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プロメテア 1

2015-12-23 | 漫画
18世紀の詩、パルプ小説、新聞連載コミック、そしてコミックブック・・・
それらすべてに現れる「プロメテア」。
その存在に興味を持ち、レポートに書こうとした女子大生、ソフィー・バンクスは
プロメテアのコミックを書いていたライターの妻を訪ねた帰りに、謎の怪物に襲われます。
絶体絶命の彼女の前に現れたのは、その「プロメテア」でした。

「バットマン:キリングジョーク」、「ウォッチメン」、「フロム・ヘル」、
リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」、
スワンプシング」、「トップ10」、「スーパーマン:ラスト・エピソード」、
「V・フォー・ヴェンデッタ」、「ミラクルマン」、「スポーン:ブラッドフュード」・・・
数々の「名作」で知られるアラン・ムーアには
「魔術師になりたい」という願いがあり、魔術について深く学んでいました。
その魔術知識というかムーアなりの魔術体系をコミックという形にするとともに
「想像力」というものの持つ力についての物語として語られたのがこの作品であります。

古き神の力によって神話と空想の世界へと導かれた生ける物語、プロメテア。
想像力と熱意により、物語るもの自らを、もしくはそのモデルを変貌させてしまう存在であり
その新たな宿主となったソフィーは己の身を護り、己自身を知るために
「想像力」を、そして「魔法」を学んでいくことになります。

今までのプロメテアの宿主たちの辿った人生の物語から学ぶ世界の構造、
セックスというかたちで教えられる「生命の樹」、
そして宇宙のなりたちを示すトート・タロット。

悪魔などとの戦いはあるものの、それはストーリーの主題ではなく
魔法というフィルターを通して世界を、そして「想像力」を語ること、が
この物語の主題であるように思います。

この1巻が出て1年半、2巻が出るという話を聞きませんし
他社からのムーア作品邦訳が発売間際に発売中止になる現状
(「ネオノミコン」、ムーア×クトゥルーという鉄板の組み合わせですし
どこか拾いませんかね・・・邦訳海外コミック出版社も増えたし・・・)
2巻が出るのか?に正直不安になる気持ちは隠せませんが、
「ムーアが本当に書きたかった物語」の一つがこの作品であると思うので
なんとか無事完結まで邦訳が続いてほしいものです。
(「ウォッチメン」同様、巻末解説の存在に本当に助けられるタイトルなので・・・)

プロメテア 1

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