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グレイソン

2016-06-04 | 漫画
「ディック、隠れろと言ってるわけじゃない。
 正体がバレたことを逆に利用するんだ」
「この任務はもっとも危険なものになるだろう」

両親を失ったときにバットマンに拾われ、そのサイドキック・ロビンとしてデビュー。
長じてバットマンの庇護を離れ、ナイトウィングとして活躍。
一時はバットマンの代理も務めていた男、ディック・グレイソン。

フォーエバー・イービル」でクライム・シンジケートに捕まり、
衆人の前で正体を暴かれ、死なないと脱出できない装置に囚われた彼は
世間的には死んだもの、と思われておりました・・・

しかし、彼は生きていました。
・・・でも、もうヒーローとしての活動はできません。
そこでバットマンが考えたのが、「死んでいる」という立場を利用し、
危険な潜入任務にディックを向かわせること、でした。

秘密組織スパイラル。
地上すべてのヒーローたちの素性を暴こうとする一方で、
脅威の力を持つ、死せる神パラゴンの内臓を集めているスパイ組織。
謎のリーダー、ミスター・ミノスによって率いられるこの組織に
「エージェント37」として潜入することに成功したディック。

神の内臓を巡り、己の流儀を貫きつつもスパイとして活動しつつ
組織についての報告を”マローン”ことバットマンに行う日々。
はたしてその行く手には何が待つのか・・・?


バットマンmeetsミッション・インポッシブル、という形容が似合う
各話ごとに趣向を凝らしたストーリーが楽しめるスパイアクションなのですが
(潜入している女子スパイ養成校で女生徒に”イケメン狩り”されるシーンも・・・)
今回の邦訳版で注目して欲しいのは6話目に収録されている「ただ一つの死に場所」。
これは「フューチャーズ・エンド」という
「5年後の未来」を舞台にしたイベントの1タイトルであり
平行世界からの襲撃、戦争を経た世界でヒーローはどう変わったか・・・という
そんな内容となっているわけですが、「グレイソン」においては
時間を1ページごとに遡るという形式で、読み進めるごとに仕掛けに気がつくという
まるで「ウォッチメン」のようなギミックを持っている作品となっています。
まずは普通に、つぎは時系列順に、そしてもう一度最初から読めば
この作品の「仕掛け」に気がつく・・・かも。

先ごろアメリカで発売された#20で完結したこのタイトル。
再びナイトウィングとなったディックの活躍も楽しみですが、
ぜひ日本でも完結までの邦訳を実現していただきたいものです。

(実はこれ紹介したさに「アトランティスの進撃」から紹介してたのですw)

グレイソン

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