風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

十年ぶりの友と会う 1-2

2017-07-11 | 神奈川
その1からの続きです。

● 渋谷の呉服店

ガラス細工店を出てから、イゾルダが「ねえ、最初に来日した時のこと、覚えてる?」と聞いてきました。
「渋谷にある呉服店に連れて行ってもらったわよね。4,5階建ての建物の全フロアで着物を売っていたのよ。
リサイクル着物も売っていて、私、アンティークなものを購入したの」
「え、え~?」
彼女が着物を買ったのは覚えていますが、どのお店でだったかまでは、全く覚えていません。
イゾルダはおそろしいほど冴えた記憶力を持っており、日本での出来事を事細かに覚えています。
でも、思い出せないわー。

呉服店も、そこを目がけて行ったわけではなく、ふらふら歩いていてたまたま入ったんでしょう。
渋谷にそんなにすごい着物ビルディング、あったかしら?
チャコット(バレエ専門店)のビルならあるけれど、まさかそこじゃないだろうし。

一生懸命思い出そうとする私の横で、イゾルダは語り続けます。
「買った着物を次の(ファッション)ショーで使ったら、すごく評判がよかったから、また欲しいと思って。
今回は、ベル(猫)にかつお節、私に着物を買って帰るって決めているの!」

かつお節と着物が同列になっていますが、まあどちらも日本のものですからね。
渋谷のお店はさておき、ここは鎌倉。
イゾルダは「ここでも見つけられるかしら?アレンジするから古着でいいんだけど」と期待に満ちた目で私を見つめます。

うーん、鎌倉は私にとってもちょっとした観光地。
ここで着物を買ったこともないし。
でも、レンタル着物を利用している人は周り中にいるので、きっとリサイクル店もあるはず。

小町通を歩きながら、ネット検索をし始めたところで、さっちゃんが「あー!」と声を上げました。
「見つけたわ!」
指さした先の、2階に続く階段に、一見見過ごしそうなくらいに小さな「きもの」の看板があったのです。
さっちゃん、すばらしいわ!阿吽の共同プレイ!
みんなでいそいそと、2階へ上がってみました。

● アンティーク着物

そこは、きたの屋というアンティークの呉服店で、古い着物を売っていました。



地元の人向けのような優しいお値段に、イゾルダは大喜び。
「前に渋谷で買った時の、半額くらいだわ」
場所柄もあるでしょうし、材質にもよるのでしょうけれど、それほど着物に詳しくないので、テキトウなことは言いません。
ウンウンといって、彼女が猛然と選び出すのを眺めています。



着物と帯を合わせて2着分、選びました。
帯の一本は、普通と少し形が違っています。
「名古屋帯」だと教えてもらいました。
「おたいこを結ぶ時などにいいんですよ」

彼女に説明しましたが、あんまりピンときていない様子。
帯の結び方の名前までは知らないようです。
伝統的な着付けではなく、彼女の感性に沿った、オリジナリティあふれる帯の結び方をするんでしょう。
前の着物をコレクションで使った時の画像を、見せてもらいました。
うん、とってもオリエンタル・ファンタジーでした。(完全に日本の着付けではなかった)



● 一竹の辻が花

お店の人に、着物をたとう紙に入れてもらっている間、レジの近くに飾られていた反物を、イゾルダが撮影。
「それは初代の久保田一竹のものですよ」と、お店の人が教えてくれました。
いっちく?
イゾルダと私がぽかんとしている横で、さっちゃんは
「え、本当ですか?」と興奮した声になっていました。
良心的な価格のお店の中で目を引く68万円のタグに(わあ!)と驚きましたが、「この人の着物は、新品を定価で買うと2、300万はしますよ」とのこと。



さっちゃんは「久保田一竹!!!」と、感激しています。
染色工芸家で、辻が花染の第一人者だそうです。
確かに、吸い込まれそうに美しい辻が花。
「授業で絞りをやったけど、この人のような繊細さはとても出せないのよ」とさっちゃん。
どうやら、本当にすごい方のようですね。
山梨に、美術館もあるそうです。
残念ながら知りませんでしたが、ここで知ったし、以後勉強します!

望みを叶えて幸せそうなイゾルダと、再び小町通へと降りました。
「着物、結構重いでしょう。持つよ」と言っても、「この重みを感じるたびに、幸せを噛みしめるから大丈夫~!」と言って、買った着物を抱えています。
息子にはしっかり一着分持たせていましたが。
そんなに喜んでもらえて、良かったわ。

そして小町通りには、レンタル着物姿の女性が大勢います。
いつの間に、鎌倉は京都のようになったんでしょう。

「見て、彼女たちの着物はポリエステル製でペラペラよ。質がよくないわ」
いい着物を買えたと、すっかりごきげんの彼女。
いまにも歌を歌いながら、踊り出しそうです。

「着物も買えたし、東京に戻る?」
待って、イゾルダ、今はまだ観光の途中。
「グレートブッダはこれからよ」
「そうだったわね」
本当に、芸術家らしい彼女です。

● ポーランドの鯉

さっちゃんにお気に入りの布屋さんを案内してもらいました。
いつもなら興味津々だったでしょうけれど、なんといっても念願の着物を買った直後という間の悪さ。
心ここにあらずと言った状態でした。
どうも「ベルギーよりもお値段が高い」そうです。
フランダースレースなど、レース編みが文化の国では、もっとテキスタイルが身近なのでしょうか。



布屋さんのそばを流れる川には、大きな鯉がたくさん泳いでいました。
「ポーランドではクリスマス休暇に鯉を食べるのよ」とイゾルダ。
「鯉? ターキーじゃないの?」とっても意外です。
「違うのよ、鯉なの」
七面鳥のように、クリスマス当日に食べるのではなく、クリスマス期間中に食べるものだそうです。

「小さい頃、家にやってきた鯉と仲良くなって、名前まで付けてかわいがっていたのに、ある日その子が変わり果てた姿になってテーブルの上に並んでいたから、ショックでショックで。
あれはいまだにトラウマだわ」
わあ、かわいそう。

● サプライズ・ユー

再び鎌倉駅に戻り、今度は江ノ電ホームに入ります。
彼女たちがラッシュ並みの混雑が耐えられるか心配でしたが、平日だったこともあり、殺人的には混んでいませんでした。
それでも長谷駅で降りてからの道は細いため、列を作ってしずしずと歩いて行きます。

高徳院までやってきました。
「じゃーん、これが日本の大仏でーす」
「わあ、すごい!大きいね!こんなの、ベルギーにはないわ!」
「でしょうとも~」

イゾルダもダニエルも、口を開けて「はあ~、これは大きい!」と驚いていました。
「サプライズ・ユー!」できて、よかったわ。



● 大仏の中へ

大勢の人々の間をぬって、ぐるりと大仏の背中側に周りました。
「じゃあ、ブッダの中に入りましょう」
「『マルコビッチの穴』に入るみたい」

私が初めてこの中に入ったのは、小学校低学年くらいでしたが、入場料はずっと価格据え置きの20円!
4人分払っても、100円でおつりがくるんですよ!大仏ばんざい!

大仏の中に入り、出てくる人とすれ違いながら、奥へと進みます。
一昨年、牛久大仏の中に入って『ミクロの決死圏』気分になりましたが、それよりももっと前から、私はここで大仏内探検をしていたことを思い出します。



中には英語の説明もありました。
それを読んで「750年~!? そんな前に、こんな立派なブッダ像を作ったの?」とつぶやくイゾルダ。
「昔はパビリオンの中にあったけれど、その建物が洪水で流されちゃって、今ではブッダだけが残っているの」



● コスモクロック21

着物を抱えているので、今は良くても、あまり歩き回ると疲労が増してしまいます。
鎌倉はこのくらいにして、一路横浜へと向かいました。
乗り換えが楽なように、大船から根岸線に乗り換えます。
「あれ、BASFはもう見えない?」と窓の外を探すダニエル。
「ごめん、ルートを変えちゃった」
あれは戸塚駅のそばでしたからね~。



石川町駅に降りた時はまだ明るく、日も落ちていませんでした。
中華街で夕食を取るつもりですが、まだそんなにおなかが空いていないので、中華街を通り抜けて山下公園に行ってみます。
「横浜は初めて!」と喜ぶ二人。
私が横浜出身なので、地名だけは知っていたからです。

みなとみらいのコスモクロック21を見て、ダニエルが
「あの観覧車、前は世界一だったことがあるんだよね」と言いました。
「よく知ってるね」
「でもロンドン・アイに抜かされちゃったね」
そののち、中国とシンガポールにも抜かれて、今の世界一はラスベガスにあるそうです。

ところで観覧車って、英語で何ていうか、ご存知ですか?
「Ferris wheel」っていうんです。おもしろいですよね。
この言葉、結構発音が難しくて、なんども言ってみました。
フェリス女子大があるので覚えていましたが、言葉としては結構マイナー。
それを実際に使う日が来て、ちょっとカンゲキ~。



● 花と緑のフェスティバル

「横浜って大都市だよね。人口は何人いるの?」
いつも聞かれて詰まる質問です。
「200万?400万だっけ?」
調べてみたら、373万人でした。
外国人に聞くと、必ずすらすらと教えてくれるんですよね。
自分を含めて、日本人はこういった質問に結構疎い気がします。
もうちょっと気にしていないといけませんね。4 million people!

ちょうど今、花と緑のフェスティバル開催中でした。
水の女神像の前でチーズ。
いい感じに「横浜に来たよ!」画像になりました。



● Shot Bar ZORBA

中華街に戻りましたが、まだ夜にはなっていません。
食事の前にカフェに入ろうとしましたが、人がいっぱいだったので
「じゃあ、食事の前にバーに行こう」ということになりました。
あれ、食後じゃなくて?食前酒ってことかな?
そんな習慣がないので、ドキドキします。

「さっき駅から来るときに、良さげな店があった」と彼女。
Windjammer(ウィンドジャマー)じゃないかなと思います。



じゃあそこに行こうと、元来た道を戻って見つけたのは、Shot Bar ZORBAでした。
あれ?おかしいなあ?
さっちゃんと2人で、首をひねります。

おそらく私が道を一本間違えたようです。
でも、どこで間違えたのか、よくわかっていません。
地元民なのに、ガイドできていないわー。
彼女たちは全く気にせず「ここでいいじゃない」というので、中に入りました。

店内には誰もおらず、静か。
イゾルダはウイスキーのコーク割りを注文。
前はワインを飲んでいたイメージなんですが、
「最近はこればっかり。好きなのよ」
あとに残らないのがいいそうです。

● 青タンのわけ

お酒を飲んで、一息ついた彼女。
「この目のアザだけどね、ドライブ中に急ブレーキ踏んだら、反動がすごくて、ハンドルが目に当たっちゃったのよ。
シートベルトをかなりゆるゆるにしていたのも悪かったわ」」
と、教えてくれました。
「えー、目は大丈夫だったの?」
「直接当てたわけじゃないから大丈夫だけど、目の周りの骨を打撲しちゃって。
腫れが引いたら、今度は青くなっちゃって。
これでもずいぶん、色が引いてきたんだけど。どう?」
バーテンさんに気づかれない角度で、そっとサングラスを取って見せてくれます。
薄暗いバーの照明でもわかるほどの、痛々しい青アザ。
でもよく見ると、確かに少し黄色くなってきていました。
「大丈夫、治ってきてるよ」
「そう?この青あざがなくなるまでは、眼鏡なしでは過ごせなくて」

結構危険な思いをしたようで、視力に響かなかったのは、不幸中の幸い。
さらに、事件に巻き込まれたり、暴力を受けたわけではなかった点は、よかったです。
派手な親子喧嘩かなとも思いましたが、ダニエルだってそれなりのダメージを受けるでしょうし、この親子はとても仲が良いので、現実味がなかったので。
理由がわかって、スッキリしました。



ドリンクメニューに「ギリシャビール」とあり、目が吸い寄せられました。
バーテンダーが「マスターがギリシャ人なんです」と教えてくれました。
「この辺りにはギリシャ料理店が何軒かありますね。アテネ、スパルタ、オリンピア」
「そのアテネと同じオーナーなんですよ」

なるほど。よく見れば、フードメニューにはムサカもあります。
「それでゾルバなんですね」
『その男ゾルバ』というギリシャ映画を思い出しました。
まったりと過ごし、そろそろ夜になったかなという頃、「食事に行こうか」と出る段階になって(そういえば、どの店に連れて行こうか考えていなかった)と思い出しました。

● バーテンダーお勧め中華

お世話になったセレブ親子なので、きちんとした重慶飯店や聘珍樓あたりでどうかなと思いますが、先ほど中華街大通りを歩きながら「リカ、メインストリートのお店よりも、路地に入ったところの方が、混んでいないし食べやすいしリーズナブルだから、そっちがいいわ」と言われたばかり。
うーん、どうしよう。
以前通い詰めていた梅蘭は、昔は小さな店だったのに、今では渋谷や立川にまで店舗を増やしており、すっかりメジャーになっています。
もう少し別のところでないかしら。

するとバーテンさんが「本当に路地裏で、あんまり観光者向けじゃなくてもよかったら」という前置きで、北京というお店を教えてくれました。
「ああ、あの善隣門の隣にある?入ったことありますよ」と言ったら、
「あれは北京ダックで有名な北京飯店。あんなに立派なお店じゃありません」
違うお店のようです。

「そこは店構えも小さいし、北京ダックなんてメニューにないし、店のオヤジが頑固なので、女性や外国の方に勧めづらいところはあるんですが、おいしいです。
うちと店長同士が知り合いなんですよ」
(お店同士の交流があるのなら、点も甘めかしら)と思いましたが、「残念ながら、今年の5月に閉店してしまうそうです」と聞いて、興味がわきました。
もう食べられなくなってしまうお店なら、その前に行っておきたいわ。

● 路地で迷う

道を聞きましたが「うまく説明できない」ということで、さっちゃんに場所を調べて道案内してもらうことに。
香港小路を通り、かつての梅蘭一号店の前を通り、関帝廟近くまで来たところで、方向がわからなくなってしまったさっちゃん。
これだけ中華のお店ばかりだと、そりゃごっちゃになりますよね。
私もわからなくなってしまいました。実はお互い、方向音痴なので、ガイド向きじゃないの…。
でもせっかくここまできたからと、2人に関帝廟を見せます。
「さっき行ったのは日本の神社とお寺、そしてこれは中国のお寺」



「ワー、強烈な色」と極彩色に見とれる2人。
「全然違うのね」
「全然違うのよ」

ダニエルがさっちゃんに代わって、グーグルマップでお店を散策。
「すぐ近くだよ」

● 路地裏の北京

探していたお店、北京は、細い路地を入ったところにありました。
紹介してもらったのでなければ、通り過ぎてしまいそう。
小さすぎて、入る勇気もありません。
イゾルダたちの反応はどうかなと思ったら「お勧めなら行きましょう」と、抵抗なく入っていきました。



10人入ればもう座れない、小さなお店。
結構中華街はフラフラ散策していますが、このお店の存在は知りませんでした。
そもそも、この路地を通ったこともないし。
まだまだ未知のチャイナタウンです。





チンチン!ちょっと違うか。



● ユーリンチーとリン・チーリン
  
お勧めは油淋鶏(ユーリンチー)だそう。

「ユーリンチー!香港スターにそういう名前の人、いたよね」と言いましたが、
中国系のスターにも詳しいさっちゃんに「え~、いないよ~」と言われました。
そこで、一生懸命考えます。
「リー・リンチェイかな~」
「それはジェット・リーだよ」
「そうだった!女優さんでいた気がするんだけどなあ」
あとになって思い出しました。
『レッドクリフ』のリン・チーリンでした!
似てる~!
そんなリン・チーリンじゃなくて、リー・リンチェイじゃなくて、ユーリンチーを頼みます。



キクラゲ友の会としては、キクラゲ玉子炒めも外せません。
メニューのキクラゲを指さして、二人に「これ何かわかる?」と聞きましたが、知りませんでした。
「シャンピニョン(キノコ)だよ」と言うと「え、シーウィード(海草)じゃないの?」と、凝視します。
全くピンときていないようでしたが「よくわからないけれど、サラダによさそうね」と言いました。



あとは北京麺と水餃子。
お酒はハイボールがありましたが、「ソーダ割りよりコーク割りがいいわ」というイゾルダの希望を、お店の人は二つ返事でOKしてくれました。



お勧めというだけあって、本当においしいユーリンチー。
キクラゲも、おいしかった~。
2人も、食感を面白がって、食べています。

● 続投決定

おしゃべりしながら食べているうちに、ほかの席も埋まり、気づけば満席の店内。
料理が一段落したのか、調理をしていた店主が奥から出てきました。
「ゾルバでお店を教えてもらった」といったら、ご夫婦ともに「あそこの店長と仲がいいのよ」と言います。
「5月末にお店をたたまれてしまうそうで、残念です」と言うと、微妙な顔で押し黙る二人。
「あの人に言ってなかったかねえ」
「いやね、初めそのつもりでいたんだけど、結構周りから頼まれちゃって、やっぱり続けていくことにしたのよ」
わあ、それは朗報だわ!
2人にも伝えると「オウ、イッツグーッド!」とほおばりながら言うダニエル。

サービスで、杏仁豆腐を出してもらい、お腹いっぱいになりました。



この日はかなり歩いたので、みんなそろそろお疲れモード。
関内から帰ることにして、横浜スタジアムの広場を通って、駅に向かいます。

日本の働く女性は、子育てと平行するのが大変だという話になりました。
「ママさんたちは、働いて得たお金をベビーシッターに払っているんでしょう?それっておかしくない?」
おかしいですよー。

● 送り届ける

関内から有楽町までは一本。
銀座に着くと「ああ、もうわかるよ」とダニエル。
会えなかった初日に、けっこうホテル周辺を散策したようです。

ホテルに到着し、部屋から2人が、お土産をごっそりと持ってきてくれました。
ちなみに私は、ホテルであったタイミングで私、部屋に置いてきてもらっています。
ウォッカにベルギーチョコに、ポーランドの瓶詰ビーツに、そして彼女デザインの服!
「あちこちに穴が開いてるみたいだけど、これはデザインで、別に失敗作じゃないからね!」
「うんうん、ダメージデニムみたいな感じよね」
そうはいっても、これは着こなせなさそう~。
翌日はまたもや私の都合が悪くて、どうしようかと思っていましたが、目下日本に留学中のダニエルの友人と会うことになったそう。
その次の日の再会を約束して、お別れしました。



三越前には、様々な種類の満開の桜。まだ冬の寒さが残る町に、一足先に春がやってきました。

2日目に続きます。

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十年ぶりの友と会う 1-1

2017-07-10 | 神奈川
● prologue(2017.3)

12年前、フランス一人旅の帰りのフライトで隣り合わせになり、空の上で友達になった、ベルギー人のイゾルダ。
彼女は、それから数回来日しましたが、本国での仕事が忙しくなり、ここの所ぱったり来なくなっていました。
今回は、息子を連れての10年ぶりの来日。ずいぶん久しぶりです。
とてもお世話になっているので、全ての予定をキャンセルしてでもおもてなししたい!と思っていましたが、おりしも時は3月下旬。
年度末の忙しさに加え、自分がロジ責任者となった国際会議、さらに家族の入院時期と、彼女たちの来日期間が重なってしまいました。
キャンセルできない、大人の事情ばかり。
残念ながら、滞在中ずっと一緒にはいられませんでした。

彼女は、かねてより一人息子のダニエルをよく日本に連れてきました。
透き通るような肌をした、陶器の人形のようにかわいらしい少年。
最後に会ったのは14歳でしたが、その後大学を卒業し、ポーランドで就職したとのこと。
つまり、母親はベルギー、息子はポーランドから、日本にやってくるのです。
10年ひとむかしと言いますが、長い年月ですよね。再会までドキドキです。

● 十年ぶりの来日



ドバイ観光をしてから来日した2人。
初日から私は都合が悪く、彼らと会えませんでしたが、2人は渋谷に行ったそうです。



プロのファッションデザイナーの彼女は、日本のモードチェックも欠かしません。
これが今年の流行色なのかしら?



クールな自撮り!カッコイイ親子!
ハー、なんかいろいろ違いすぎて、ため息が出ちゃいます。

● 少年が青年に

イゾルダは芸術家なので、繊細で難しいところもありますが、基本明るく華やかな人。
ほかの日本人にも会わせてあげたいと思って、さっちゃんと一緒に行きました。
私はファッションにからきし疎いですが、さっちゃんは服飾の勉強をした人なので、専門的な話がわかりそう。

十年ぶりの再会、やっぱりドキドキします。
彼女たちの宿泊先は、銀座のホテルソラリア。
ロビーで待っていると、大柄の青年がやってきました。
「ハイ、久しぶりだね!」
「ダニエル!?」
子供の頃と変わらぬキス&ハグの挨拶をしましたが、すっかり大きく成長した姿にめんくらいます。
「身長は180cm。もっと大きい人もいるよ」

男の子だし、背は伸びるだろうと思ってはいましたが、記憶の中の少年は、かわいい14歳のままなので、いきなり時を越えてやってきた実物との差に呆然。
すっかり低くなった声が、頭の上から降ってきます。

「イゾルダはおめかし中だから、待ってて」
「はーい」
いつものことなので、気にしません。
彼とお喋りしながら待つこと数分。彼女がやってきました。
「久しぶり~~!!」
お互い歓声をあげて、キス&ハグ。
彼女は全く変わっていません。でも前まで金髪だったのが黒髪に変わっていたので、すっかり変わったようにも見えます。

ひとしきりハグし終わってから「私の目を見ても、何も言わないで」と言われました。
薄暗がりのラウンジではわかりませんでしたが、明るいところへ出ると、彼女の左目に青あざができていることがわかりました。
えー、どうしたのー?
びっくりしましたが、本人に聞かないでと言われている以上は、何も聞けません。
そのため、彼女は大きな女優メガネをかけていました。

● サプライズ・ミー!

「いろいろ考えたけれど、まず希望を聞くわー。どこに行きたい?」
イゾルダに聞いても「どこでもいいわよ」なので、ダニエルに聞きました。
「じゃあ、僕を驚かせてよ」
10年ぶりの再会にしては、ハードル高いリクエストだわー。
驚かせるといったら、やっぱりアレしかありませんよね。
日本が誇る、グレード・ブッダ、大仏です!

ということで「カマクラに行きまーす」と宣言。
「なにがあるの?」とイゾルダ。
「テンプル(お寺)」
「前に行ったよね」
「え、どこだっけ?」
「とっても混んでて、赤い門があって」
「それはアサクサね!そこよりもっと遠いよ」

● 静かだから眠れる

東銀座から新橋経由で鎌倉へ向かいます。
電車に1時間乗っていくと聞いて、「え・・・?」と若干固まる2人。
普段、そんなに電車に乗ることはないんでしょうね。


辺りを見回して「電車の中、静かだね」とひそひそ話してくる二人。
「ベルギーもポーランドも、みんな大声でしゃべってて、すごくうるさいよ」
「目の前の人が寝てる!」
「日本の治安はすごくいいけど、それより先に、眠れるくらい電車の中が静かだってことよね」
そうかあ、その発想はなかったわ。



揺れる電車の中で、さっちゃんが手早く、これから行く鎌倉の地図を描いて、彼らに見せてあげていました。
やっぱり服飾をやった人は、パターン起こしもお手のものなのね?
(「違うよ!」とさっちゃん。いやいやそんなあ~)

● かつお節はマスト

「今回、ベルへの御土産を忘れないようにしないといけないの」
ベルというのは、彼らの飼いネコです。血統書つきのシャム。
「ベルはすぐに外に出たがるから、散歩させてるんだよ」
ん?散歩させてる?
「ほら」
見せてくれた写真には、猫に紐をつけて散歩中のダニエルの姿が。
「えー、なにやってるのー?」
ウサギのお散歩、うさんぽなら見たことがありますが、ねこのおさんぽは見たことありませんよ!

「前にお土産に持ってきてくれた、あの薄いのなに?ベルが見たこともないほど興奮して」
彼らの家に遊びに行った時、ベルのために、かつお節を持っていったのでした。
もともとは(海外の猫もかつお節が好きか?)を確かめたいと思ったからです。
見慣れぬ物体を前に、はじめは警戒していたベルですが、すぐに匂いに反応して、フガフガ言いながら鼻を突っ込んで、そこから離れなくなりました。
猫の好みって、世界共通なんですね~。

ねこまんまがデフォルトだった日本。
今では、かつお節を与えすぎるのは良くないと言われていますが、遠いヨーロッパではそんなにかつお節も出回っていないでしょうから、あげすぎることはないでしょう。

● 言い負かされる

4か月前にバルト三国を旅行した私。
隣国とは全く思わず(そもそもバルト三国がどこにあるのかよくわかってなかった)、フンフンと旅の写真をSNSにアップしたら、普段は静かなダニエルから「なんで?」と反応がありました。
そして今回、面と向かっても、やっぱり物言いがつきました。
「リカ、この前リトアニアまで来ておいて、ポーランドに来なかったよねー」
ああ、責められる…。

「うちの息子、おかんむりよ」とイゾルダも加勢します。
「そうだよ、なんでリトアニアなんだよ」
なぜと言われても~。
「ポーランドの方が絶対にいい国だよ!」
「あ、はい・・・」

そして再び言われました。
「リカ、君だってわかるだろ、たとえば僕が韓国に遊びに行って、日本を素通りして帰るとわかったら、ムッとするだろ?」
むむ、それは確かに、一言言わねばなりますまい!
「そういうことだよ」
ぐうの音も出ません…10年前はあどけない少年だったのに(もういい)

● 日本料理店の思い出

そんなわけで「ポーランド、興味がないわけじゃないのよ」アピールをしようと、東京でポーランド料理が食べられるお店を探してみました。
世界中の味が集まる東京ですから、お茶の子さいさいでしょう。
ところが、いくら探しても、都内にポーランド料理の専門店は見つけられませんでした。
かつて茅場町に「ポルスカ」というお店があったようですが、閉店したそうです。
ポーランド好きをアピールできなかった・・・。

ちなみに、ベルギー滞在中に、イゾルダに日本料理店に連れて行ってもらったことがあります。
これが、外観も内装も食事も、日本らしさ皆無のお店でした。
入店すると、ピカピカのハッピを着るよう渡されます。
私たちは遠慮しましたが、ほかのお客さんは、みんなブリリアントなお祭り姿になっていました。

カウンターの前のアジアンな料理人は、ストイックに包丁を刻んでいるかと思いきや、突然ソルトやペッパーのジャグリングを始めたりする、超謎の展開。
あまりに理解を越えていて、妙なテンションが上がりました。

そして日本語で話しかけてみても、スタッフのだれ一人、私の言葉がわかる人はいませんでした!
地方だから日本人は来ないかと思ったのかしら~。マルサの女になった気分でしたよ!
イゾルダは、本格的な和風料理店に連れて行ってくれたつもりだったようで、がっかりしていましたが、
私はそんなビックリ体験をさせてくれた彼女に、今でもとっても感謝しています!

● BASF

ITの勉強をしたダニエルは、ポーランドの富士通に就職したと聞きました。
就職したての彼に「おめでとう!じゃあ出張で日本に来られるんじゃない?」と伝えたら、
「うーん、出張はなさそう。年に一度、特別業績を上げた社員をご褒美に日本本社へ連れて行く制度はあるけれど、ほんの数名だし年配の人ばかりだから、自分はまずないなあ」
と言っていました。
今回、「最近転職したんだ」と言われました。
「どこに?」「BASF」
「え?」「BASF」
聞き直しても、よくわかりません。
「ビーエーエスエフ、バスフ。」
こ、これは覚えづらいわ・・・!

世界最大の総合化学メーカーだそうです。
ドイツの企業って詳しくないんですよね。
「ごめんね、Bで始まる会社といったらBMWとboschくらいしか知らないわー」



と言っていたら、車窓の建物に、その文字が見えました!!
「あれ、いまの、そう?」
「うわ、日本にも会社があるんだね!」
まさかの偶然にビックリして、大笑い。

● 鎌倉のティーンズ



鎌倉に着きました。
まずは小町通を通って八幡宮へ向かいます。
すごい人です。平日ですが、ティーンズが多いのは、春休みに入っているからでしょう。



なんだかここのところ、レンタル着物姿で街を歩いている女性が多いなあと思います。
インスタグラム映えするからでしょうか。

● トンビの襲撃

小町通には、食べ歩きをしている人もたくさん。
みんなの歩調に合わせてゆっくり歩いて行くと、クレープを食べながら前を歩いている女の子たちめがけて、背後からトンビが急降下してきました。
バサバサッと耳元で大きな羽音がします。



(ええっ?)と思っている瞬間に、とんびはクレープめがけて突進していきます。
驚いた女の子が、手からクレープを落としたため、奪還は失敗に終わり、トンビはそのままのスピードで空に急上昇していきました。
大きな翼。人をさらっていけそうな、ガニュメデースを誘拐したワシかと思いました。

背後から襲われた女性グループは、立ち尽くして呆然としています。
びっくりしたでしょうね。
湘南や、みなとみらいにも、「とんびに注意」表示は出ていますし、「おにぎりを取られた」系の話は友人などから聞いたりしますが、その瞬間を間近で見たのはこれが初めてでした。



「・・・見た?今の」「こわいね~」
間近で見てしまった私たちもビクビク。
グッと小ぶりなカラスを見ただけでも、4人で「うわっ」とおびえてしまいます。

● ジャパニーズ・カップル

そんなこんなで小町通を抜けて、八幡宮へ。
いつ来ても、ここは混んでいます。
鳥居の前に来て、(あっ)と思いました。
「そういえば2人はクリスチャンだった。そしてここって宗教施設だったわ」



「日本では、宗教というよりはもう文化に根差しているもの」と説明します。
抵抗なさそうだったので、おまいりすることに。

神橋の前で「ここは神様だけが通る橋」と説明します。
「じゃあここで」と、その前で記念撮影。
さっちゃんが「前は通れたんだけどね」と言いますが、そこまで説明するとややこしくなるため、日本語が通じる2人だけの話に。

イゾルダが撮った一枚。
私もこのカップルに目を向けたものの、特にカメラを向けようとは思いませんでした。
でもこのショットを見たら、プレシャス感のある、美しいものに仕上がっていました。
すてき。やっぱり外国の人の感性は違うんですね~。



拝殿へと向かうイゾルダ。



神輿の美しさに心奪われた様子で、見入っていました。

● 海老天そば

そろそろランチを取ることに。
「大通りじゃない店がいい」「海老天を食べたい」「蕎麦でもいい」というイゾルダの希望を叶えるべく、さっちゃんと2人でネットサーチをしたり、キョロキョロ探したりします。
なかなか思うような場所がなくて苦戦していたところ、若宮大路にあった看板に目が留まりました。
「あ、海老天そばだ」
美水(みすい)というお店に行ってみると、10人ほどの行列ができていました。
「もうすぐあきますよ」とおかみさんに言われた通り、10分弱で入れました。



自家製麺と無添加本格京風だしを提供しているお店。
ダニエルは安心御膳、イゾルダはもちろん海老天の絶好調御膳。
さっちゃんはイケてる御膳。



絶好調にイケてる御膳って!
みんなの御膳をチェックしていたら、自分は何を頼んだのか、忘れちゃいました。

● ガラスのブタ

おなかいっぱいになって、小町通に戻ります。
「さっき通りがかりに見たガラス細工店で、お土産を買いたいな」

観光地には、かわいいガラス細工のお店がよくあります。
私たちはけっこう馴染みがありますが、ガラス細工って海外にはないのかしら?



2人が選んだのは、この5円玉を持つブタ。
かわいいけど、なぜこのチョイス(笑)?



その2に続きます。


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市場とカフェと教会へ index

2017-06-20 | 神奈川
[2017.1.28]

◆ 横浜 1 ←旅行記へ
 友人と横浜駅の周辺をぷらぷら散策。地元なのに何度も道に迷ってしまいました。
 小さな神奈川駅から魚市場に向かいます。
 ぽつんと離れた職員用食堂でコスパのいい新鮮ランチを取りました。
  ● prologue ● 東・白楽、神奈川・新町そして仲木戸 ● 洲崎大神
  ● 君に届け用紙 ● 横浜市中央卸売市場 ● 厚生食堂
  ● 市場の穴場 ● うらしまでんせつ



◆ 横浜 2
 恩師の眠る教会へ向かったつもりが、着いたのはツリーカフェ。
 そして訪れた教会に墓地はありませんでした。アレ?
 それでも、横浜駅近くで知らない発見ができた、楽しい一日でした。
  ● 市場から教会へ ● なんじゃもんじゃ ● ツリーカフェ
  ● どうそじん ● 聖アンデレ教会 ● 墓地はどこ
  ● 町の掲示板 ● ティータイム ● epilogue




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市場とカフェと教会へ 2

2017-06-20 | 神奈川
その1からの続きです。

● 市場から教会へ

魚市場を出てから、反町駅を通り越し、三ツ沢下町方面へと向かいました。
次に目指すのは、恩師の眠る教会です。
私たちの音楽の先生で、部活の顧問でもあった、高橋先生。
俳優の高橋克典さんのご尊父です。
大変お世話になりましたが、お亡くなりになった時に、お別れの会に参列できなかったことが、ずっと気になっていました。
参列したさっちゃんは、教会に行ったことがあるので、道案内に頼れそう。
市場から教会までは歩いて30分ほどなので、腹ごなしに散歩します。

● なんじゃもんじゃ

バス通りを歩いていくうちに(あれ、この道でよかったかな?)と迷いだしました。
周辺のGoogle Mapをプリントしてきましたが、ざっくりしていて、細かい道がよくわかりません。
スマホの地図検索をしたさっちゃんに教えてもらいながら、くねくねと坂を上っていきます。

「結構な坂なんだねー」
「この細道をずっと行ったところにあるよ」
わかりにくい、人しか通れないような道を進んでいくと、行列ができていました。
まさかとは思うけれど、先生の追っかけ?



違いました。そばには緑の巨木があり、うっそうとした枝の向こうに小屋が見えます。
ここは、なんじゃもんじゃカフェでした。



● ツリーカフェ

教会を訪れた後に、ここでお茶したいなと思っていましたが、さっちゃん、うっかり教会ではなくカフェへの行き方を検索してくれたよう。
お互いこの日は間違えるわね~。まあ似た者同士が友だちになるものですからね!
順番が多少違ったとはいえ、来る予定の場所だったので、モウマンタイです。



木の上にある素敵なカフェ。結構わかりづらい場所にありますが、すでに20人くらいの人たちが並んで待っていました。
リラクシングカフェですから、回転率は高くなさそう。
ということで、今回はあきらめました。

カフェから教会へ向かう道を調べます。
いったん山を下りて、谷にある地下鉄・三ツ沢上町駅を超え、隣の山に上ることに。
山から山へ。アルプスの崖で暮らす野生のヤギの気分です。
みなさーん、横浜って実は山がちなんですよ~。

● どうそじん

三ッ沢下町まで降り、交差点を渡って、急坂を上りかけたあたりに、小さな祠を見つけました。
のぞいてみると、2体の像が彫られていました。

2人でしげしげと眺めます。
「双体道祖神かな?」「うーん、ちょっと違うみたい」
目を凝らすと、右は文殊菩薩、左は地蔵菩薩と書いてありました。



さっちゃんが「私、アマゾンで『神奈川の道祖神』っていう本を頼んでいて、今日届く予定なんだ」とおもむろに言い出しました。
「ええっ?」
突然の話にバランスを崩して、急坂の傾斜にのけぞりそうになります。
マニアックな本を注文したのねー!

「上下巻になっているのよー!」とさらに畳みかける彼女。
「ほんとに~?」

道祖神は、長野の安曇野にたくさんあるイメージですが、神奈川県内にも上下巻本になるほどあるんですねー。

こちらが、さっちゃんがゲットした道祖神の本。
神奈川新聞社の発刊でした。
この本を読んで、県の道祖神を極めてねー!

 


祠の横にある急坂をうんうん言いながら登ります。
「前に来た時、この道を通ったのか、ちっとも覚えていないなあ」とさっちゃん。
「あの時は夜だったし、道を知っている人についていったから、記憶もおぼろになっちゃって...」
そんなものですよね。

● 聖アンデレ教会 

坂を上って道を曲がると、間近に教会の尖塔が見えました。
白い教会の塔が、青い空に向かってまっすぐ伸びています。
ここが、日本聖公会横浜教区横浜聖アンデレ教会でした。



恩師の眠る場所について、教会の人に聞こうと思いましたが、控え所はもぬけのから。
声をかけてみても、反応がありません。それどころか、人け自体がありません。



礼拝堂に入ると、讃美歌の練習が行われていました。
皆さん、ここに集合しているのでしょう。



澄んだ歌声が響き渡ります。
この教会のパイプオルガンは横浜で一番古いそうです。



熱心に練習をしている最中だったので、声をかけるのははばかられました。
ぐるっと敷地内を巡ってみたところ、どうやら教会に墓地は併設されていないようでした。

● 墓地はどこ

結局、教会の人に声をかけることはせず、そのままそっと立ち去りました。
この教会にないのなら、先生のお墓はどこにあるのかしら。
知っていそうな先輩に聞いてみることにしようっと。
(あとで、違う教会墓地に眠っていると教えてもらいました)

急坂を上ったり下りたりしたので、アキレス腱がくたびれてしまい、なるべく平たんな道を選んでいきます。
車道沿いを、横浜駅方面に向かいながら、カフェを探して行きました。

● 町の掲示板

歩いている時に、掲示板で見かけた気になる告知。
その1は、酉の切り絵で作った、新年のご挨拶。
今年の干支ですからね。
熊野牛王符みたい。かわいいな。



その2は、おやじカフェの店員募集広告。
不思議なビラを見つけました。踊って給仕をするオヤジ募集中?
立ち止まって二度見しましたが、やはり見間違いではありません。
おやじダンサーズみたいな人たちが、出迎えてくれるカフェなんでしょうか。
うーん、気になる~。



● ティータイム

さきほどのツリーカフェに、長蛇の列で入れなかったので、ほかのカフェを探しながら歩いていたら、見つけられないまま、横浜駅に着きました。
ここまで来てしまえば、カフェはどっさりあります。
西口から東口に移動し、歩行者デッキを渡ってベイクォーターへ向かいました。



ガラス張りのfrenchna(フレンチーナ)に入ります。
ツリーカフェほどではありませんが、外がよく見えてなかなか開放感がありました。



チーズケーキと紅茶でティータイム。



この前、大相撲の千秋楽に行ってきたスー女のさっちゃんから、お土産をいただきました。
「こけしあられ」の力士版。「土俵入りあられ」というそうです。
カラフルな化粧まわしがすてき。どすこい!



たくさんお喋りをして、帰るころにはすっかり日が暮れていました。
夜のベイクォーターはいつ見てもロマンチック。
横浜駅で解散しました。



● epilogue

今回は私プリゼンツの、ゆるい地元散策デー。
市場で食事はできたものの、教会でお墓参りはできず、ツリーカフェには入れずじまい。
よく考えれば、予定と違う「アレ~?」な結果でしたが、行くこと自体が楽しかったので、満足しました。
気軽に再チャレンジできるので、あんまり残念な気持ちにはならないのが、近場のいいところですね。

近所だとあまり新鮮さを感じませんが、この辺りは横浜でも私たちが知らない場所だったので、ワクワク探検気分になれた一日でした。


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市場とカフェと教会へ 1

2017-06-19 | 神奈川
● prologue

友人さっちゃんと、近場の横浜で会うことにしました。
平日の夜と休日、どっちにしようかという話になったので、
「休日にしない?行ってみたい場所があるから、付き合ってもらえない?」と頼んだ私。

気になっているところは3箇所。市場と教会、そしてツリーカフェです。
どこも横浜駅から電車で1~2駅の距離なので、歩いて巡ることにしました。

この日の移動ルートマップを載せました。
ピンクのラインが歩いたところ。
地元だから気楽~!とのんきに構えていたら、何回も道に迷ってしまいました。(赤丸は間違えた駅)
今回は赤い印、その2では青い印の場所を訪ねています。



● 東・白楽、神奈川・新町そして仲木戸

当日は、散策日和のとてもいい天気。
待ち合わせは、市場最寄りの「神奈川駅」の改札で。
地図を見て、東横線の反町駅から歩いて行けることを確認したのに、人波につられたのか、ボーっとしていたのか、なぜかひと駅前の「東白楽駅」で降りてしまった私。[トラップその1]
慌ててもうひと駅乗って「反町駅」へ。

反町公園を通って、東へ歩いていきます。
JR東神奈川駅の隣にある京急の駅に行けばいいのね。
着いてみると、そこは私が思っていた「神奈川駅」ではなく、「仲木戸駅」でした。[トラップその2]



え?どうして?駅名を見て呆然とします。
「東神奈川駅」のそばの駅は「神奈川駅」だと思った、単なる自分のカン違いでした。
待ち合わせ時間が近づいていたので、大慌てで隣の駅まで一駅乗って行きました。

顔を合わせるまでに2回も駅を間違えてしまうなんて。
割とおなじみのエリアなのに。
キツネかタヌキにからかわれたとしか思えません。

初めはたぶん「東神奈川駅」のことを考えていたので、東つながりの「東白楽駅」で降りてしまったんでしょう。
そして仲木戸駅は「東・神奈川駅」「神奈川駅」「神奈川・新町駅」という3つのまぎらわしい駅に囲まれている、魔のトライアングル地帯。
紫ラインを引いた駅です。

ふだんうろ覚えなのが、こういう時にばれてしまいます。
でもこれは間違えますよね!(自己正当化)



神奈川駅の改札は、マシンも通路も細くてスリム!
そこを抜けて曲がったところに、さっちゃんが待っていてくれました。



ふー、お待たせしました!
この駅に降りたのは、まだほんの数回目。
横浜駅の隣駅なのに、ビックリするくらい小さな駅です。

● 洲崎大神



歩いて行く途中に、大きな白い神明鳥居のある神社の前を通りました。
洲崎大神(すさきおおかみ)という社標が立っています。

「洲崎神社」といったら、房総半島にある安房国の一ノ宮。
二つある安房国の一ノ宮のうち、源頼朝がもう一つの「安房神社」をここに勧請して、「洲崎大神」としたそうです。
ちょっとややこしいですが、頼朝の戦勝守り神が祀られています。



狛犬に近寄ってみましたが、まだ新しい最近のものでした。
でも、その横にこんもりとした獅子山を発見。



いいものをみられました。ホクホク。

● 君に届け用紙

ふと、ビルの前で足を停めました。
そこにあったのは、「届け用紙」という立て看板。



「届け用紙」って、届出用紙のことですよね。
でも私にとってはなじみがない言葉。『君に届け』しか思い出せません。



ひらがなが混ざると、とたんにやさしいイメージになりますね。
甘酸っぱい青春気分になって、看板を見つめました。

● 横浜市中央卸売市場

国道1号を横切って海の方へ行くと、市場の大きな建物が見えてきます。
ここは横浜市中央卸売市場。魚だけでなく、青果、鳥肉、鶏卵など、いろいろなものを取り扱っています。



「横浜食文化の一丁目一番地へ」と書いてあります。
ちなみにここの住所は、「横浜市神奈川区山内町1-1」。
山内町はほぼすべてがこの市場になっている、人口は0人の町なので、確かに食文化と言い換えちゃっても間違いないようです!



私たちは水産物部の建物入り口へ。
「関係者以外立ち入り禁止」の看板がいくつか立ってあるので(呼び止められるかしら)とちょっとたじろぎますが、ここでひるんではいけません。
私たちだって、ここの魚を食べに来た、関係者なんですから(!?)



一般人らしい姿が見えたので、そちらに行ってみると、ちょっとした食事処のアーケード街になっており、どのお店にも行列ができていました。
お昼どきだからでしょう。
並んでいるのは職員ではなく、私たちのように外から来た人ばかりのようです。
よかった、中に入っても大丈夫そうです。



● 厚生食堂

アーケード街から一旦入り口まで戻り、反対側に曲がって、一つぽつんと離れた厚生食堂へと向かいました。
もしかして、あのイベント特設会場のような場所?



「営業中」とのぼりが経っていなければ、気が付かずに通り過ぎてしまいそうな、道路下の目立たなさ。
若干罰ゲームめいていて、ちょっと勇気がいるテーブルとイス…。



あきらかに市場の従業員のための食堂。
寒いけれど外でいただきます。

● 市場の穴場

頼んだのは海鮮丼。さっちゃんは鮪の山かけ丼。
カニ脚のお味噌汁つきです。
千円以下でこのランチ。おいし~い!
画像からはあまり伝わってきませんが、切り身が厚くてとろっとろでした。



寒さを忘れて美味しさに震えます。
「近場でこんなにおいしいお魚を食べられるなんて、北海道まで行かなくてもいいね!」
やっぱり市場はいいですね~。



おいしくいただいて、満腹になって、すっかり満足。
食後は、先ほどの人が並んでいるアーケード街の方に行ってみました。
こちらにも千円以下のメニューが並びます。さすがは市場です。

築地市場は、もはや観光地化しており、どこもなかなかのお値段で(コレジャナイ感)をひしひしと感じていたので。
こういう企画に喜んで乗ってくれるさっちゃんは、本当にナイスな友人です。



敷地内には、伏見市場稲荷大神がありました。
伏見大社から市場に勧請したお稲荷さんのようです。
お稲荷さんは農耕の神様ですが、この辺りでは漁師にも支えられたのでしょう。
近くには、伏見大漁稲荷神社もあるようです。名前が似ていてまちがえそう。

● うらしまでんせつ

魚河岸を出て、道路を歩いていると、等間隔で並んでいる車止めのポールの亀が目に入りました。



「これ、亀なの。なぜかというとね…」
説明するために、お寺に立ち寄りました。



ここは浦島伝説に彩られた浦島寺。
ちなみにこの辺りは浦島という地名です。
最近御朱印帳を買って、御朱印集めを始めたばかりのさっちゃんにガイドします。
「ここのご本尊は、カメに乗っているのよ~」
目黒にあるタコ薬師はタコに乗っていませんが、ここは裏切りません。
普段は非公開で、見られませんが。



でも手水舎そのものが亀!浦島伝説にのっとっています。
さっちゃんも大喜びでした。

その2に続きます。


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