風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

連休のひとり遠足(横浜) index

2015-05-07 | 神奈川
◆ 横浜散策-1 ←日記へ
  今年のGWの一日、横浜~中華街を散歩しました。
  普段歩き慣れている道も、連休にはすこし普段と趣が違います。
  ちょっとしたよそいき顔の町が見られました。
   ○ prologue ○ ゑべっさんランチ ○ キリコのバス停
   ○ 眠る関内 ○ 喧騒の中華街 ○ そして船はゆく ○ 犬だけ見てる
   ○ ドイツの春祭り ○ 5月の青空 ○ この木なんの木 ○ まつりのあと



◆ 港北散策-2
  2日目は、地図を見て気になっていた場所を訪ねました。
  黒い絵馬を確かめに行き、二つ池沿いに遊歩します。
  広い森には誰もおらず、前日の人混みが夢のようでした。
   ○ 季節外れの梅園 ○ 黒い絵馬のなぞ ○ オートモール・トレッサ横浜
   ○ 二ツ池をたしかめる ○ 獅子ヶ谷の森へ ○ 茅葺屋根の横溝屋敷
   ○ ボーズワード ○ 今はツツジ ○ 帰り道は大回り



◆ 港北散策-3
  かなり間があいてしまいましたが、実は終わっていなかった、近場のひとり遠足の話。
  最終日は、前の日にたどり着けなかった鶴見方面を目指しました。
  東急エリアと京急エリアの雰囲気の違いを感じます。
  時間のある連休には、小さな発見があるひとり遠足も楽しいものですね。
   ○ 東急エリアから京急エリアへ ○ まるいねぎ坊主 ○ 恐怖の三角交差点
   ○ 関神社の神様 ○ 3両の鶴見線 ○ 開かずの踏切
   ○ マイナーな目的地 ○ コレジャナイ狛犬 ○ 一輪車のある学校
   ○ せせらぎの道 ○ epilogue




連休のひとり遠足(横浜)-3

2015-05-06 | 神奈川
2日目からの続きです。

散歩の途中に予定外の山登りと森林浴をしていたら、目的地に辿りつけなかったのが前日のはなし。
一夜明けて、改めてそのルートの続きをたどることにします。
これができるのが、連休の近場めぐりのいいところ。

○ 東急エリアから京急エリアへ

二つ池のほとり(三ツ池公園のそば)に再びやって来ました。
前日は、ここから山の上の獅子ケ谷の森に入って行きましたが、この日は逆方向の、鶴見駅行バスルートに沿って歩いて行きます。
地図ではわかりませんが、この辺りは急こう配の丘がいくつもある、起伏が多い地域。
普段なら、鶴見駅は気分的に遠くて、歩いていく気になりません。
でも今回は、散歩が目的ですからね。歩いて行ってみるのです。

○ まるいねぎ坊主

どんどん歩いていくと、遠くに苔むしたサイロのような塔が見えてきました。
そこだけ北海道のよう。(あれは一体なんだろう?)と思います。



だんだん大きくなって近づいてきたと思ったら、それが目指していた鶴見貯水池でした。
地図にまん丸く描かれているので、どんなものか、前から気になっていたんです。



この前を通る道は水道道というんですね。
たっぷりとたまった水を眺められるものと期待していたのに、門は固く封鎖され「立ち入り禁止」の表示が。
えー、近くに寄れないのー?
道路沿いにぐるっと回ってみましたが、丸い貯水池の側壁しか見られませんでした。
がっかりだわ~。子供の時に、何カ所か貯水池を見に行ったことがあったのに。
その時には、なみなみの水面が見えたのに。
でもよく考えたら、それは浄水場のことでした。



「ねぎ坊主」と言われているこの配水塔は、もう利用されていないんだそうです。
1937(昭和12)年、鶴見の高台に飲料水を送る目的で作られましたが、代わりとなるポンプ場が完成したため、1973(昭和48)年にその役目を終えたんだそう。
ずいぶん前から廃墟になっていました。
それでこんなにレトロな雰囲気たっぷりなんですね。

交差点の道ばたには、馬頭観音の石像がありました。
屋根をかけられて、きれいに整えられており、地元の人たちに大切にされているなあと感じました。



ここは獅子ケ谷から鶴見へと続く道で、その名も鶴見獅子ケ谷通り。
坂を下りていくと、途中に「山神塔」と「見返し坂」と彫られた石碑がありました。
山越え途中の旅人が、ここで振り返って鶴見を通る汽車を眺めた場所だそうです。



この辺りまで来たら、鶴見駅まであともうちょっと。
さらに一つ山越えをして、総持寺の横を通っていきました。
総持寺横の成願寺(じょうがんじ)の入り口の、大きな山門が、リニューアルしていました。
ガラス張りの中の赤い仁王様が印象に残っていましたが、前の山門は黒くてもう少し簡素だったはず。
朱塗りとなって前よりも立派になりました。もうすぐ完成なのでしょう。



○ 恐怖の三角交差点

そうして鶴見駅前に着きました。
線路の向こう側に行きたいため、高架をくぐります。
とたんに交通量が多くなり、車が猛スピードで走り抜けていきます。
「鶴見駅西口入口」交差点の表示が出ていますが、ここ、私が苦手とする「三角交差点」に似ているわ!





通ったことがあるのはずいぶん前の話なのに、瞬時に思い出した名前。
地図を見ると、たしかに三角交差点のすぐそばです。
かつて鶴見にあった屋内プール、ワイルドブルーヨコハマが好きで、何度も行きましたが、車で行くといつも涙目になる恐怖の場所が、三角交差点でした。



だって見て下さい、三角どころじゃないんですよー!
何叉路なんでしょう、ひい、ふう、みぃ、六叉路ー!タサロです、多叉路!
レベル的にとても追いつきませーん!



すっかり忘れていたのに、怖さというものは鮮やかによみがえるものですね。
オドオドしていたため、草むらの黄色いものが動いたように見えて、キャッと飛び上がりました。
ニシキヘビがいるのかと思ったら、よく見たらそれはネクタイでした。
いったい誰がこんなところでネクタイを落としたの?

○ 関神社の神様

ようやく線路をくぐって駅の向こう側に行くと、すぐのところに、次の目的地の鶴見神社がありました。



特に前知識もなく、地図を見て(神社があるから行ってみようかな)と訪れただけでしたが、立派な神社だったので、嬉しくなります。
狛犬は石山の上にいました。カッコイイ、狼王ロボ!(違う)



摂社がいくつもあり、中でも「関神社」が気になりました。
初めて聞くような気がします。和算家の関孝和が祀られているのかな?

後で調べてみたら「咳、風邪の神社」だとわかりました。
風邪の神様とは予想外。ああ、咳とかけているのね!(笑)



境内の一番奥にもお社がありましたが、鍵がかかっていて敷地内に入れません。
富士塚のようだと思ったら、はたして富士浅間社でした。
おそらく、山開きの7月1日に開くのでしょう。



参拝後、元来た道を戻り、また鶴見駅西口入口交差点の横を抜けて、鶴見駅前に行きました。
さらに進んで、総持寺の前を通ります。
せっかく前まで来たので、お参りしていきたいのはやまやまですが、この大きなお寺の参拝には、かなりの時間がかかります。
あちこち寄り道している間に、そろそろ夕暮れ時が近づいてきたので、今回は先を急ぐことにしました。




○ 3両の鶴見線

線路沿いに歩いていると、向こうからJRの電車がやってきました。
何の気なしに目をやると、車両はたったの3両。
えっ、横浜を走るJRなのに、3両だけ?
はたと、鶴見線のことを思い出しました。
そうかあ、ここは発着駅だったわ。
走ってくるところを見られるなんて、レアだったわ。今の電車が今度は反対方向に通らないかしら。

ただ鶴見線は運行間隔が1~2時間に一本なので、そんなにうまい具合には再び通りません。
次はシャッターチャンスを逃さないよう、何度も振り返ってみましたが、通る気配はありませんでした。

○ 開かずの踏切

どんどん歩いて、生麦駅のそばまでやってきました。
この辺りも、かつて車ではまったことがあります。
生麦にあるキリン横浜ビアビレッジに友達を連れて行く時、線路を超えて海側に行く必要がありますが、この辺りの道は、ことごとく開かずの踏切。
長い列になって、通るまでに延々待たされたものです。
問題視されて、最近は少しは緩和されたと聞きますが、今回は踏切向こうには行かずに、眺めるだけでした。



○ マイナーな目的地

そうして、この日の目的地の杉山神社にたどり着きました。
長い参道が続き、長い石段に変わっています。上るのは大変そうですが、上らねばなりません。
目的地とするのは意外なほど、地味な場所。
ほかにも華やかな寺社はあれこれある中で、なぜこの観光色皆無の神社を目指してやってきたかというと、ここには私が好きな石工が作った狛犬があるからなのです。

飯島吉六という石工で、何代にもわたって名が引き継がれており、吉六狛犬ファンの私は、彼が手がけた狛犬のある寺社を訪ね歩いています。
つまり、目指した理由も地味でした!
ほとんどの人には「なんのこっちゃ」な話でしょうけれど、まあファンというのは、えてしてそんなものです(笑)。



○ コレジャナイ狛犬

息を切らしながら長い石段を登って、いよいよ憧れの狛犬にご対面~♪
なんですが、あれ、あれれ?
思わず足が停まります。こんな無骨なぶーちゃん狛犬は想像してなかった、よ・・・?



普段はもっとワイルドロマンチック(なにそれ)な吉六狛犬ですが、知っているものとは全く違うデザイン。
赤鼻のトナカイならぬ、ブタ鼻の狛犬(失礼)。
でも、彫られた文字を見ると、間違いなく吉六作品です。
依頼主が、魔除けになるようにゴツイものを注文したのかもしれませんからね。
(コレジャナイ)感満載で動揺しながらも、四方からしっかりと拝見しました。



神社に参拝すると、横には祖霊社がありました。
この地区から太平洋戦争に出征し、犠牲者となった三百数十名の青年を供養する神社。
そんなに大勢の若者が、この辺りから失われてしまったんですね。
まだまだ、爪痕が褪せることはありません。念入りにお参りしてきました。



違う道から帰ると、もう一体狛犬がいました。
こっちの方が吉六作っぽいデザインですが、別人によるものでした。
うーむ。謎が多いのもまたおもしろいもの。調査は続きます。

○ 一輪車のある学校

これで、この日の目的地は全部訪れました。
少しずつ、空は夕焼け色になってきています。
あとはもう帰るのみ。

かなり足はくたびれていましたが、夕日が落ちると暗くなるため、そのまま歩き続けます。
国道一号を渡って、白幡方面へ向かいました。
白幡神社そばを通ります。この神社にも吉六狛犬がおり、以前訪れています。
ここの狛犬は、ちゃんといつもの吉六らしい、ワイルドロマンチックなもの。
鶴見で活躍した石工なので、彼が手がけた狛犬はこの辺りに多いのです。



白幡公園沿いに、外国の家のような素敵な建物がありました。
道路向かいの学校の校庭には、一輪車が何台も置かれていました。



「学校で一輪車をするなんて、ハイカラ~。今どきの学校って変わったのね~」と思います。
今通っていたら、私も一輪車を簡単に乗りこなせているのかもしれないのにー。
と思ったら、そこはインターナショナルスクールでした。



たしかに、これが日本の学校だったら、あまりにも変わりすぎですものね。

○ せせらぎの道

車道からそれて、小さな流れに沿ったせせらぎの道を歩き始めました。



きれいに整備された遊歩道。大きな車道と平行しており、歩きなら断然こちらの方が楽しい小道です。
茂みの向こうにネコがいて、目が合いました。



流れはきれいで、コイもアヒルもいます。
アヒルに比べてコイが大きい・・・。



そのうちに、日が暮れて暗くなってきました。
しばらく歩いたせせらぎの道をそれて、水道道を通って西に向かいます。
ここは、先程訪れた鶴見貯水池から続く道。
それで水の道というのかもしれません。



帰り道、マンション前にある大きな壺が気になりました。
オーナーの持ち物かしら。
中にアリババの盗賊が潜んでいやしないかしら?

○ epilogue

そうして帰宅しました。
この日は30000歩以上歩きました。



旅先ではたまにあっても、近所でこんなに歩くことはありません。
鶴見への道は、山あり谷ありのロングコースで、地図で見るよりも遠いなあと実感。
それでも、時間がふんだんにある連休中なので、体力をセーブせずに歩きとおすことができました。

身近な場所でも、まだまだ行ったことがない場所は多いもの。
いい気分転換になった3日間でした。


連休のひとり遠足(横浜)-2

2015-05-05 | 神奈川
1日目からの続きです。

○ 季節外れの梅園

横浜散歩2日目。
連休のゆったりした時間にのって、のんびり過ごしていたら、出発は午後になりました。
誰に気兼ねをするでもない、気ままなひとり遠足。まあ、行けるところまで行ってみましょう。



この日の出発地は、東横線大倉山駅。駅を降りてすぐの急坂を上り、大倉山梅園へ向かいました。
2月の梅祭りの時には大勢の人で賑わいますが、5月にはもちろん梅は咲いていません。



とても閑散としている園内ですが、木陰の向こうにちらりほらりと人影が見えます。
あずまややベンチに座って、静かにのんびり読書をしています。



なんだかいいわ~。シーズンオフの空いている場所で連休を過ごすなんて、通ですね。



○ 黒い絵馬のなぞ

今回向かった場所は、梅園ではなありません。隣接したお寺です。
梅祭りで訪れた時、このお寺の境内に黒い絵馬が奉納されているように見えました。
5時過ぎでお寺の門は閉まっていたため、境内に入れず、遠くから見たのではっきりわかりませんでしたが、それからなんとなく気になっていました。
今回改めて、真相を確かめてみることにしたのです。



日中に行きましたが、それでも門は閉まっており、またもや境内には入れませんでした。
法要がない日は、いつも閉めているお寺のようです。
結局前回と同じように、門の外から境内を眺めることとになりましたが、2月の5時過ぎの薄暗さとは違う明るい陽のもとだと、絵馬も前よりはクリアに見えます。



うーん。目を凝らして見てみると…どうやら絵馬が日焼けし(すぎ)て、黒く変色していたようでした。
なーんだ、そうかあ。
でも、それにしたって黒いです。木片の色ってここまで変わるものなんですね。



黒い絵馬なんて、これまで聞いたことも見たこともなく、(本当だったらびっくりだわ、こんなさりげないお寺でそんな大胆なことを)と思っていたため、拍子抜けしたような、安心したような、とにかくほっと一息。

○ オートモール・トレッサ横浜

疑問が解け、スッキリした気分になって、大倉山を下りました。
そこからは、駅を超え丘を超え、30分近く歩いてトレッサ横浜に向かいました。



ここは、トヨタが開発運営する、首都圏初のオートモール複合施設なんだとか。
オートモールという言葉を、初めて知りました。オートミールみたい。
「自動車販売店数社が集まった自動車販売施設」のことを指すそうです。
MEGAWEBっぽさはありませんが、確かに広い建物内には、自動車がたくさん展示されています。



駅から遠く、歩いて行くにはわかりにくい場所にありますが、環状2号沿いにあり、車で行く人向けなんでしょう。
季節がら、館内のあちこちに、鯉のぼりが飾られていました。



○ 二ツ池をたしかめる

トレッサをすり抜けて、たどり着いたのは二ツ池。
ここから1キロ圏内にある三ツ池公園は「日本の桜の名所100選」に選ばれており、よくお花見に行きますが、ほど近い場所にある二ツ池の方には、ついぞ行ったことがありません。
車で通った時に、交差点の名前で知った(あれ、三ツ池じゃなくて?)と目に留めた程度です。

三ツ池は、市内ではよく知られていますが、二ツ池はかなりマイナー。
(こっちはどんな池なのかしら?)と前から気になっていました。
実際に行ってみると、全く人のいない、草ぼうぼうの池でした。
水が動かない溜め池です。もはや池なのか沼なのか、分からないくらいに鬱蒼としています。



名前通り、本当にちゃんと二つあるの?
見たところ一つだけでしたが、池に沿って周りこんでみると、細い道を挟んでもう一つ、池がありました。
こちらはうってかわって、水面に草は生えていません。
隣り合わせなのにずいぶんと雰囲気が違う二つの池です。



それぞれに「獅子ケ谷池」と「駒岡池」と、ちゃんと名前があるんだそう。
ここはもともと、一つの大きな池でしたが、近所の獅子ケ谷村と駒岡村が池の水を取り合いっていざこざが続いたため、それを止めさせるために、江戸時代に2つに分けられたそうです。
村のカラーが、400年たった今でも池に反映されているのでしょうか。
だったら、たしかに性格が違いすぎて、お互い仲が良くなさそう。

今の状態では、特に何に活用されているわけでもない、単にそこにあるだけの池。
目下「二ツ池公園計画」が着工中とのことで、草がない方の池には、ぐるりとオレンジの網が貼られていました。



もう少し整備したら、三ツ池のような憩いの場になりそうな気がします。
それにしても、この辺りは池が多い地帯なんですね。
日本の湖水地方と呼べそう・・・いえいえ、富士五湖に怒られるので撤回します(笑)。

○ 獅子ヶ谷の森へ

この辺りから、市民の森への入り口があるそうですが、表示がないためどこが入口に通じる道かわかりません。
まあいいかと、とりあえず近くに見える、池に隣接したゴルフ場沿いの胸突き坂を上っていきました。
かなりの急坂で、息切れしながら(行き止まりだったら、もう別の坂を上る気力はないわ~)と思います。
山の上の住宅地をさらに進んでいくと、突然人家のエリアから、木々の世界に変わっていました。
無事に獅子ヶ谷市民の森に着けたようです。

地図で見て、あるのは知っていましたが、ここも来るのは初めて。
獅子ヶ谷ってかっこいい名前ですが、昔は獅子がいた谷…?ブルブル。



うっそうとした森で、中に入るとだれ一人いません。
子供もカップルも家族連れも、まったくいないのです。
おーい。
どんどん進んで行くと、分岐点にさしかかり、いくつもの方角へと降りる道がありました。
この中で、いったいどの道を下りればいいの?



森の中に入ると、どこを向いても木々ばかりで、太陽の位置も、向いている方角もわからなくなります。
行き先表示の標識だけが頼りですが、「○○方面」と、近所の地名が文字書きされているだけだと、土地勘のない身には判読不可能。せっかくの道標が、全く意味を成しません。

おそらくここだろうと辺りを付けて、シダをかき分けながら階段を下りていきます。
ずいぶん階段が続くため、再び(違っている道を選んでしまって、また登り直しになったらいやだなあ)と思いながら。



枝をかき分けながら進みます。(ここ本当に横浜なの?)と聞きたくなるような田舎っぷり。
でも横浜って、都会っぽいのはほんの限られた地域だけで、その実なかなか自然が広がっている場所なんですよね。
森の中で、思わぬアドベンチャーを満喫できました。

○ 茅葺屋根の横溝屋敷

どうやら正しい道を選べたようです。茅葺屋根の
山の上の森からの階段を降りて人里に戻ると、少し遠くに家が見えました。
そこが次に行きたかった場所。
横溝屋敷です。



ここは先ほどの、村同士の池の水騒動を解決するため、二ツ池を作るという大岡裁きを下した、獅子ケ谷村の名主の屋敷跡。
今では横浜市指定文化財になっています。
代々の土地の地主で、この辺りには、今でも横溝姓の人が多いそうです。
ここでも、端午の節句にちなんだ鯉のぼりが飾られていました。



中を見学しようと思いましたが、玄関はぴったりと閉ざされていました。
もう開館時間は終わってしまったようです。



気が付けばもう夕方。山の森の中で、思ったよりも長い間さまよって・・・いえ、散策していたようです。
ここからさらに鶴見方面に行きたかったのですが、日が陰ってきたので、そのまま帰宅することにしました。

二つ池・獅子ヶ谷市民の森・横溝屋敷はこうした位置関係です。北東に、トレッサがあります。
簡単そうに見えますが、底のしっかりした靴でないと歩けないところ。
地図では傾斜や標高はわからないですからね。



この辺りは、どこも初めて訪れる場所でした。
そんなに遠くない範囲内に、おもしろい場所がいろいろと詰まっていました。

○ ボーズワード

り道は違うルートを通ってみます。
知らない道のお寺の門前に、墨で書かれた住職のお言葉が掲示されていました。



時々お寺の門前に貼られている、お坊さんのありがたい一言が好きです。
「見直し 手直し やり直し 思い直して 根気よく」
きれいな文字でこんないい言葉が書かれていると、読んでいるこちらもすがすがしい気持ちになれます。

○ 今はツツジ

この界隈では有名な大倉山梅園の梅も、三ツ池公園の桜も終わり、ツツジの時期になっています。
きれいなツツジが咲いていると、散歩の足をとめて見入りました。



○ 帰り道は大回り

急ぐ予定もないので、帰り道ものんびり。菊名駅の方まで尾根伝いに歩いて山越えし、大回りをして出発地の大倉山に戻りました。暗くなったため、写真はおしまいです。

この日行けなかったところには、翌日行くつもり。
だから、残念な気持ちはありません。
連休って、ゆとりがあっていいですね。

3日目に続きます。


連休のひとり遠足(横浜)-1

2015-05-03 | 神奈川
○ prologue

GWは、いつも遠出せず、近場で済ませています。
今年はうれしい5連休でした。前半は、日本橋界隈で過ごし、後半は横浜方面へ。
今回は、近くを歩いた話です。

○ ゑべっさんランチ

この日のスタートは横浜駅から。昼に待ち合わせをした母と、横浜そごうの「歌行燈ゑべっさん」で、皐月ゑびす膳をいただきました。
うどんの専門店ですが、小鉢がたくさん出てきて、おなかいっぱいになります。



ふと目をやると、私たちのテーブルの壁に色紙がかかっていました。
「渡る世間に鬼はなし」という言葉と、橋田壽賀子の名前が書いてあります。
あれ、先生、違ってますよ~。



いえ、諺としてはこれで正しいんですが、日本でただ一人、(それ間違い)と思われる書き手ですからね。
この人には、やっぱり「渡る世間は鬼ばかり」って書いてもらわないと。
と思いつつ、優しい言葉にちょっとほっとしました。

反対側の壁には、七福神巡りの御朱印色紙が飾られていました。
年季が入った飴色でした。
(何か由緒があるのかな)とお店の人に聞いたところ、「店長が、ここのオープンに合わせて、骨董屋で見つけてきたんですよ」とのことで、特に由来はなさそう。
でもいい小道具として、雰囲気を醸し出しています。
店長、なかなかの目利きだわ。



おなかいっぱいです。連休になってから、毎日おいしいものを食べ続けていて、このままいくと連休明けにはドスコイ体型でしょう。
そごう美術館の「エロール・ル・カイン展」を観てから帰宅する母を見送り、ここからこの日のひとり遠足が始まります。
目的地は、中華街。
さらに中華を食べる・・・わけではありませんよ~。さすがにね。

 → アートブログ 「エロール・ル・カイン展」そごう美術館

○ キリコのバス停

時間はたっぷりあるので、横浜から歩いて向かいます。
元東横線高架下を通って行きました。
前に、友人が「高すぎて上の方の時刻表を見るのが大変」と指摘したバス停の前を通りかかります。
うん、いつ見てものっぽ。長く伸びて曲がる影は、キリコの絵のようでした。



○ 眠る関内

関内近くにさしかかりました。馬車道十番館のクラシカルな埋め込みパネルに遭遇します。
あれ、時々入るお店じゃない場所だけど、と思ったら、そこは別館でした。
でも、閉館したと、ビラが貼ってありました。
ひとけがなく、時が停まったような、白い静かな界隈。
ああ、ここも入ってみたかったなあ。



○ 喧騒の中華街

関内は静かな官庁街ですが、その隣にある中華街の門をくぐると、ガラリと世界が変わります。
GWの中華街は、確実に激混み。殺人的に人が押し寄せています。
いつも行ける人は、わざわざこの時期に行くべきじゃありません。

それは十分わかっているのに、周りにも「やめておいたほうがいいよ」と言っているのに、どういうわけか訪れることになっては、案の定もみくちゃにされることが多いのです。
学習機能が低いのかしらー。

今年は、ちょうどお茶葉が切れてしまったんです。
連休中もお茶が飲みたーい、ということで、いつも中国茶を買っている中華街のお茶屋さんへ行きました。
商品の味を知っているお店の人に相談しながら、豊富な種類の中から選びます。
今回は、マイルドで飲みやすいと聞いて、雲南省ではなく広東省の黒茶を買ってみました。



目的のブツも入手できたことだし、長居は無用。
でも、通りはどこも人でぎっしりで、なかなかすぐには脱出できません。
ニギヤカを通り越して、すさまじい喧騒地帯と化した通りは、香港や上海の繁華街のようです。
カンカンと激しく金太鼓を叩く音が聞こえ、時折爆竹も鳴り響きます。



中でも人だかりができているところがありました。
黄色とオレンジ色の派手な中国獅子が、楽団をぞろぞろと従えてお店の中に入っていき、商売繁盛を祈願していました。



裏通りに並ぶ小さな個人商店には入りきらないんじゃないかと思うくらいの楽団一行が入っていきます。
サザエさんのエンディングを思い出しました。

○ そして船はゆく

人の波に揺られながら、なんとか門までたどり着きました。
山下公園を通って帰ることにします。



ここも結構な人出ですが、中華街ほどではなく、芝生にはコンテストに受賞した美しい花檀が飾られていました。



わあ、きれい。人混みでくたびれた心身がなごむわ~。



ふと港を見やると、長細い公園の海辺には、人がずらりといます。
びっしり人が張り付いているわけではなく、ある程度の間隔を持って、波打ち際の柵の前にいます。

海の向こうには、大型客船が見えます。
大桟橋には、時々客船が寄港しているので、その姿を見ても特には驚きませんが、この時は普段と何かが違っていました。
あれ、なんだろう?
もう一度よく見ると、船の煙突からもくもくと煙が出ていました。



船は停泊中じゃなくて、動いていたのです。
確かに大桟橋から離れ、海の上をゆっくりと方向転換していました。
ちょうど出航する様子を、公園から人々が見守っていたのです。
大桟橋では、にぎやかにバンド演奏がされているのかもしれませんが、少し離れたこちらはいたって静かで、みんな手を振るでもなく、めいめいに船を見送っていました。
連休中なのに、ゆったりした時間が流れます。
そして船はゆく、だわ。

○ 犬だけ見てる

公園内では、大道芸をやっていました。
いつもの光景ですが、連休中なので、倍の人だかりに膨れ上がっています。
みんな、背の高い一輪車に乗った大道芸人が、燃える松明をジャグリングする様子を、ハラハラしながら見守っています。
少し離れたハッピーローソンの軒下から眺めていたので、視界に映る人全員、こちらに背を向けて、松明に注目しています。
その中で、一匹の大きな犬だけがこちらを向いたので、視線が合いました。



ボーイミーツガール状態。
もしくは「力が欲しいか・・・」状態ですね。フォースください!
犬にとっては、大道芸も一輪車も、なんのこっちゃですからね。

○ ドイツの春祭り

海沿いにてくてく歩いていきます。高架からまっすぐ突き当たりにあるのが大桟橋。
距離があるため音は届いてきませんが、もう、船を送り出すバンドの演奏は終わったのでしょうか。



赤レンガ倉庫に着くと、ここもなにやら大盛り上がりしています。
YOKOHAMA FRUHLINGSFEST(ヨコハマフリューリングスフェスト)が開催中でした。
読めないけど、ドイツ語風だし、ドイツ語といったらビールの祭典かしら?
安直な連想かなと思いましたが、その通りでした。
春祭りのことだそうです。



中には30メートルの巨大なビールカウンターがありましたー。長すぎー!
2週間の期間中、40万人以上がここにビールを飲みにやってきたそうです。

○ 5月の青空

みなとみらいが近づいてきました。この日はとてもいい天気。
突き抜けるような空の青さと高い雲を見上げて、連休を堪能します。



○ この木なんの木

少しずつ夕方が近づいてきて、空が陰ってきました。
横浜美術館の前を通り過ぎます。
ここの低木は、ミニ版「この木なんの木」みたいで好きですが、ここを通る時はいつも日暮れ近くになっているため、冬の間は暗くてよく見えませんでした。
日が長くなってきたので、久しぶりに再会できました。こ木なんの木~♪



○ まつりのあと

さらに進むと、みなとみらい線新高島駅にさしかかりました。
ここにあったGENTO YOKOHAMAが解体されて、更地に戻されているところ。



前は結婚式場もあって華やかでしたが、プール付きのその建物はもはや完全になくなり、荒涼とした地帯になっていました。



殺伐としていますが、こういう光景が大好きな人もいるんですよね。
以前通った時のことは、日記ブログに書いてあります。
 → 「ゲント帝国の消滅」(2015.03.23)
3月に見た時から、さらに解体は進んでいます。

そうして、横浜駅に戻り、ここから電車で帰宅しました。
なるべく喧騒は避けたいですが、GWだからこそ普段見られないものを見られた、ちょっとした横浜ひとり遠足気分。
翌日もまた、近くを一日散歩する予定です。

2日目に続きます。