風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

スウェーデンの秋暮らし 4-2

2017-11-20 | 海外
その1からの続きです。 

● 光輝く町

町を散歩しているうちに午後になりました。
リョコちゃんが教えてくれた通り、この日も青空が見えて、美しく晴れ上がりました。



とたんにカラフルに色づき始める町の景色。
東南アジアでは雨季になると、毎日午後から夕方にかけてスコールが降りますが、同じ時間帯の北欧は、一番美しい空になるんだなあと、不思議な気持ちになります。



大学敷地内の公園。
緑が濃く、陽の光を受けて輝いています。



● キノコ天国

公園が多いこの町。よく見ると、緑の芝生一面に、なにか生えています。
キノコです!



こんなにたくさん生えているなんて、キノコ天国だわ!
昨日、市場で売られていたカンタレルかと思いましたが、ちょっと形が違います。
摘んでいこうかな。怒られるかな。



あとで聞いたら、あれは毒キノコだから、誰も採らないんだそうです。
「えー、毒キノコって赤とか黄色とか派手な色したものだけじゃないの?」
だけじゃないそうです。危ないところでした。
「散歩している犬だって、食べないのよ」とリョコちゃん。
わあん、犬以下でございます~!

そういえば『かもめ食堂』でも、もたいまさこが演じた女性が毒キノコを食べてラリラリになるシーンがありましたね。



● 北欧人とキリン

ちなみに、道端の樹になっている実は、誰でも取って食べていいんだそうです。
いいですね~。でも採るタイミングが難しいですね。
早い者勝ちなので、赤く熟れるまで待っていたら、ほかの人に採られてしまいそう。
人よりも背が高い人の方が、上の方の実が採れて得をします。
それで、北欧の人たちは背が高くなっていったのではないかという「北欧人とキリンの進化が同じ」新説を立ち上げようかな。



こちらの人はみんなすらっとしていて、モデル並みの手足の長さです。

● しっぽがない猫

ショウウィンドウの中に飾られていた猫ちゃんたち。
なんだか気になって写真を撮り、あとでリョコちゃんに見せました。
「ああ、こっちでは、この"しっぽがない猫"が人気なの」
しっぽがない猫?



「それって"耳がない猫"、つまりドラえもんみたいなもの?」
と聞いてみましたが「うーん、違うなあ」と苦笑されました。
違うのかあ…。

あとで調べてみたら、これは「尾なしのペッレ(Pelle Svanslös)」というスウェーデン・アニメーションのキャラクターだそうです。
尾なしのペッレ。長くつ下のピッピ。
なんだか似ているネーミングですね。
ペッレは、ウプサラを舞台にした絵本のシリーズなんだそう。まあ、ここは物語の舞台なのね。
ドラえもんと交流すればいいのに…(まだ言ってる)

● 石の文化・木の文化

ウプサラのランドマーク、大聖堂。
町を歩いていると、いろんな角度から目にするため、ついたくさん写真を撮ってしまいます。





この重厚感、安心します。やはりこちらは堅牢な石の文化なんだなあと思います。
それで、中世期のものが今なお残っているのですが。



時代と共に変わりゆく、日本の木の文化も好きですが、数百年後も何も変わっていなさそうなヨーロッパの街並みもまた、いいものです。

● 陽が射す川景色

フィリス川沿いにやってきました。
陽が射しているこの時間は、さぞ美しいだろうと思ったから。









NHKの『名曲アルバム』の時に映し出されそうな景色ばかり。
まさに、夢の園に立っているようです。







ずっと忘れずに、心に刻んでおこうと思います。

● 花・鳥・犬・人

咲いている花は、ウプサラ大学の前の花壇と同じく、薄紫と白。
たまたまこの色の花の多い季節なんでしょうか。
それとも、スウェーデン人は薄紫色の花が好きなんでしょうか?



もう何も言葉はありません。
川には水鳥たち。私も鳥になってこの川で暮らしたいー。



大型のハスキー犬が2匹、散歩中でした。
寒いスウェーデンには、野良猫がいない話はもう聞いていますが、外で飼われている犬もいないそう。
どんなに大きな犬でも、みんな室内犬だそうです。
家が広くないと、とても飼えませんね。



手前には青年たち、対岸にはカップルがくつろいでいます。



とにかく瀟洒で美しい光景。
人々がこの川を愛するのがよくわかります。



● プリンがない!

スーパーによって、帰宅しました。
家を出る時に「帰りにプリン買ってくるね」と言ったら「北欧にプリンはないの」と教えられてびっくり。
うそー、プリンがない国があるなんて!しかも欧米諸国で!!
う~ん、どんなに寒くてもなんとかなるかもしれないけれど、プリンがない国では私は暮らせないな~。
まあ、自分で作ればいいんですけどね!

ちなみにゼリーもないそうです。世の中の幸せを知らないなんて、かわいそうだわ。
(言いすぎ?)



ファンシーな色の家々を眺めながら、リョコちゃん宅に帰ります。
光射すマジックタイムが過ぎると、とたんにあたりは冷え込むので、魔法が消える前に戻らないと。



マンションから見下ろす中庭。
もう外は寒いので、誰もテーブルを使っていません。



● 世界一くさい食べ物

3時半ごろに帰宅すると、リョコちゃんが「ベイビーのおむつがなくなりそうなので、買いに行こうと思う」と支度をしていたので、さらに防寒をして、私も近くのCOOPについて行きました。
「これ知ってる?ものすごいクサイ缶詰。ちょうど今が食べ頃なのよ」
そんな爽やかに紹介しないで~!
缶の中で発酵させているので、缶はボコボコ。



シュールストレミング(Surströmming)という、ニシンの塩漬けを発酵させた、臭くてたまらない缶詰。
私は知りませんでしたが、あとで聞くと、知っている人もちらほらいました。
「世界一臭い食べ物」と言われているそうです。

缶を開けたとたん、匂いにショックを受けて失神する人もいるほどだとか。
内身が服に跳ねたら、いくら洗っても異臭はもう落ちないそうです。

日本のくさややマレーシアのドリアンも負けちゃうくらいの食べ物が、まさか北欧にあるなんて。
臭気指数計ではくさやの6倍以上の値を出すそうです。

25年前のシュールストレミング缶詰が発見された時には、爆発物処理班が出動して処理にあたったそうな。ひええ!
北の方って、南ほどキテレツな食べ物はないと思っていましたが、これはすごい。
三十六計逃げるに如かず!ここで忍者力を発揮し、静かに後ずさりしてその場を離れます。

● 昼夜いっしょ

日中はずーっと散歩をしていました。
休憩を取らなかったというか、ずっと休憩時間だったというか。
そこで帰宅してから、遅めの昼兼早めの夕食のピザを食べ、ずっと話し込みました。
(こういうのはなんていうんでしょう?朝と昼の間が「ブランチ」だから、昼と夕の間は「ブディナー」?美しくない...)

(追記)これを読んだ友人が「ブランチはブレックファストのブだと思います。ラディナーでは如何でしょうか?」とコメントをくれました。
ラ・ディナー、たしかにそうですね!ラ・フランスみたいだし、お上品にまいりましょう~♪



スウェーデンのリンゴ、日本のよりも小ぶりです。
そして蜜は入っていないそうです。リンゴは日本が一番だわ!

● 今日のカップ

さあ、楽しいフィーカの時間です。
今日のマグカップ。もちろんブランドものですが、忘れてしまいました。
わかる人にはわかるでしょう!

誰かのおうちに滞在する時は、たいていいつも一つのカップを「マイカップ」としてあてがってもらいます。
でも、リョコちゃん宅では一日たりとて同じカップは出てきません。
ここがカップ天国だからこそです。斬新だわ。



大学図書館に入った話をしたら、
「最上階に、フェルゼンがマリーアントワネットに当てて書いた手紙が残されているのよ」と、教えてもらいました。
ベルばらでおなじみのフェルゼン伯爵!
そういえばあの方、スウェーデン貴族だったわね~。
そう聞くと(ああ、アニメの中だけじゃなくて、本当に実在した人なんだなあ)と思います。
薔薇よ薔薇よ・・・。(美童グランマニエもいたわ、笑)



この日が最後の夜ということもあり、普段以上に延々と話しこんでいました。
夜の10時半になり、ノルウェーのベルゲンから、リョコちゃんの旦那さんが帰ってきました。
初めまして!留守中お邪魔してます~。
ベルゲンからさらに北部の寒冷地に滞在中、体調を崩してお医者にかかったそうで、笑顔を見せてくれるものの、疲労でくたくたの様子。
ヨーロッパの9月は学会続きで、学者さんは大忙し。
明日で9月が終わりますが、今月はたった10日しか家にいなかったそう。
そのためベイビーの喜びがハンパなく、延々とパパに抱っこをせがんでいました。

そうこうしているうちにみんなの瞼が重くなったので、11時過ぎにお開き。
5日目に続きます。



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