ形の橋が見られました。
赤く塗られているものが多いのは、緑の中で色が映えるようにでしょうか。



○ 最上川と白糸の滝

最上川沿いに出ました。太い川だけに、長い橋がかかっています。
浅そうに見えても、ここは日本三大急流の一つ。
実際には流れが速く、渡るのは難しそう。
「おしん」の小舟も、結構なスピードで去っていきましたね。



途中の白糸の滝ドライブインで、滝ガールが車を停めました。
買い物するのかな?と思ったら、ここから滝が見えるとのこと。



確かに、川の向こう岸に鳥居とほこらがあり、その後ろに長く細い滝がありました。
この白糸の滝は、日本の滝百選に選ばれており、最上四十八滝の中では最大の滝だそうです。最上川沿いには48も滝があるんですね。
川向こうには、船でしか行けないそうです。まさに聖域。



自然たっぷりの最上峡は、とても絵になる光景でした。
この辺りから、川下りの船も出ています。
「五月雨や集めてはやし」と芭蕉も詠ったように、やっぱりそばで見ると、流れはかなり速かったです。

○ いとこ煮なるもの

いろいろと食べるものが売られている中で気になったのが、「山形・庄内名物、いとこ煮」の文字。
 アヤちゃん「いとこ煮ってなに?」
 アコリン「栗とお芋」
 私「どの辺がいとこなの?」
 アコリン「ホクホクしているところが似ているからじゃない?」
えっ、それで(笑)?
親子丼と他人丼に加えて、いとこ煮もあるんですね~。
名前にびっくりして、食べてみるのを忘れちゃいました。



これまで何度も山形に滝巡りに訪れているアヤちゃんは、土地勘があります。
なんでも、山形は日本一、滝が多い県なんだそう。
そうなんだー。なんだか意外ですが、山が多いから山形県というわけですし、山が多いと滝も多いのでしょう。
「ま、実際のところは誰も数え切れていないから、わからないんだけどね」
その辺は案外アバウトなようです。

となりの「米の娘ぶた(こめのこぶた)」も気になりますね。
こちらは山形県金山産の銘柄豚だそうです。

○ 突然のコリアンタウン

「この先に戸沢村ってあるんだけれど、道の駅がなんだか韓国っぽいんだよね…」と、どこか言いよどむアヤちゃん。
気になったので向かってみると、道の駅は、確かに完全に韓国パビリオンと化していました。
明らかに山形色はなく、もはやここは日本じゃありません。
その名も高麗館



この建物から眺めると、目の前に広がるのは日本の原風景、最上川。不思議すぎる光景です。
建物の外ではチヂミが売られていました。



中に入ると韓国海苔や辛ラーメンなど、韓国の食べ物やお土産が売られていました。
謎の珍スポットだわ~。



あまりに気になったので、3人で調べてみたところ、お嫁さん不足のこの地に韓国から大勢の女性が輿入れして来たため、その人たちの故郷風に作ったものだと分かりました。



日本らしい建物の方が、この辺りの光景には絶対にしっくりくるのにと、建物の前の川景色を見て思います。
まあ、土地の人が決めたことですけれどね。

○ こぶとりじいさま通り

それから、JR新庄駅に行きました。
駅の近くに「こぶとりじいさま通り」がありました。



こぶとりじいさん、なつかしい!すっかり忘れていましたが、あれは山形の民話だったの?
はなさかじいさんとダブってしまうんですよね~。
市内には、他に「金の茶釜とおり」、「かわうそと狐とおり」、「鴨とり源五郎とおり」、「笠地蔵とおり」があるようで、特にここが舞台の民話というわけではなさそうです。

駅前でお茶をしようとお店を探しますが、おしゃれなカフェが見つけられません。
普通の喫茶店すら探せずに、車でうろうろ。
新幹線が止まる駅なので、さぞ駅前はにぎやかだろうと思ってきたのですが、案外そうでもなかったことにみんなで驚きます。

○ ちぇれんこと大蔵村

これはもう駅構内で探すしかないと、駅の建物内に入ってみると、喫茶店「ちぇれんこ」がありました。
お店の名前が気になります。どんな意味なんだろう。
ちゃりんこ? れんこん? シェフチェンコ?
考えてもわからないため、調べてみました。
新庄を代表する『新庄まつり』で山車を引く時に子供たちが言う『チェレンコヤッサー』というかけ声からとったものだそうです。

メニューの中に「牛芋煮鍋定食」を発見。
まあ、これはよしとしましょう。すでに1日目に真夏のいも煮メニューは発見済み、驚愕済みです。
しかし、次に見た料理名に、やっぱり声が上がりました。
牛芋煮ラーメンって書いてありました・・・。
なにそれ~!?
タレが別ものじゃない~?
もはや「混ぜたらキケン」レベルの味になるのでは・・・?
山形を理解するには、この旅だけではまだまだ時間が足りないようです。



他県民の私に真夏の芋煮はハードルが高すぎるため、大蔵産のトマトジュースを頼みました。
といっても、大蔵がどんな場所なのかわかりません。
また調べてみました。この日はわからないことが多すぎて、調べまくり。
山形県大蔵村は「日本で最も美しい村」連合に加盟している、日本有数のトマトの産地だそうです。
トマトジュースと言ったら塩辛いイメージがありますが、全くしょっぱくなく、きちんとフルーティなトマトの味が出ていて、おいしく飲みました。

○ 新庄の山車

駅には、大きくて豪華な山車とそれに乗った人形が飾られていました。
「新庄まつりの山車行事」は、重要無形民俗文化財に指定されている祭りだそう。
夜間にはライトアップされて、とても華やかに練り回るんだとか。
この地は昔から豊かで祭りも盛んだったんだなあとわかります。



○ 三人三様の道へ

私たち3人は、この新庄駅で解散となりました。
今日旅が始まったばかりのアヤちゃんは、これからは一人で車に乗って、滝巡りを続けます。
アコリンと私は、帰途につくため一緒に改札を通りますが、次の用事が待っているアコリンは、ここから新幹線つばさに乗ってまっすぐ帰っていきます。



私はホームから一人でお見送りしました。
また東京で会おうね~。
片手でブンブン手を振りながら、もう片方の手で撮影したら、ブレブレになっちゃいました。



山形駅から帰る私は、奥羽本線に揺られてのんびり山形まで移動しました。
急ぐ旅ではないし、山形駅に降り立ったことがなかったので、一度寄ってみたかったのです。
山形城址に立ち寄ろうと思いましたが、暗くなったため、構内から出ずに一路東京に帰りました。

○ epilogue

暑い夏でしたが、毎日天気に恵まれ、自然の中にいる心地よさを味わいました。
庄内平野の風にそよぐ若緑色を見ていると、都会の喧騒を忘れて心が広~くなりました。
海にも山にも行ける旅っていいですね。
今回は、山形の夏の自然の恵みを存分に受けられた旅でした。

3日間行動を共にしてくれたアコリン、1日目に羽黒山と加茂水族館をガイドしてくれたヨガのマリエさん、3日目に滝に連れて行ってくれたアヤちゃん、みんなキラキラした魅力的な人たちで、毎日楽しく過ごせました。
素敵な旅の思い出を、どうもありがとう。思い出に残るいい夏休みでした。

<追記>

最後にこの旅日記を読んでくれている友人から教えてもらったニュースをご紹介します。
「銅像をCTスキャンしたら中にはミイラが!1,100年前の僧侶のミイラと判明!」
びっくりしました。
オランダにある仏像だそうで、これをスキャンしたオランダ人たちは、もっとびっくりしたことでしょう。

この記事によると、日本では18体の即身仏が確認されていますが、現在は日本で即身仏になることは禁止されているそうです。
もはや、仏になるには修行あるのみ!
さっそくアコリンにこのニュースの話をしたところ「少し前に話題になってたよ」と。
やっぱり知っていました!

結局見ずに終わりましたが、気がつけば知らないうちに即身仏に詳しくなっていた旅でした。
アコリンの即身仏ツアーに参加したい方は、私までどうぞ!
あ、私は中継ぎ担当として、ツアーの時には静かにお留守番してまーす(笑)
(即身仏の話をここまで引っ張るとは。。。😅)

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