風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

月島の橋と大学いまむかし巡り

2012-12-16 | 東京
○ 神谷町駅→増上寺:御身拭式

神谷町→増上寺→浜松町→築地→明石町→湊→月島→門前仲町→永代→箱崎→茅場町→銀座→霞ヶ関→虎の門→愛宕山→神谷町→三田→白金高輪→白金台→目黒

2012年最後のお散歩コースは、都心でした。
朝、神谷町駅から増上寺に向かい、御身拭式(おみぬぐいしき)に参加しました。
→Art Blog「増上寺の御身拭式」
終了後、忘年会用の「イヤげもの」の交換をしてから、お寺を後にしました。
→Blog「初めての「イヤげもの」交換会」

○ 浜松町:散策開始

お昼に浜松町駅で(の)さんと待ち合わせて、お散歩開始です。
文化放送ビル前では、水色の制服姿のアイドルグループ(東京ナントカ?)がミニライブを行っており、ワンサカワンサカ黒山の人だかりでした。

かきわけるように人混みを抜けて、浜離宮沿いに歩いていきます。
浜離宮庭園は、横眼で眺めるだけで、今日は入りません。
なぜかというと、それはもちろん、おなかが空いているから(笑)!

○ 築地で寿司ランチ

「築地で天ぷらを食べたい!」との(の)さんの希望にそい、思ったよりもすぐに着いたものの、築地卸売市場は完全にゴーストタウン。
お店が開いているどころか、人っ子ひとりいやしません。
「休日だから、みんなお休みなのよ~」「あれ、でもおかしいなあ?」

あきらめて敷地を出たすぐのところに、観光用の築地商店街があり、そこは人でごった返していました。
よかったわ。
うろうろしましたが、お昼時なので、どのお店にも行列ができていました。
天ぷら屋ではなく、寿司屋「築地青空三代目」に入りました。
カウンターに通され、三色丼を頼みます。



きゃー、ドカンと出てきましたよー!
やっぱりネタが新鮮で、美味しい!大満足ー!



築地市場の向かいにあるのは、朝日新聞東京本社。
ビルの上に着いている、あれはいったい何かしら?
エレベーター?謎でした。
それにしても、突き抜けるようないい天気です。

○ 築地本願寺



食後、築地本願寺に行きました。
この日はホールで結婚式がある様子。
以前、ここで小林幸子の紅白衣装ステージを観たことは、忘れられません。
衣装が大きすぎて、天井の梁にぶつかってしまったことも・・・。

「さて、これからどうしよう?」という話になりました。
今回は、急きょ決まったため、綿密に事前予定を立てる間もなく、「とりあえずは築地でランチ!」というところまでしか頭に入れてなかったのです。

でも、こういう時のために、私は1:10000の地図を持ってきましたよ~、フフ。
方向音痴なので、特に入り組んでいてわかりづらい東京の道を歩くには、便利です。
(の)さんはiPhoneのマップを見ながら歩いていきます。むむ、イマドキ~。

○ 明石町:大学発祥の地

来た道を戻るのもつまらないため、とりあえず先に進んでみることにしました。
聖路加病院の病棟がいくつもあることに気が付きます。
イチョウ並木が多く、黄色い落ち葉をカサカサ踏みながら、歩いていくと、「もう少し行った、佃大橋の交差点近くに、"明治学院発祥の地碑"がある」と卒業生の(の)さんが気が付きました。
がぜん熱心に探し出しますが、いくら見回しても、地図の場所には見当たりません。
「あ、あれだ!」と小走りに寄っていったもののがっくり肩を落とした(の)さんのそばに行ったら、それは"青山学院発祥の地碑"でした。



近い!惜しい!
どうやら地図の記載が少しずれていたようで、うろうろした挙句に、ようやく見つけられました。



後で知るところによると、慶応大学発祥の地碑も近くにあるみたい。
「大学は、この辺りにたくさん建ったのね」
「明学は築地の武家屋敷の敷地に建てたと聞いてる」と(の)さん。
明治期にこの辺りに外国人居留地が開かれ、宣教師たちが教育を始めたのがさまざまな学校創立の由来となっているそうです。

○ 入船、湊:昔ながらの町並み

473号線を越えて、湊地区に入ると、とたんに古い町並みが広がりました。
それまでは来たことがある界隈でしたが、もはやさっぱりわからない町並みになっています。
入船とか湊という地名から、漁業が盛んだった頃が偲ばれます。
鉄砲洲稲荷神社という、立派な構えの神社がありました。
平安時代に創建された、歴史ある社で、廻船の守護神が祀られているそうです。
大みそかに向けて、大きな茅野輪が作られていました。



○ 月島:すてきな橋巡り

そこから道はゆるやかなカーブを描き、不意に川に差し掛かりました。
まあ、なんだかいい感じだわ。
さらに歩くと、大きな白い吊り橋が見えました。
うわあ、すてき。
ランプに吸い寄せられる夜光虫のように、フラフラと近寄っていきました。



それは中央大橋。X字形タワーの美しさに見とれます。
歩いてみると、橋脚の上にブロンズ像が見えました。
隅田川とフランスのセーヌ川の友好記念、パリ市から贈られたもののようです。
その割に、スタイルがいまいちだったような?



ウォーターフロントが好きな私。がぜん生き生きし始めます。
ここで「せっかくなので、地の利に乗じて橋をたくさん渡ろう!」というテーマになりました。
(この柔軟性、というより思いつきな感じはいつものこと)
そういえば東京は水の都市。だけれど、あんまり歩いたことはありません。
一人だと迷ってしまいそうなので。地図を持っていても、どういうわけかさまよってしまうのです。

月島って、もんじゃのイメージしかありませんでしたが(失礼)、古さと新しさの入り混じった、魅力的な場所でした。
なんといっても、橋でつながった島というのが、いいですね!
ここに住んだら、楽しそう。



突然出現した、この銀色に輝く物体は何?
シルバー・サブマリン? アイアン・ツェッペリン?もしくは空飛ぶ核シェルター?
高層マンション・大川端リバーシティ21/タウンゲートBの「風の卵」というオブジェでした。



そこから清澄通り沿いに歩きます。
相生橋を渡ったところにある中の島公園も、いい感じ。
月島を抜け、東京海洋大学を右に見ながら、どんどん進みます。
水上バス発着場が近い、雰囲気のいい黒船橋を通り、門前仲町のところで西に折れました。



○ 永代:やっぱり橋巡り



今度は永代通りを進み、大きなアーチ橋の永代橋を通ります。
夕焼けがきれい~。ロマンチックでどうしようー!





北に折れて、今まで歩いたことのない、未踏の道を選んで行きました。
そこにあったのは、豊海橋。
珍しい、うんていのような形のフィーレンディール橋です。(なんかマニアっぽくなってきましたね)
橋のたもとには、旧山一証券ビルがあり、時代を感じながら見上げました。



運河を渡ると、そこは箱崎。
エアターミナルがあるところですか。
もう水天宮の方まで来たということですね。
日本銀行発祥の地碑がありました。



○ 茅場町でひと休み~銀座の人の渦

少しずつ日も傾き始め、そろそろ風も冷たくなってきました。
さすがにちょっと足が疲れてきたので、湊橋を通って、茅場町駅近くのカフェで一休み。
この日は、冬なのに、それほど寒くない散歩日和というのも幸いして、思ったよりも長い散歩ができています。

カフェを出ると、もう外は暗くなっていました。
でも一休みして元気が出たので、また歩き続けます。
ただ、暗くなると、もとからないGPS機能がさっぱり働かなくなる私。
連れに「まったく使えん」とブーブー言われながらも、道を選んでもらいました。(というより初めからずっとだったけど)
日本橋駅から南下し、昭和通り沿いにてくてく歩いて、東銀座へ。
そこから有楽町への道は、キラキラしていて人がいっぱい。
クリスマス季節ですからね。



人混みが苦手な(の)さんとなぜ銀座の中心を通り抜けたかというと、有楽町に明治大学発祥の地碑があるからです。
今回は、なんだか大学創設地を訪ねるようなルートになっています。



○ 愛宕山登山:出世坂を降りてみる

目先の目的地にたどり着き、さてこれからどうしようということになりました。
まだまだ歩ける私たち。
「このまままっすぐ進んで、四ツ谷に出よう」と言って歩き出したような気がしますが、桜田門のところで曲がり、霞ヶ関と虎の門を抜けていった時点で、もう方向が変わっています。
以前の職場の近くなので、懐かしくなりました。
桜田通りを歩いている途中で、(の)さんが突然目を見開いて足を止めました。
「ええっ?こんな所にトンネルがある!」

前から知っている私は、特段不思議に思いません。
「なにか?」という感じですが、こんな都心にあるというのは、やっぱり驚くのでしょうね。
そばに行って、愛宕トンネルを紹介します。
NHK愛宕山局を知っている(の)さんは、上が気になるようなので、上ることにしました。
愛宕山には何度か上ったことがありますが、トンネル横からの階段は初めて。
やっぱり息切れします。

愛宕神社にお参りをして、男坂(出世坂)の話をしました。
この石段を馬で上り下りしたツワモノは、将軍家光の頃から江戸・明治・大正・昭和と出現しているものの、平成になってからはまだ現れていません。
馬術でオリンピック出場した、法華津氏でも、無理かしら?(ちょっと違うか)
「いったいヒーローは誰かしらね。挑戦してみたら?」という私に、
「早くしないと、次の世になっちゃうかもしれないし」と(の)さん。



出世の石段を降りました。下りのもなかなかスリリング。
これは、御者というより、馬がすごいですね。
狛犬の角をなでて、トンネルをくぐって桜田通りに戻りました。

○ 神谷町~三田~白金高輪

そのうちに、神谷町駅に着きました。
私はこの日、この駅から始まったので、これで一周したことになりますが、まだまだ散歩は終わりません。
東京タワーを左に見ながらどんどん桜田通り沿いを歩いていき、知らない界隈にさしかかったところで、不意に見知った建物が目に飛び込んできました。
三田の慶応大学です。
なんと、霞が関からまっすぐの道が、慶応に続いているとは知りませんでした。
うわー、あいかわらず黒くそびえ立つ感じが迫力だわー。
そして桜田通りは、慶応にそって曲がっているんですね。
そのまま歩き続けると、白金台に差し掛かり、明治学院大学が見えてきました。

かつて、何度か品川から慶応まで歩いたことはありましたが、いつも泉岳寺経由で第一京浜の方を通っていたため、新鮮。
慶応と明学が割とご近所さんだということも、歩いてみてわかりました。
大学の碑も大学の写真も撮らずじまいだった私は、(の)さんと母校への愛情度合いに差がついてしまった感じ。
(いえ、ちゃんと好きですよー。横浜の校舎はね)
日曜日は安息日のため、大学はお休みという明学。生粋のキリスト教系なんですね。
ひっそりと輝くクリスマスイルミネーションを、外から眺めました。
人影がないだけに、静かで美しく、つまり神秘的でした。



○ 白金台~目黒~解散

そこから白金台駅に出て、バーミヤンに入りました。
刀削麺にしましたが、中華街のとはどうも違ったので、食べ直さなくっちゃ。
でも、温まりました。



うーん、よく歩いたわ。
プラチナ通りを抜けると、ようやく馴染んだ町並みに入ります。
庭園美術館の前を通って、目黒駅に着き、そこが今日のゴールになりました。
歩行距離、19.3km、3万6千歩越え。
東京内をこんなに歩いたのは、初めてかもしれません。
(の)さんはかなりくたびれたようですが、意外にも私は、割と元気でした。
橋をたくさん渡って、テンションが上がったからでしょう!

「あらかじめ、橋を渡りまくる、あとからトレースできないややこしいルートを計画するんだった」と(の)さん。
いじわるっ子ちゃんですねー。でもそれ楽しそう。今度ぜひお願いしまーす!(^o^)



(の)さん作成のこの日歩いたコースです。
普段は電車でスイスイ通っている界隈でも、歩いてみるとまた違う風景が見えてくるもの。
近場散策でしたが、とても楽しい一日でした。