風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-7 山形・ミステリアス出羽三山3

2012-07-31 | 東北
[蔵王温泉→お釜→山寺→高畠ワイナリー→帰京]

朝6時に起床。アッコさんが寝ていたので、静かに朝湯に入りに行きましたが、戻っても彼女はまだ寝ており、「食事ができてます」という食堂からの電話で目覚めました。
夕べは2、3時頃まで仕事をしていたとのこと。それは起きられないはずです。
食事の後ほどなくして出発。女将以下宿の一同にお見送りしてもらいました。

 

このたびでは、朝も夜もずっと和食続き。
私は満足ですが、どうやらアッコさんはコーヒー欠乏症になっていた様子。
「コーヒーが飲みたいなー」とつぶやいていますが、バスに乗り、ほどなくして気持ちが悪くなった私は、もはやリアクションができなくなっていました。
食事がまだ消化されていないうちに、くねくねカーブを通っているせいです。
酔い止め薬が効くまでの時間がとても長く感じました。

今回は、蔵王から出羽三山を巡るコースのため、本当に毎日ひたすら山を登ったり降りたり。
こんなにカーブだらけの日々は、生まれてこの方初めて。自分はとても山の中には住めないだろうと思います。
そしてドライバーさん、ただただお疲れさまです。

○ 蔵王・お釜

酔いをこらえて数え切れないカーブをやり過ごしているうちに、お釜に着きました。
お釜を訪れるのはこれで2度目。中学のサマーキャンプで蔵王登山をしたときには、濃霧が立ちこめて辺りが全く見えなくなり、あわや八甲田山死の行程という状態になったという、忘れられない思い出があります。
お釜もあの時見えたのかどうか。色は少し見えても、全貌ははっきり見えなかった気がします。

 

ところが今回は、何も隠すところなく、すばらしくくっきりと見えていました。
深いエメラルド・モスグリーンの水をたたえた火山湖。自然の美しさに感動します。
標高が高い場所にあるのに、水が枯れることがないというのが神秘的。

 

「なにかおもしろい写真を撮ろう」とアッコさんが言い、お釜の水で顔を洗っている写真を撮りました。
アッコさんがガリバーのように巨人になったら、ここを使えば身だしなみもバッチリ、かわいい山ガールでいられますね。

 

そう、彼女は山ガール。よく関東近隣で登山を楽しんでいるそうです。
この日の格好も、バッチリ山ガール風でした。私は水辺が好き~。(弱い声)

山の上には、刈田嶺神社も見えます。神社好きの私たちですが、御釜の辺りを歩き回ったため、暑さでへたっており、熱い視線を向けただけで、登っていくのは断念しました。

 

蔵王山頂レストランで、お釜を眺めながら、蔵王ソフトクリームを食べました。
アッコさんは、念願のローステッドコーヒーを。

 

と、なんだかモクモクと雲が出てきて、あれよあれよと言う間に、お釜は見えなくなってしまいました。
なんということでしょう。さっきまでの快晴が、嘘のように、今では雲の中。
「みなさん、きちんと見られてラッキーでしたね」と添乗員さん。
どうも、摩周湖よりもお釜は見られる確率が低いんだとか。30%だそうです。
参加者からは「たしかに今回が三度目の正直だった」という声もあがりました。

それからまた、バスは山を下っていきます。
薬が効いてからは、快調に眠っていけました。

○ 山寺(立石寺)

 

そして着いたのが、山寺。
ここには、7年ほど前に一人で訪れました。
石段がとてもとてもきつかったという思い出があるため、この暑い中で、どうなることかとおそれをなしていましたが、歩き始めてみると、前ほどではありませんでした。
どうしても一人だと、せっせと歩いてしまいますが、きっと今回はアッコさんや、添乗員の小林さんと、話をしたり立ち止まって周りを眺めたりしながら行ったからでしょう。
アッコさんは、一眼レフのカメラを持参して、じっくり撮影しています。
このブログも、素敵な写真はどれも彼女の撮影です(笑)。
添乗員さんは、私たちが写真を撮っていて、一番若手なのに一番ビリになったため、一緒に歩調を合わせてくれ、二人の写真を撮ってくれました。

 

蔵王温泉同様、ここもアジサイがきれいに咲いていました。季節が戻ったような感じ。

 

芭蕉と曾良像の前で。どうしてこんなに二人の距離は離れているのかしら?
師匠がビッグすぎて、弟子が距離を置いたとか?単に撮影用の位置配分なら良いのですが。

 

そもそも、出羽三山を訪れるのは、新緑の緑がまぶしい季節がいいということで、梅雨があがったこの季節を選びました。
その計算はピタリと当たり、どこを訪れても、緑の美しさが満ち満ちています。

 

ここ山寺も、緑に覆われた場所。どこもかしこも苔むしていていかにも古刹という感じ。とても雰囲気がありました。
登り始めた辺りは、石段は木陰の下になっていましたが、しばらく上っていくと木もなくなり、じりじり日射しが反射する石段を歩いていくこととなります。

 

汗だくになりましたが、奥の院に鎮座した金色の大きな仏像は、見がいがありました。
そこにも御朱印を書いてくれるお寺の方がおり、(毎日ここを上ってくるんだなあ)と恐れ入ります。

 

考えてみれば、初日に訪れた、この世からかけ離れているような湯殿山神社も、通いの神官たちが大勢いるんでしょうね。
毎日が修験道。考えるだけでも大変です。

 

山寺の隣にそびえる岩山には、岩肌をくり貫いて作った修行用の庵のような場所があり、今でも修験者が使っていると聞いて、驚きました。
高所恐怖症の人は、恐怖で悟りも得られなさそうです。

 

添乗員さんが「三重塔もありますよ」と言ったので(前にきたときには気付かなかったー)とワクワク探してみたら、とても小さなものでした。
扉の中に安置された塔だとは予想外。1519年の作で、重要文化財だそうです。

 

展望台からの眺めは、相変わらずすばらしかったです。
涼しい山風が吹き抜ける心地よい場所で、ひと涼みしました。

 



○ 高畠ワイナリー

 

その後、バスに戻って、高畠ワイナリーへ。
高畠駅のすぐそばにある、小さなワイナリー。ここで工場見学をしたあと、スモモのスパークリングワインや桃のワインなど、いろいろなワインを試飲させてもらいました。



私はぶどうジュースがおいしくて気に入りましたが、ジュースは1杯限定でした。
アルコールは飲み放題なのに、どうして?いくらでも飲めるから?不思議なシステムです。

 

それから、一路帰途を目指します。
ずんだ団子をシェアしました。とても鮮やかな色ですが、これが自然の色。
はっきりした味につぶつぶの食感で、おいしかったです。

 

途中、高速が火事渋滞になっていると聞きました。
事故渋滞なら聞くけれど、火事渋滞って初耳!
車が高速道路上で炎上してしまったことが原因だそうです。
そんなことって、あるのー!?
かなり興味シンシンでしたが、私はほどなくして眠ってしまい、全く気づかないままに、その車の横をバスは通り抜けていったようです。
アッコさんに聞いたら「丸焦げだったよ」とあっさり話してくれました。
そんなわけで、少し遅れたものの、大きなアクシデントもなく無事に東京に着き、旅は終了。
ミステリアス・山形を存分に満喫できました。
修験の山々を巡るという、なかなかディープな旅ながら、同じ興味を持つ友人と一緒に過ごせた、とてもおもしろい3日間でした。
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2012-7 山形・ミステリアス出羽三山2

2012-07-30 | 東北
[蔵王温泉→月山(八合目、中之宮、弥陀ヶ原湿原)→羽黒山(国宝五重塔、三神合祭殿)→蔵王温泉(泊)]

冷房がないため、朝方暑さで目が覚めたりしましたが、8時間近く眠れました。
「明日の朝早起きする!」と前日宣言していた通り、アッコさんが5時半に起床して、お仕事を始めました。
私はその気配を感じながら、布団の中でしばらくゴロゴロして、6時に起き、朝湯につかりました。
朝の温泉、気持ちいーい。

朝は焼きじゃけ。添乗員さんから、鮭とサーモンの違いを教わります。
日本人は油っぽい方が好きなのでサーモンを選ぶけれど、こちらが本当の鮭だそうです。
今回は、二泊とも同じ宿。荷物を置いて身軽になっていけるのが、なにより楽。

それでもアッコさんはPCを手放さず、「昨日あまり進まなかったから」と座席に座ってもAirMacを広げているので、「働き過ぎよー、ううっ」と泣けてきました。
彼女が真面目に仕事をしている横で、私はのんきにグーグー眠ってばかり。起きたばかりなのに…。

酒田に母方の故郷があるというアッコさん。宿の人に、酒田までの距離を聞いたら、バスで2時間半ほどかかるとのこと。
「ここは仙台の方が圧倒的に近い」と言われます。
確かに、多賀城の中学校で、サマーキャンプが蔵王登山でした。
酒田といったら『おしん』を思い出しますが、『おくりびと』の舞台にもなったそうです。

今日もまた、見渡す限り緑の世界。
日本って、こんなに緑に囲まれている国なんだーと驚きます。
「山形って、ほんとに名前の通りだね」とアッコさんもしきりに感心しています。
緑はいいのですが、山また山に囲まれているため、時々湖を見ると、新鮮ではっとします。
渡りたくなるような、美しい橋梁。ダムも見えました。

 

 

蔵王から平地に下りると、見渡す限りの庄内平野。
青々とした水田が広がり、これが秋になるとたわわに実って、新米になるんだなあと思いながら見渡しました。

 
 
 

なんだか美瑛を思い出します。

 

途中、「8月1日に牛の放牧の移動を行うため、道路を通行止めにします」という表示を見かけました。
ここでは牛が優先なのねー!

 

途中の物産館で、月山の水と鳥海高原のヨーグルトを調達。
画像に写っているのは、添乗員のコバヤシさん。
ヨーグルトは最後の一つだったため、二人で仲良くシェアしました。
どちらもおいしい!2Lの月山水も調達し、出羽三山の恵みを存分にいただきました。

 

○ 月山八合目・弥陀ヶ原湿原

「今日のルートは難所なので、ドライバーが朝から集中している」と添乗員さんが言った通り、ドライバーさんの周囲にはピンと張りつめた空気が漂っています。
月山への道は急な坂道が延々とくねくね続き、箱根なんてまったく目じゃないほど。
しかも一方通行並の細さなので、対向車が来るとそれはもう大変。
さらに大型バス同士では、どうしたら切り抜けられるものかと、乗客の私たちも息を呑んで見守ります。
それでもかすることなく華麗にすりぬけられる、運転の技術の高さ。
文句なしに、カッコヨイです。

 

日光のいろは坂よりもハードな道を越えて、ようやく八合目に到着。
3、4合目あたりから、すでに耳がキーンとしていましたが、つまり富士山五合目よりも高い場所ということですね?
この日もやっぱりカーブ酔いしてへろへろでしたが、標高約1400mの場所に立つと、見渡す限り緑の山々のすそ野が広がり、見晴らしの良さと空気の美味しさですがすがしい気持ちになりました。

 

まず、中之宮に参拝しました。大きな撫でウサギがいたので、二人で代わりばんこになでさすりました。
でもなぜウサギ…?牛ならわかるけど…。
あっ、ウサギは月の神様のお使いだから、月山に?
あとで調べてみたらその通りで、月の神使として月山本宮に祀られているそうです。

 

めいめいに弥陀ヶ原湿原を自由散策しました。高原の風がとても気持ちがよく、あっという間に下界の憂いを忘れます。
高山植物の宝庫と言われている通り、ニッコウキスゲをはじめとしたかわいらしい花々が今を盛りと咲いており、あちこちに池もあってのどか。

 

 

 

 

鳥や蛙が鳴いているのが聞こえ、霧が風に乗って動いていくのが見えます。
あっという間に、霧に包まれて辺りが見えなくなったりもしました。
♪ 君の行く道は 果てしなく遠い~♪
本当に自然の中にいるんだなあと、リラックスできました。

 

 

アッコさんは「Podcastに使う」と、自然の音を録音していました。
木道をたどって、気持ちよく1時間の散策をこなし、山を眺めながら軽食をとりました。

○ 羽黒山・出羽三山三神合祭殿

またくねくねカーブの山道を降りて、登って、羽黒山へ。
先ほどの月山ほど登っていないため、山なのに暑く、蜃気楼が見えそうです。
天狗のような格好をした男性がいるのも、幻影かしら…と思いましたが、本当にいました。
一歯の高足下駄で、とってもバランス悪そう。写真撮影に参加していました。
ほかに、二歯の下駄を履いている人もおり、参拝客を案内していました。

 

 

出羽三山三神合祭殿は、とても豪奢で驚きました。
白い龍の彫刻が動き出しそうなほどリアルで、迫力満点。
受ける印象の強さに、しばし動けずに見とれます。
山中なのにここも龍神をお祀りしています。

 

 

 

ちょうど白装束の修験者の方々の祈祷中で、巫女舞を見ることができました。
ここの御朱印も、見開きいっぱいに描いてもらえて、迫力があります。

 

立ち上るような気を感じた神社でした。
ほかにも、家康公を祭った東照宮や足腰の神様などといった社があり、足腰の神様の社には、下駄などの履き物がびっしりと奉納されていました。

 

社のまえの鏡池には蓮がたくさん生い茂って、水面が見えないほどでした。
アッコさんと大感激していたら、おもむろにケータイの竜巻注意報が鳴って、びっくり。
竜巻といえば、竜。龍神が目覚めたのかしら?

ここから石段を50分下ると、次に向かう五重塔に辿り着くとのことですが、ケガをしては大変とのことで、バスに乗って近くまで行きました。

○ 羽黒山・五重塔

参加者たち一人一人がお土産店に杖を貸してもらいますが、数が足りず、私たちは若者代表ということでそのままナシで向かいました。
杖が必要な道ってどんな感じ?と気になりましたが、石段に手すりがついていない程度で、無くても大丈夫でした。

 

 

不規則な石段を下り、うっそうとした杉林の中へと入っていきます。朱色の神橋を越えると、巨大な杉の大木がありました。
爺杉といわれるとのこと。婆杉もあったそうですが、明治時代に台風で失われてしまったとのこと。おじいちゃん、おばあちゃんの分もがんばって。

 

 

そして今回の旅で一番楽しみだった、五重塔に着きました。

 

 

すばらしい。もう言葉がありません。
巨大な杉林の緑の中にひっそりと立つ姿は、染み通るような趣があります。
澄んだ濃い空気の中で、自分の生きる道を見いだす力が得られそう。
この感覚を覚えていたくて、しばし立たずみました。
ただとても暑く、こんな暑さの中で訪れることになるとは想像していませんでした。

 

 

平将門が創建したとも言われている、秘密に満ちた古塔。
どうぞ、邪悪な闇からアッコさんと私をお守りください。

 

その後、岩からしみ落ちるような滝のもとに行ったり、欄干のない橋に見とれていたりなどしたら、いつの間にか集合5分前になっていました。
辺りにはもう誰もいません。二人で焦って石段を駆けあがって、ぎりぎり時間に間に合いました。

 

 

汗だくになってダッシュし、涼しいバスの中で一心地。
でもお土産屋を見たり、柿ジェラートを食べる暇がありませんでした。

帰り道、とつぜん空が暗くなり、あっという間に窓を叩きつける大雨に。
雷もゴロゴロ鳴り続け、龍神雷神が活動しているなと思います。

○ 蔵王温泉

ちょうど雨が止んだあとに、宿に戻りました。
「大変だったんですよ。濡れなくてよかったですね」とねぎらいの言葉をかけてくれる女将。
出発も帰りも、女将が外で挨拶してくれます。毎日のテレビ番組の紙に、女将が自作の短歌を載せており、たしなみがある人だと思いました。
こんな感じに。
「難しき言葉も知らず歌を詠む 古希の手習いのひとりおかしさ」

雨上がりの夕焼けは、黄色ともピンクともいえない、不思議な色でした。

 

夕食は、山菜郷土料理御膳。
金屏風の前に大将がでんと構え、黙々と芋煮をよそっていました。

 

 

この画像をネットに上げたら、観た人に衝撃を与えたらしく、「夏なのに芋煮?」「なぜ金屏風の前で?」とのコメントをもらい、特に変に思わなかった私はすでにどっぷりと山形ナイズされていたことを知りました。
エブリデイ・芋煮王国の山形。ディープだわ。
べにばな蕎麦、芋煮、すいかと、どれもおいしくいただきました。

 

温泉がほんとに良くて、もうすべてオッケーという感じ。
ぬるりとしたお湯の感触で、肌もつるりとします。

ロンドンオリンピックの次第をチェックしながら、またよく冷やしたスパークリング日本酒で乾杯。

いつもいつも、旅の夜は、連れが先に寝て、私が日記を書くために起きているというスタイルでしたが、今回はアッコさんが仕事をしているため、一緒のタイミングで寝られます。
それもまた嬉しいもの。
ところが、プチアクシデントがありました。なんだかかゆいなと思ったら、窓の網戸に穴があいており、蚊が入ってきた様子。
さらに、なにかがブンブンと飛んでいます。「カメムシだね」とのアッコさんの声に、キャーと悲鳴を上げる私。
虫はそれほど怖くありませんが、カメムシだけは苦手なの~。助けてー。

「とにかく、被害が大きくならないうちに、蚊取り線香をお願いしよう」とフロントに電話をかけましたが、何度かけてもつながりません。
時間はまだ10時前。えー、フロントは夜には閉まっちゃうの?
温泉は24時間あいているのに、宿の人は夜には寝てしまうのでしょうか。
こんな宿は初めてで、びっくりしました。

それなら、自分たちで何とかしなくては、と少し部屋を暗くしていたら、カメムシはブーンとどこかに飛んでいったので、ひと安心しましたが、蚊はひそんでいたようで、寝ている間に腕を何箇所か刺されてしまいました。
お湯はいいお宿なのに、暑さといい、虫といい、毎晩なかなかスムーズに寝かせてもらえず、とほほ。
まあそれも、終わってみればファニーな思い出です・・・。

 
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2012-7 山形・ミステリアス出羽三山1

2012-07-29 | 東北
[東京→湯殿山(湯殿山神社)→蔵王温泉(泊)]

○ prologue

五重塔が好きな私。いつか羽黒山にある、国宝の五重塔を見てみたいと思っていたら、神社好きのアッコさんが「一緒に行きましょう」と言ってくれました。
出羽三山は、天狗になりたい人たちが修行する場所として興味しんしんながら、マイナーな場所なので、果たしてツアーがあるのかと思いましたが、マイナーなりに、なかなか人気の様子。
今回は、JTB旅物語の「山岳修験の聖地、出羽三山(羽黒山、湯殿山、月山) 出羽三山・弥陀ヶ原散策と天下の名湯蔵王温泉 3日間」に参加しました。

○ 出発

新宿で待ち合わせ。新宿はバスを待つ人たちが大勢いてその人数に驚きました。観光バスもずらりとならんでおり、どのバスなのかわからなくなりそう。
アッコさんが、まさかの迷い人になり、集合時間が迫りつつある中、電話でやりとりして、ようやく会えました。
我が家にお迎えなしで現れた、唯一人のひとなのにー!
まあ、旅にはハプニングがつきものですからね。

受付を済ませて、バスに乗り込みます。
酔い止めを飲んできたし、酔い止めバンドもしているけれど、前日慌ただしく支度をして朝5:50に起き、3時間くらいしか睡眠を取っていないため、寝不足で酔いそうな予感。
アッコさんに至っては、仕事が終わらず、一睡もしていないとのこと。私よりもハードね…。
いつも仕事での取材旅行が多く、こういった国内ツアーに参加するのは初めてだという彼女。
珍しそうに客層をざっと見て、
「年齢層が高いね」「若者たちはどうしてるんだろ?」と不思議に思った様子。
ライターさんなので、次々に企画のアイデアが浮かんでくるらしく、話を聞いているととても刺激的。
クリエイティブな人と一緒で、楽しい旅ができそうです。

今回は、リュックで行くというアッコさんに合わせて、私もリュックにしました。
彼女は「世界ふしぎ発見」のミステリーハンター・竹内さんプロデュースのもの。
ノートPCも入るスグレモノだそうです。
私は、TOMMY HILFIGER。これ、以前父にプレゼントしたものですが「かわいすぎるよ」と使ってもらえないため、このたび私がもらってきました。
五重塔に逢えるということで、この前若狭のお寺巡りをしたアッコさんにお土産に頂いた、三重塔キーホルダーをつけていきました。うふふ。

     

途中のSAで、仙台の牛タンと福島の伊達鶏の「たんどり弁当」を買いました。
仙台の長なす漬けもついていて、名産づくしが嬉しいですが、バスに揺られながらだと、食欲がわかずにほとんど手をつけられず。
桃100%のジュースが売られているのを、初めて見ました。お上品な甘さで、美味しかったです。

     

不安でしたが、ほどなくして、自分の甘さを思い知りました。
今回の旅の訪問地は、出羽三山。
つまり山ばかり。
ということは、くねくねカーブの山道ばかり続くんですね。
一番つらいコースに、連日耐え続けなくてはなりません。

写真は、月山湖です。ずっと山ばかり、緑ばかり見続けていた中、満ち満ちた水の存在がとても素敵に感じました。
 

山道ではやっぱり酔ってしまい、身動きが取れないくらい超ピンチに。
こんなギリギリのピンチは、久しぶりです。アッコさんに心配をかけてしまいました。
「最前列に座らせてもらった?」と言ってもらいますが、首さえも動かせません。
もはや、身体を動かすどころか、息をする余裕もないの~。
なんとかギリギリこらえているうちに、カーブを登って登って、湯殿山入り口に着きました。

アッコさんが、おもむろに「私、鳥マニアなのよね」と言ったので、鳥好きの私は「私も!」と答えます。
「すごい鳥だー写真に撮ろう」と、彼女はカメラを構え、動けない私はそのままの体勢で「やっぱりペットにするなら鳥さんね」と言ったら、「・・・?」と不思議そうなリアクションが返ってきました。
なぜー?と思ったら、鳥じゃなくて鳥居って言っていたようでした。

○ 湯殿山神社

 

そのうちに車窓から見えるようになった巨大な鳥居を、朦朧とした目で見つめます。
緑に映えてとても絵になる大鳥居。白装束の修験者の姿も見られます。
自分が普通の状態で無かったせいかもしれませんが、もはや日常光景ではありませんでした。

 

そこでバスを降り、ようやく気持ち悪さから解放されます。
そこから黄色いシャトルバスに乗り換えて、神社まで山道の急坂をくねくね。
今回は、風がいっぱいに車内に入り込んでいたので、酔いませんでした。

 

降ろされた場所からは、歩道しかなく、山道を一つ越えていきます。かなり山の上まできて、眼下に折り重なる山並みがきれい。
この神社のことは、これまで知らなかったし、事前に予習しようとネットで検索しても、なんだかよく情報がつかめなかったのは、とても独特で不思議な場所だからだと、実際に来てみて実感しました。

 

山を一つ超えて橋を渡った場所では、白装束の修験者たちが大勢いて、気合いを入れていました。
白装束といったら、四国のお遍路さんか、パナウェーブ信者だとばかり思っていましたが、そういうわけでもないのねーと彼らを見て思いました。

着いた場所は、神社の入り口で、小さな小屋がありました。
御神体に向かう前に、ここで靴を脱いで、裸足になります。
裸足でふれる石の感覚は久しぶり。石肌が心地よく感じます。

裸足になったところで、御祓いを受け、人型の和紙をいただきました。
それに体中をなでて、自分の穢れを移し、小川に流すという儀式を行います。
しかし小川は流れておらず(詰まっちゃった?)、水面は人型でいっぱいでした。
たくさん水面にたゆたっている紙を見て、「千と千尋の神隠し」のワンシーンを思い出しました。

その段階で充分フシギ体験なのですが、お祓いを済ませた私たちは、いよいよご神体のもとへと向かいます。
古来より「語るなかれ」と伝わる神社。もちろん撮影は禁止です。
実際に、なかなか簡単にはアプローチできないようになっています。まさに秘密の聖地。
細い石の道を奥へと下っていったその先にあったのは…
巨大な赤茶色の大岩でした。山の形をして、そこからとめどなく水が流れ出しています。
予想だにしなかった光景に、あっけに取られながらも、祈祷台があったため、お祈りを捧げました。

みんなの後に続き、見よう見まねで、その大岩を上っていきます。綱一本を頼りに。
歩きだしてみると、大岩から流れている水は熱く、温泉だとわかりました。
水ではなくお湯で、しかも人為ではなく自然に湧き出しているとわかりました。
天然温泉なのです。それで湯殿山なのね。
私たちは、その温泉湯が流れ落ちる岩肌を、滑らないように気をつけながら、一歩一歩登っていきます。
こんな不思議体験は初めて。降りてくる人と接触し手足を滑らさないように気をつけながら、手すりを伝ってゆっくり歩いていきます。
降りてくる人たちもいるし、よろよろしている御年配の人々も多いため、誰もが集中していました。
もちろん、日傘をさしている余裕などはありません。
そうしてそろそろと進み、ぐるりと御神体の後ろに上りながら回り込むと、そこには竜神を祭る場所がありました。
ここで祀られているのは、竜神様だったのですね。

下は遙か下界。落ちたらまず助かりません。すごい場所です。
今でこそツアーで来れるようになったものの、少し前までは本当に修験者のみしか訪れない場所だったんだろうと思いました。

温泉と竜とは、あまりイメージが結び付きません。
でも、古来からずっと、山奥の山の上にあるこの秘湯は、絶えることなくこんこんと湧き続け、人々の信仰の対象となっていたと思うと、雄大なアミニズム信仰が今なお根強く残っている我が国を実感します。
慣れない光景にギョッとして、行き先も知らぬまま秘湯の山を登っていく時には、インディ・ジョーンズ気分になりましたが、人智を越えたものこそ、信仰対象にふさわしいものなので、ここは本当に聖地として大切に守られ続けてきた場所なんだと思いました。
日本に、こんなところがあるなんて。すごかったです。
「語るなかれ」という気持ちはよくわかるし、(語ったところで、実際に来ない限りは、伝わらないな)と思う場所です。

御朱印をいただいたら、初めて見開きいっぱいに書いてもらったので、「雄大だわ」と嬉しくなりました。
アッコさんは、おみくじを引いて、見事大吉を当てました!おめでたいわ~!

 

アッコさんが、手水舎から汲んだ水を飲ませてくれました。
とても冷たくて、おいしい!人里からは完全に離れているため、純度の高い水が湧いているのでしょう。
山奥の澄んだ空気を吸い、ミステリアス体験をしたことで、すっかり酔いも収まりました。

 

シャトルバスで下まで降りました。
巨大な大鳥居の前に行ってみます。大きすぎて、写真に収まりきりません。
これまた巨大な草鞋もありました。まさに修験者の修行山です。
いったい何人の人が、どれだけ時間をかけて作ったのでしょう。

   
    

驚くべき体験ができました。これは・・・語れません!
だから文章にしてみました。こんなレアな体験ができるなんて、カンゲキ!

それからまた山をくねくねと下っていきました。
下界はさっきと変わらず存在していたので、ほっとします。
完全に俗世とは閉ざされた世界に行ってきました。

正気に戻るように、玉こんにゃくをいただきました。ぷるっとしていておいしかったです。
お土産店には、乾燥春菊が売られていて、驚きました。
青森出身の親がよく食べているけれど…と、生産地を見みたら、思いっきり青森産でした。
でも、山形県が一番消費するんだそうです。

   

下界の暑さには閉口します。30度越えですが、それでも首都圏とは5度は違うんだそうです。
地面がアスファルトではなく、緑ばかりなので、あのうだるような辛さとは違う暑さを感じました。
東京ではもうとっくに時期が過ぎたアジサイが、いま満開でした。
やはり季節が違うんだなあと思います。
 

○ 蔵王温泉旅館

夕方、まだ日の暮れていない頃に、今晩の宿に到着しました。
蔵王温泉の扇の宿 岡崎屋旅館。古めかしいですが、蔵王温泉自体が開湯1900年と聞いて、ぶっとびました。
古い~!もはや神話の時代~。

 

和室に通されて、ほっとします。
部屋の窓からは、蔵王温泉郷が見渡せました。
さっそく温泉にいこうと思いつつ、そのまま眠ってしまいました。

 

夕食は三元豚しゃぶしゃぶ御膳。これで目を覚まし、食後に温泉に行きました。
宿に入ったとたん、硫黄のにおいに包まれましたが、温泉はさらに硫黄臭が強くなりました。
湯場はさびまくっており、この湯の量を見ると、確かにすぐ錆びてしまうでしょうという感じ。
乳白色の源泉はとても気持ちがよく、アッコさんと旅の疲れを癒しました。

 

温泉は貸し切り状態で、最高。ドッコの湯という露天風呂にも入ってみました。
中の湯よりも温度が低く、夏にはちょうどいい感じ。3人入ればいっぱいになる、小さなスペースです。
明るいために、虫が寄ってくるのか、突然バタバタ…という羽音がして、お湯にセミが飛び込んでしまったため、「7日間の命をあたら無駄にしないで!」と、二人とも素っ裸で救出作戦に励みました。
虫取り編みのような補足長い棒が立てかけてあったので、それで無事救出…してみたら、それはセミではなく蛾でした。あら~。

温泉で大立ち回りをした(?)私たち。部屋に戻って、のんびりくつろぎます。
「リカさん、お酒は飲めないの?」と残念そうなアッコさん。
可愛らしいデザインの「出羽桜 スパークリング日本酒 咲」を少しいただきました。
山形県出身のカーデザイナー、奧山清行氏がデザインしたものだそうです。
麹の味を感じながら、おいしく飲めました。
スパークリング日本酒というのが斬新。飲みやすかったです。

     

山合いの宿のため、WIMAXは全くつながりません。がっかりー。
TVでオリンピック情報が流れる中、アッコさんは仕事をこなし、私は旅日記を書いて、しばらくめいめいにカタカタと端末を動かしていました。
ハタと気付きましたが、部屋には冷房がありません。
スキー客用の大がかりな暖房器具はあるのですが。
扇風機だけで熱い夜をしのいだため、夜中、何度も暑さに目が覚めました。
う~ん、夢でもあつい~。起きたら朝温泉入ろうー、Zzz...
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