風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

鎌倉・江の島アップダウン・ミステリールート index

2019-03-08 | 神奈川
[2019.2.17]
◆ 銭洗弁天 1 ←旅行記へ
 千葉の友人に鎌倉近辺を一日ガイドすることになりました。
 北鎌倉で電車を降り、源氏山、銭洗弁天、佐助稲荷へ。
 見晴らしのいいカフェテラスでランチにしました。
  ● prologue ● JR横浜駅 ● JR北鎌倉駅
  ● 葛原岡神社 ● 銭洗弁財天 ● 佐助稲荷
  ● ハイキングコース ● コースアウト ● 樹ガーデン
  ● オープンテラスでランチ ● 再びコースイン



◆  裏大仏 2
 次のお店を探して、野毛をフラフラ。
 途中でまんじゅうタイムも入れながら。
 3軒回り、ほどよく酔ってごきげんに帰りました。
  ● 分岐点 ● 大仏切通 ● 切通って?
  ● 大仏坂トンネル ● 権五郎力餅 ● 御霊神社
  ● 江ノ電からの海 ● 鳩と蛇 ● たこせんべい
  ● 日本三大弁財天参り ● 1. 辺津宮
  ● 2. 奉安殿 ● 3. 中津宮 ● 4. 奥津宮
  ● 江ノ島の外国人 ● 夕日との競争



◆  江ノ島 3
 お茶の時間を惜しんで、片瀬方面へ向かいます。
 和風建築の不思議な教会と『ピンポン』ロケ地巡り。
 闇夜に浮かぶモノレールに乗りました。
  ● 『ピンポン』ロケ地巡り ● I can fly橋 ● 幅を確認
  ● 片瀬江ノ島駅 ● カトリック片瀬教会 ● 純和風の木造チャーチ
  ● ヒーロー見参神社 ● ダッシュトレーニング神社 ● 江ノ島の明かり
  ● 片瀬山で迷う ● 湘南モノレール ● ぶら下がりタイプ
  ● 片瀬山駅 ● ターミナル駅大船



◆  中華街 4
 春節でにぎわう中華街へ向かいます。
 おなかペコペコだったので、飲茶コースをぺろりといただきました。
 冬晴れの下、いくつも山を上り下りした、楽しい一日でした。
  ● 春節の中華街 ● アド街ックとアドホック ● 思い出の?上海飯店
  ● 香港飲茶コース ● ロシア餃子の思い出 ● お店が違った
  ● おつかれさま! ● スイーツ ● お礼の生パスタ
  ● epilogue ● 海と山に近い町




鎌倉・江の島アップダウン・ミステリールート 4(中華街)

2019-03-08 | 神奈川
その3からの続きです。

● 春節の中華街

やってきたのは夜の中華街。
まだ春節の時期で、普段以上に賑わっています。



数年前、海外からの観光客を横浜ガイドするユーミチカと、中華街の下見に来たことがあります。
彼女はその時以来になると聞いて、少し辺りを歩いてみました。

立ち並ぶ店の中でも、ひときわ長蛇の列ができているところは、どこも前の週に『出没!アド街ック天国』で紹介されたところばかり。
すれ違う人も「わー、アド街効果だね」と言っています。
あまりにハッキリわかりやすすぎー!そんなにTVの影響って大きいんですね。
たしかに中華街に来ると、どのお店に入ろうかと毎回悩んでしまいます。
おススメ情報はいい目安になりますからね。

これらのお店は、しばらくの間混んでいることでしょう。
それらのお店に並ぶのはやめて、別のお店に行きました。

● アド街ックとアドホック

長い行列を眺めながら「アドホックだね」とつぶやいたユーミチカ。
「えっ、なに?」
「あっ間違えた、アド街ックだ」

あんまり使わない言葉ですが、アドホックって「場当り的」とかそんな意味ですよね。
アド街ックとアドホックを間違えるって~。
確かに、TV情報に影響されるのはアドホック。おや、深いこと言ってる?

● 思い出の?上海飯店

前に入った上海飯店の前の通りました。
ユーミチカ持参のガイドブックに、ギョーザが有名なお店として紹介されていたからです。
なかなか迫力のある外観で、入るのに勇気がいる、ある意味かなり上級者向けのお店でした。
お店のマスターもかなりインパクトのある方で、トークは刺激的でした。



窓越しに、マスターが賄いご飯を食べているのが見えました。
久しぶりですが、今回は中華街攻略のためにも別のお店に行きます。マスター、またね!

● 香港飲茶コース

結局、上海飯店の向かいにある保昌に入りました。

早めのお昼を食べたきりだったので、おなかペコペコリンの私たち。
香港飲茶コースを頼みました。













前菜、ザーサイ、春巻、自家製焼棒餃子、フカヒレ蒸し餃子、水餃子、小籠包、エビチリ、フカヒレスープ、チャーハン、杏仁豆腐。
おしゃべりしながら、ぺろりといただきました。ごちそうさまでーす!

● ロシア餃子の思い出

中国人たちは、春節には水餃子を食べてお祝いします。



運ばれてきた水餃子を見て、
「前にジャージャにロシア餃子を作ってもらったよね。あれ、なんて名前だっけ?」と聞きました。
ジャージャとは、ロシアの血が混ざった、共通の知人です。
「ペリメニよ」
「ああ!ポーランド滞在中、毎日ペリメニを食べてたよ」

「ポーランドではドーナツが有名だけど、ロシアのドーナツって何て言うの?」
「ポンチキよ」
「それもポーランドと一緒なのね~」

世界のあちこちの料理に登場するギョーザ。
つまりみんな、ギョーザが大好きだっていうことですね。

● お店が違った

食後、お店の外観写真を撮ろうとしたら、店名が違っていたので(あれ?)と思いました。
なんと、入ったお店は保昌ではなかったんです。気がついたのは食べ終わってから!
何やってんの私~(゜o゜;!
入ったのは、保昌の隣の京城飯店でした。



確かに香港路は狭い通りで、お店の看板でごったがえしています。、
どちらのお店も入り口は広くありませんが、それでも、店内に入ってからも気づかなかったなんて、ないわ~。
おなかペコペコ、脚はクタクタで、モウロウとしていたにせよ!
きっと向かいの上海飯店に気を取られすぎていたせいでしょう。



まあ、ユーミチカにも喜んでもらったし、結果オーライということで!

食後に店の外に出た時には、向かいの上海飯店の店内は暗くなっていました。
えっ、もうお店閉まってるの?
まだ8時台なのに~。中華街のほかの店はこれからが稼ぎ時だと盛り上がっているのに、さっくり閉店するなんて。
つくづくフリーダムなマスターだわ。

● おつかれさま!

おなか一杯になったので、関内駅までそぞろ歩きをしました。
横浜公園の池に、スタジアムが鏡のように映っていました。



集合場所と同じ横浜駅に着いたところで、ユーミチカとお別れ。
「今日は一日、ガイドしてくれてありがとう!」
と、彼女に生パスタをいただきました。
持ってみると、ずっしりとした重さ。
保冷剤と一緒に一日中背中にしょって、山あり谷ありの道を持ち歩いてくれていたようです。
どうもありがとう!

● スイーツ

帰宅してから、買ってきた力餅と覆面まんじゅうを夜食にいただきました。



覆面まんじゅうはよく見ると、けっこうな強面!
かわいさゼロで、子供が泣くレベル!



力餅は風味があって、ふんわりやわらかかったです。
この時期は、ヨモギ味になっていました。
近くに行った時には、また買うわ~。

● お礼の生パスタ

翌日のランチに、さっそくユーミチカからの生パスタをいただきました。
樹ガーデンのパスタと同じレベルのモチモチさで、おいしかったです。


カルボラーナ


● epilogue

この日は、トータル37000歩ほど歩きました。
平坦な道でも歩きすぎですが、とにかく高低差が激しかった一日。
山を登って下ってを何度となく繰り返して、相当足腰を酷使したコースになりました。
もともと全部歩きとおせるか不安でしたし!

でもおしゃべりしながら、楽しく進めました。
いつも好奇心旺盛で前向きなユーミチカ。
彼女なら怒らないだろうという信頼のもと、山道や坂道を歩き回らせてばかりのハードなルートにしてしまいました。

あちこち連れまわしたのに、嫌がらずに最後まで付き合ってくれて、ありがたいし嬉しかったです。
いつか愛想を尽かされないようにしないと!

● 海と山に近い町

映画『ピンポン』も見返しました。
ロケ地巡りをしたと話したら「諏訪神社のそばに実家がある」という友人を発見。
片瀬小学校・片瀬中学校出身だったそうです。
ペコとスマイルが通っていたのは片瀬高校でしたよ。
あの辺りで10代を過ごすって、いいですね~。
横浜以上に海と山に近い生活、憧れます。

鎌倉・江の島は、のんびり過ごせるいい場所です。
特に今回は、混んでいる観光地にほとんど寄らなかったので(江の島の参道くらい)、人疲れしませんでした。
来るたびに良さを実感します。
もうすぐしらす漁も解禁になることですし、暖かくなったらまた散策しようと思います。


鎌倉・江の島アップダウン・ミステリールート 3(江ノ島)

2019-03-07 | 神奈川
その2からの続きです。

● 『ピンポン』ロケ地巡り

2002年に公開された映画『ピンポン』は、この辺りが舞台。
DVDを見返しているうちに、ロケ地巡りをしたくなり、ルートに入れました。
この日のために、またDVDを見て場所をチェック。う~ん、いい映画です。



ユーミチカは好きかな~?と聞いてみると
「観たけどすぐに寝落ちしちゃって、どんな話か覚えてない」とのこと。
それ、興味ないってことねー!
そんな人を連れて行くのは気が引けますが、これは私プリゼンツのミステリーツアー。
彼女はどんなルートでも文句を言わずについていくと言ってくれています。
なので気にせず、どんどんいきますよ。

● I can fly橋



まずは片瀬江ノ島駅前の弁天橋。
冒頭でペコが「I can fly!!」と叫んで飛び込むシーンの橋です。


警官役は松尾スズキ



出典 www.youtube.com(映画PV)


今まで何度となく通ってきましたが、ピンポンの橋だと思うとまた趣深いものがあります。

● 幅を確認



欄干の上に立ってお巡りさんと会話をしていたペコ。
手すりの幅がかなり大きいのか、もしくは窪塚洋介がよっぽどバランス感覚があるのか気になっていました。
実際に触ってみて、人が立ってもぐらつかないくらい幅のある手すりだと確認しました。



でも橋の上にいる間、誰も欄干に立たなかったし、自転車を引いたお巡りさんも来ませんでした。

ちなみに冒頭の、飛び込んだ彼が空中で静止するあのシーンは、全てCGだそうです。彼も、橋も、川も、街も。
けっこう前の映画ですが、今見ても新鮮です。

● 片瀬江ノ島駅

竜宮城のような片瀬江ノ島駅は、ほろで隠されていました。



東京オリンピックの時にセーリング会場になる江ノ島。
それに向けて、今月から駅の改装が始まっています。

● カトリック片瀬教会

川沿いを歩いていくと、和風の建物が見えてきました。
ここが次の目的地、カトリック片瀬教会です。
どこから見ても和風建築なのに、教会なんて信じられません。
屋根の上の十字架を見て、ようやくなんとか納得できるくらいです。



扉は固く閉ざされていた…ように見えましたが「ご自由にお入りください」との表記があったので、ガラガラと引き戸を開けて、おそるおそる中をのぞいてみました。

小さな明かりがついていますが、中はシーンとしています。
「おじゃま、しまーす・・・」
小声で言って、静かに身体を中に滑り込ませました。

聖水に指を浸して十字を切り、前室からさらに引き戸を開けて、礼拝堂の中へ。
祭壇の上だけ明かりがともっており、薄暗い参列席を通って前まで行きました。



誰もいませんが、暖房が効いています。
祭壇の前には花が生けられ、両側には床の間があり、掛け軸がかかっています。
掛け軸といっても、描かれているのは聖家族像とエジプト紀行の様子。
傍らにはマリア様の銅像があります。
う~ん、和と洋がミックスされているわ。こんな教会、初めてです。

● 純和風の木造チャーチ

天井も床も木張り。
どこを見渡しても純和風の木造建築です。


祭壇から見た参列席


宗教と建築の和洋折衷は変わっていますが、日本人にはなんとなくしっくりきますね。
よその国からやってきたキリスト教が、日本のスタイルで浸透していることに、ちょっと感動しました。

素晴らしい内装を見学させてもらったあとは、前室に戻り献金箱に寄付。
寺社にお賽銭を入れるのと同じ感覚です。

すると、建物の外で気配がして、女性たちが十数名、中に入ってきました。
そのうちの一人が、黒いシスターの服装をしていました。
これから婦人会のようなことが始まるのかもしれません。

前の日に放映されたNHK BSプレミアム『美の壺』は「日本の教会」特集で、この教会が取り上げられたそうです。



江ノ電のポスターにも使われていました。

● ヒーロー見参神社

川を渡って江ノ電の湘南海岸公園駅の前を通りました。
おしゃれなカフェの前を通るたびに足が停まりそうになりますが、時間はもう5時過ぎています。
そのため、相変わらず軍隊並みにズンズン先に進みます。

江ノ島駅を超えた辺りからもう未知の界隈でしたが、次の目的地は案外すぐに見つけられました。
長野にある本宮と同じく、上社・下社に分かれている諏訪神社です。
まずは下諏訪神社を参拝します。



ここはペコとスマイルの子供の頃の思い出の場所。
「ヒーロー見参!」の回想シーンです。
映画だけでなく、オリジナルのマンガでも、この神社が描かれており、嬉しさも二倍です。


スマホケースになっています


でもちょっと何か雰囲気が違う感じが…。
映像ではむせかえるようなまぶしい緑が印象的でした。
季節が違ったようです。今は冬ですからね。
加えて、もう本殿が閉まっていました。

● ダッシュトレーニング神社

次に、下社の境内に張られていた手描きの地図に従って、上諏訪神社へ。
「次の角を左折して、右折して、左折して、また右折する…」
途中でわからなくなりましたが、辺りは閑静な住宅街で、誰も通りません。

薄暗くなりつつある住宅街を右往左往して、怪しまれるのは避けたかったので、正しい道かの自信がないものの、立ち止まらずにどんどん進みます。
すると目の前に、長い石段が出てきました。
上諏訪神社に無事到着~。



ペコがおばばの地獄のダッシュトレーニングを受けた石段です。
アニメだと、相当大変そうに走りこんでいましたが…。


(c)アニメ「ピンポン」


実際に上ってみると、一段一段そう段差がなく、思ったより大変ではありません。
一段飛ばしで走っていたのかな?
後で映像を確認したら、あまり足元は映されていないものの、やっぱり一段飛ばしダッシュをしているようでした。



● 江ノ島の明かり

昇りつめた上に拝殿があり、その境内から江ノ島が見えます。
さっき、すぐそばを通ってきた、江ノ島灯台のシーキャンドルがライトアップしていました。



ピンポン巡りはこれで終了。満足~。
時計を見ると、もう日没時間を過ぎていました。
あとは夜になるばかりなので、すみやかに駅に向かうことにします。

● 片瀬山で迷う

ところが、さっそく道に迷ってしまいました。
神社の裏側の道を通るつもりが、夕方になって門が閉ざされ、行けなくなっていました。
ここだろうと思った道は、袋小路で行き止まりでした。

地図ではわかりませんが、この辺りは起伏のある辺り。
結構な急坂になっています。
度重なるアップダウンで、私たちはもうクタクタ。
脚にこたえる大きなミスはしたくありません。

だんだん夜が近づいてきましたが、人も車も通りません。
その道を通るか、私の推理と決断が試されるところです。うーむ。
「そうだった、スマホがあるじゃない」

中世の切通などを抜けてきたためか、文明の利器をすっかり忘れていました。
早速現在位置を調べて、方角を確認。
急坂を上り切って、尾根の辺りを歩いていきます。

この辺りはきっと片瀬山。
おハイソタウンですが、家々は暗闇に紛れつつあります。
明かりの少ない暗い道を、ひたひたと進みました。

● 湘南モノレール

黙々と歩いているうちに、頭上にレールが見えてきました。
遠くから、ゴーッという音が近づいてきます。



「モノレールがやってくるよ」
2人で頭上を見上げると、モノレールが煌々と光りながらやってきました。
暗闇の中を動く様子は、『まんが日本昔ばなし』OPの龍のよう。



「あの上に飛び乗れたらいいのにね。ちょっと跳躍力が足りないかな」
龍の子太郎気分のユーミチカ。

● ぶら下がりタイプ

モノレールって、なかなかありませんね。
東京近辺では、東京モノレールや多摩モノレール、ディズニーリゾートラインに乗ることがありますが、どれも「跨座式」なので、いまいちインパクトがありません。

モノレールといったら、上からぶら下がっている形を連想しますが、「懸垂式」は日本にたったの4路線しかないそうです。
古い順に
   1. 上野懸垂線(0.3 km)
   2. 湘南モノレール(6.6 km)
   3. 千葉都市モノレール(12km) 
   4. 広島スカイレールサービス(1.3 km)

なんと、3つが東京近辺なんですね。広島のは1.3kmと、短い~!
上野のは300mですが、これは上野動物園内に昔からある小さなモノレールです。
ただ、老朽化により今年中に運行休止になるらしく、ぶらさがりタイプは来年には3つに減ってしまいます。
新たに作る予定はないのかしら~?

その貴重な懸垂式モノレールを、関西出身のユーミチカに見せたかったのですが…。
外はもう暗闇!なんだかよくわからない~!
残念です。

● 片瀬山駅

線路の下を歩いて、片瀬山駅に着き、大船行きモノレールに乗りました。



隣の車両の方が空いていたので、移動しようとしましたが、モノレールでは車両内の移動はできないんですね。
次の駅でいったんホームに降りてから、隣の車両に乗り換えました。
車掌さんも、そうやって車両を移動していました。
窓の外を見ると空。町を下に眺めます。
空中遊泳感があり、銀河鉄道999に乗っているような気分になりましたが、ものの10分で終点の大船駅に着きました。



● ターミナル駅大船

「わー、なんか都会だねー」
照明に照らされた大きな駅ビルに、声をあげる私たち。
人も多い、明るい場所に着いて、ほっとします。
思ったよりも脚にハードな行程でした。

「お茶もせずに歩き回ったから、おなかすいたね」
根岸線に乗り換えて、石川町まで乗って行きました。


ここが始発です


その4に続きます。


鎌倉・江の島アップダウン・ミステリールート 2(裏大仏)

2019-03-06 | 神奈川
その1からの続きです。

● 分岐点

山道を歩き続けて、そろそろ次の道筋が気になってきました。
先ほど、知らぬ間にルートをそれてしまっていたので、もう間違えたくありません。
「ああ、この道で合っているのか、誰かに聞きたい…」
しばらく誰も通りませんでしたが、女性が一人やってきたので、すれ違う時に聞きました。
「ここを降りたところに分岐点がありますよ」

正しい道だったようです。よかった。
山の中で会う人たちはみんな、親切です。



分岐点を下に下りていくとハイキングコースのゴールになりますが、私たちはまだ終わりません。
あえて上への階段を選びます。
多少遠回りになりますが、今回はまだ見たことのない、謎めいた大仏切通を通ってみたいのです。

● 大仏切通

階段を上り切り、ふたたび緑に囲まれた山の中へ。



細道を歩いていくと、両側に岩壁がそびえたち、道の間の巨石その間をすり抜けるように通る通路になりました。
走ったらすぐに転びそうなほど足場の悪い道。
念願の大仏切通です!



切通しとは、三方を山に囲まれた難攻不落の鎌倉幕府が、外界との主要な出入り口として、山を切り開いて設けた中世時代の通り道のこと。
「鎌倉七口」と言われる七つのうち、ここは長谷から藤沢に出る主要ルートでした。



今は真冬の2月。
緑も少ない季節ですが、この辺りだけ季節が止まったかのように、うっそうとした緑に覆われていました。



うーん、なんてワイルド。すごい場所ですね~。
突然、野武士が姿を見せてもおかしくない雰囲気。



ここに来た甲斐がありました。大きな自然の力をもらった気分です。

● 切通って?

切通が終わる辺りに、説明看板がありました。
ふむふむ…とまずは日本語版を読みます。
英語・中国語・ハングル語の4か国語表記がありました。



ユーミチカは通訳ガイドで、私は通訳ボランティアをしています。
プロとアマという大きな違いがありますが、お互い外国語は気になるもの。

「切通」は英語だと「opening passes」、中国語だと「大道、道路、出入」だそう。
ハングル語は判読不能で、わかりませんでした!
「うーん、なんだかピンとこないね。」
「この説明で、外国の人は理解できるのかな?」
日本語の切通のニュアンスは、あまり伝わらなさそうでした。

● 大仏坂トンネル

大仏切通を通り切って、バス通りに出ました。
すぐそばに「大仏坂隧道」があります。



こちら側から大仏ハイキングコースに入る入口です。
先ほど、切通に続く階段を上らなかったら、この階段を下りて車道に出ていました。
(つまり切通は通らないルートです)



● 権五郎力餅

バス通りに沿って30分ほど歩き、大仏や長谷寺に近づくにつれて、観光客がどんどん増えてきました。
長谷寺駅の前を通って、たどり着いたのは力餅屋。
久しぶりに、権五郎力餅を食べたくなったのです。



江戸時代から300年も続く老舗。
当日しか日持ちしない力餅と覆面まんじゅうを、お土産に買いました。
覆面まんじゅう。名前がインパクト!
すぐ近くの御霊神社(権五郎神社)で行われる面掛行列にちなんだお饅頭だそうです。

● 御霊神社

『最後から二番目の恋』にも『海街diary』にも登場する神社。
参道を江ノ電が横切る、珍しい光景が見られます。
写真家に人気のフォトスポットにもなっています。



江ノ電がやってくるのをカメラを構えて待つ人々の中に、むく犬を背負っている人がいました。
カワイイ!ぬいぐるみみたい!
わんこは慣れているのか、おとなしくしていました。



ゴトンゴトンと音を立てて、長谷駅を発車したての江ノ電がゆっくり目の前を通っていきました。



● 江ノ電からの海

長谷駅に戻り、江ノ電に乗ります。
人でぎゅうぎゅうの電車がホームに入ってくるのを見て「う、混んでる...」としり込みするユーミチカ。
大丈夫、この駅でかなりの人が下りるのです。快適になった車内に入りました。



海が見えてくると、乗客たちはみんな(わあ...)と窓の外を眺めます。
寒さなんてお構いなし。ヨットもサーファーも、海に出ています。
じきに、江ノ島も見えてきました。



● 鳩と蛇

江ノ島駅で降り、島へと渡ります。
女性2人で歩く今回は、弁天様を重点的に巡るルートにしました。
女性の神様は、女性を助けてくれるはず。
先ほど銭洗い弁天をお参りし、ここでは江島弁財天をお参りします。

青銅鳥居の鳥居をくぐりました。
扁額を指さして「あの鳥居の文字、変わってるでしょう?」と言うと、
「鳩ね!」とユーミチカ。
思わぬ反応に「えっ?」と固まる私。


「江嶋大明神」と書かれているそうです


「鳩じゃなくて蛇なんだけど・・・」
「えっ、鳩にしか見えない~」

八幡宮の扁額は鳩文字で描かれていますが、弁天様は水の神様。だから蛇なんですよー。
たしかに鳩と蛇は、首だけ見たら少し似ていますが・・・。
「翼がないよね!?」

● たこせんべい

大勢の人の波に揉まれながら、狭い参道を進みます。
中でも一番ごった返しているのは、江ノ島名物・丸焼きたこせんべい売り場。



お土産にもらったことはありますが、あつあつの出来たても食べてみたいと思っています。
でもいつ来てもお店の前には長蛇の列ができていて、いつも心が折れてしまいます。
今回も並ぶのはあきらめて、おいしそうに食べる人々の横を通っていきました。

● 日本三大弁財天参り

江島神社の弁天様は、琵琶湖の竹生島神社、広島県の厳島神社と共に「日本三大弁財天」と言われています。
江戸時代まで、江ノ島は弁財天(仏教の神様)を祀る島でしたが、今鎮座しているのは、江島神社(神道の神様)。
うーん、ちょっとややこしいですね。

昔は神も仏も一緒だったのに、明治時代に「神仏分離」でお寺と神社が分けられ、「廃仏毀釈」で江ノ島はお寺から神社に代わり、お坊さんは全員神主さんに変更されられました。
ひどいわ~。つくづく、明治政府は大変なことをしたものです。


マリーナとトンビ


そのため、島の守り神の弁財天は、宗像三女神に変わりました。
かつては同じだった弁財天と宗像三女神が、別々に祀られるようになったのです。
ややこしーい。

政府がテコ入れをしても、弁財天の島としてずっと民衆に信仰されてきた江ノ島は、今でも弁天様のイメージの方が強い場所。
今では江島神社の3つのお宮に宗像三女神が祀られているほか、弁財天の祠もあります。
どれも全てお参りしますよ。
女性には公平に接しないと後々の騒動のもとになるって、じっちゃんが言ってましたからね!

裏大仏の山越えで、脚はちょっと疲れ気味ですが、ウォーカーズ・ハイのような変なアドレナリンが出ているようで、妙に歩きたくなっています。
上まで連れて行ってくれる江ノ島エスカーにも乗らず、自力で石段を登って行きました。

● 1. 辺津宮

さっそく、三女神のお宮巡りです。
一番初めに出迎えてくれる一番大きな辺津宮(へつみや)には、田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)が祀られています。


人がたくさん


● 2. 奉安殿

辺津宮境内の奉安殿に、八臂弁財天と妙音弁財天が祀られています。
もともとの江島神社のシンボルの弁天様です。
江戸時代の人々はこぞって江の島詣でをして、この江島弁財天を参拝しました。


女性がたくさん


江ノ島の女神様と弁天様のことは、宗教と政治が絡むため、日本人にもわかりづらい話になっています。
外国人が理解するのは難しそう。
通訳ガイド泣かせの案件ですね。

● 3. 中津宮

さらに石段を登っていくと、次にあるのが中津宮(なかつみや)。
ここに市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)が祀られています。



● 4. 奥津宮

さらに石段を上り、島の尾根を越えるように進んでいくと、奥津宮(おくつみや)が見えてみます。
ここには多紀理比賣命(たごりひめのみこと)が祀られています。
ここの石鳥居は源頼朝が奉納したもので、拝殿天井には酒井抱一の『八方睨みの亀』が描かれています。



手水舎を支える亀。
いえ、これは龍の子供の贔屓(ひいき)で、柱を支えている贔屓は亀趺(きふ)といいます。
入り口の、蛇文字で扁額が書かれた鳥居も、亀趺ちゃんが支えています。
江ノ島は龍の棲む島なので、子供もあちこちにいるのでしょう。



奥津宮の先の急な石段を下れば、荒波の打ち寄せる稚児ヶ淵。
その先には、江ノ島最奥の岩屋洞窟がありますが、この日お休みでした。
まだまだ歩き続けるため、脚力温存のため、波際まで降りずに戻りました。

● 江ノ島の外国人

「通訳ガイドで江ノ島に来ることってある?」と聞くと「鎌倉はあっても、江ノ島はなかなかないかなあ」との返事。
でも、海を見ながらの帰り道、アジアン・カップルに「ここから富士山は見えますか?」と英語で尋ねられました。
「今日はムリかしら…あ、あそこじゃないかな」
雲がモクモクと立ち込めている中に、何となくそれっぽいものを見つけて、教えてあげました。

鎌倉の方が古い日本は残っていますが、江ノ島からは富士山が大きく見えるので、外国人もよく見かけます。
ここからの富士山は、海の向こうに見えて感動的ですからね。



この日の富士山はいまひとつでしたが、ユーミチカの家からディズニーランド越しに見えるそうなので、(それならいっか)と島を後にしました。

● 夕日との競争

弁天マジックがかかっていたのか、江ノ島を離れると脚がだるくなってきて、少し重くなりました。
この辺りでカフェに入って、お茶にしたいところです。
ただ、この日の日没時間は17:25。
ゆっくりしていると日が暮れてしまうため、ティータイムはおあずけで、先に進むことに。
「休まず前進!」「イエッサ!」
ガイドではなく、もはや鬼軍曹状態です。

その3に続きます。



鎌倉・江の島アップダウン・ミステリールート 1(銭洗弁天)

2019-03-05 | 神奈川
● prologue

久しぶりに、友人ユーミチカと会うことになりました。
都心で落ち合うはずだったのに、話をしているうちに予定がコロコロ転がり、いつのまにか『浜っ子リカがご案内する横浜・鎌倉・江の島1日ミステリーツアー(催行人数1名)』というタイトルに決まっていました。
えー、なにそれ? まあいっか!

ルートをまかされたので、はりきって考えます。
彼女が鎌倉でこれまで行ったことがある場所は、鶴岡八幡宮、長谷寺、成就院、大仏、鎌倉宮、明月院、建長寺、円覚寺だそう。
王道の場所は訪れているので、マニアックなコースを選びましょう。
ミステリーツアーですからね!

● JR横浜駅

当日は、JR横浜駅の横須賀線9・10番線ホームで待ち合わせ。
広ーい!二つのホームをつなげたほどのホームのゆとりに驚きます。
前からこうだったかな?



2010(平成22)年にホームの拡幅工事が行われ、幅8mから15mに拡幅されたそうです。
その後何度も使っているはずなのに、気づいていませんでした。
いつも大急ぎで、やってきた電車に飛び乗っていたのかも。

じきにユーミチカもやってきました。
「このホーム、広いね!」やっぱり同じ感想です。
「今日はよろしくね!楽しみで、今日早く起きちゃった」
「私もよ!」
「お賽銭もたっぷり持ってきたわ」
「私も。小銭ならたんまりあるわ!」

● JR北鎌倉駅

横須賀線に乗り、北鎌倉で下車。



今回はメジャーな鎌倉駅には向かいません。
北鎌倉で降りると、みんな鎌倉方面に歩き出しますが、その列にも続きません。
駅の向かいの交番の奥に続く細道を歩きます。



観光客らしき人は誰もいませんし、そもそも人が歩いていません。
しばらく進んでいきますが、人どころか車も通りません。

北鎌倉から鎌倉までの道は、いつも人の列ができていますが、ちょっとルートを離れると閑散としています。
急な上り坂になったカーブ道をうんうん登って行くと、じきに道標が見えてきました。



源頼朝が平家追討の時に勝利を祈願した、源氏山に着きました。

● 葛原岡神社

まずは葛原岡神社へ。
ご祭神は、鎌倉幕府の討幕を目指した後醍醐天皇の側近の日野俊基(ひのとしもと)。
おちついた自然に囲まれています。



願い事を叶えてくれる、本殿の「昇運の龍神」をお参りします。
南朝時代の武士の神社が、鎌倉の縁結びのパワースポットとして知られているのは、ちょっと不思議。
最近になっての盛り上がりかな…。

理由は、境内に大黒様もお祀りしているからだそうです。
男石・女石、そして魔去ル石がありました。



すぐそばに、富士山が見えるポイントがありますが、この日は雲が厚くて見えませんでした。

● 銭洗弁財天

銭洗弁財天にはもうすぐ近くです。
ユーミチカは浪速の商人の娘なのに、まだ行ったことがないというので、プランに入れておきました。
「来たかった場所なんだ!」と喜んでもらえました。読みが当たったようです。



社務所でろうそくと線香とザルをいただき、岩屋の中の奥宮に向かいます。
ここで持ってきたコインをザルに入れて、湧き水で浄めました。


ありったけの500円コイン


普段は押すな押すなの大混雑ですが、まだ午前中だからか、そんなに人がいません。
お札を洗っている人もけっこういました。



ここには正式名称は、銭洗弁財天宇賀福神社。
神道の宇賀神と仏教の弁財天が祀られており、ほかにもあちこちで「神仏習合」の名残が観られます。


狛犬の口に、10円玉が2枚載っていました。


ここから佐助稲荷への近道階段をどんどん下りていきます。
この日は一日中、昇ったり下りたりして過ごすので、まだまだ根を吐けません。

● 佐助稲荷

佐助と聞くと、猿飛佐助を祀っているのかなと思いますが、「かつて佐殿と呼ばれた源頼朝を助けた神社」としてこの名になったという場所。
ニンジャは関係ないみたい。

「外国の人が伏見大社に行けないことを残念がっていたら、ここに連れてこれるわ」
通訳ガイドのユーミチカは、そういう見方をします。



小さいながらもおびただしい数の千本鳥居。
奉納されたお狐さんも、本家ほどまではいかずともかなりの量です。



凛と張りつめた空気。
親日家だったピアニストのリヒテルが、この場所を気に入っていたそうで、おごそかな気持ちになります。
以前は、入口の下社にしか神主さんは常駐していませんでしたが、いつの間にか千本鳥居をくぐり石段を上がった上社にも常駐されるようになっていました。



さらに上に上がったところにある奥社は、より独特の雰囲気。
白キツネさんがいっぱい。

● ハイキングコース

普段はここから踵を返して鎌倉駅への道を取りますが、今回はそのまま佐助稲荷の奥社の山を登って、ハイキングコースに入ります。
太い根っこのはびこる、細く木の階段を上ると、うっそうとした緑の中に入りました。



思ったよりも傾斜が急です。人とすれ違う時には、お互い協力しないと転んでケガをしてしまいそう。
優しさが試されます。



毒蛇も出るそうですよ!
犬を噛むんですから、人だって噛むでしょう。ヒ~。



● コースアウト

歩いていくと、下り坂になり、下りの階段になりました。
その道しかないため、しばらく歩いていきますが、なんとなく違和感がぬぐいきれずに(あれ?)と立ち止まります。
「なんだか道を間違ってないかな?」

先ほど私たちの後に登ってきた女性は、もういません。
別の道がありましたが、それは銭洗い弁天方面へのルートでした。
戻ってしまうと思ったので、今いる道を選んだのですが、そちらの方が正しかったのかしら?

上から男性が下りてきたので、「この道はハイキングコースでしょうか?」と聞いてみました。
人一人がようやく通れるくらい狭い急な斜面に3人が並んで立ち止まり、互いに顔を見合わせます。

「大丈夫じゃないですか?この道だと思いますよ」
鎌倉の地図を開いて見せてくれて「この地図あげますよ」と言ってもらいました。親切!
「じゃあ大丈夫かな」と言って、先にお兄さんに通ってもらい、私たちはゆっくり下っていきました。
すると、下りきったところにあった周辺地図を、お兄さんが眺めていました。

私たちが近づくと「やっぱり1本違っちゃったみたいです」と指さして教えてくれます。
ハイキングコースから外れて、隣の道を歩いていたようでした。
うーん、どこでコースアウトしたのかわからない~。

でもまあ、隣の道なので、修復可能。
車道に降りてしまいましたが、少し下界の道を歩きます。

● 樹ガーデン

トンネルを通ったところに、樹ガーデンというカフェテラスがありました。
「ここでランチにしまーす」



お店にたどり着いてよかったよかったと言いながら、お店に続く階段を上りはじめます。
でも、これがびっくりするくらい長くて、登っても登ってもたどり着きません。
途中で一休みするように、ベンチがいくつも置いてあります。



北鎌倉駅で降りてから休憩も入れずにずっと酷使し続けている脚は、もうかなりガクガク。
それでもさっき、山の尾根伝いに続くハイキングコースを降りてしまったので、再び山を登らなくてはいけません。
アップダウンを一つ増やしてしまって、ユーミチカ、ごめんね!

「冬だし、最近ぜーんぜん身体動かしてないから、ちょうどよかったわ」
優しい!でもだからこそ、身体にこたえるのでは?



● オープンテラスでランチ

棒のような脚を踏みしめながら、ようやく上までたどり着き、ウェイトレスさんに出迎えてもらいました。
ここは全席オープンテラスのレストラン。
自分たちで好きなテーブルを選んで座ります。
「天空のレストラン」と言われるように、空が近く、広々とした景色を楽しめます。



「見晴らしがいいですね」とお店の人に言うと
「昨日は雪が降ったので、寒くて大変でしたけど、今日はぽかぽかですね」
たしかに、前日だったら長居できなかったことでしょう。
いい天気に恵まれて、私たち、日ごろの行いがいいのかも!



この辺りのルートがよくわからず、迷わずに案内できるか不安だったので、近くに住む先輩に、前もって尋ねていました。
「樹ガーデンは、この時期だと虫がこなくていいね」と言ってもらいました。
緑が少ない冬ですが、なるほど、そういうメリットがあるのね。

確かに虫は全くやってこず、青空の下の快適で美味なランチを楽しみました。
2人連れやグループのほかに、単身の人もちらほら見かけます。
ご近所様なのかしら。すてきなおひとり様時間の過ごし方です。


生パスタ


これが鎌倉の中心地の方なら、休日のお昼時にはどのお店もぎゅうぎゅうに混んでいます。
並ばなくてはいけませんが、ここは人も少なくて開放的。
とても気持ちが良くて、会話も弾み、ゆっくりできました。

● 再びコースイン

さて、そろそろまたハイキングコースに戻りましょう。
道を外れてしまったので、お店の人に戻り方を教えてもらって山道へ。
お店よりもさらに山の上の方に上って行ったところに、そのルートはありました。

ハイキングコースから樹ガーデンに入っていく道。
本当はここから行く予定だったんですが。



目の前を、北欧風の外国人が速足で横切っていきました。
「今の人は、この辺りに住んでるのかな?それとも旅行者なのかな?」
うっそうとして曲がりくねった山道のため、すぐに姿は見えなくなりました。



山の中ですが、一瞬景色が開けて、木の合間から海が見えました。
鎌倉の海です。おそらく材木座海岸の辺り。



足元がゴロゴロの根っこ道で、ちっとも平坦ではないため、おしゃべりしながらも気が抜けません。
つまずかないよう、地面に目を配りながら進んでいきます。



途中、鎖道もありました。わー、修験僧みたい。
正確には鎖ではなくロープでしたが。
ロープの道は続きます。大きな段差がある、人ひとりが通るのがやっとの足元危険な細い道を、紐を手繰りながら下っていきました。

その2に続きます。