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不定期連載「このアメコミ復刊して!」第5回:アストロシティ

2010-06-29 | 漫画
久しぶりのこのコーナー、今回のお題は「アストロシティ」です。

前回紹介した「マーヴルズ」はマーベルコミックの世界における
一般市民とヒーローたちの関係性のストーリーでしたが、
このタイトルは架空の町「アストロシティ」とそこで活躍するヒーロー、
そしてそこで生活する市民たちの生活を切り取った作品となっています。
(クリエイターも「マーヴルズ」のカート・ビュシークとアレックス・ロスが中心です)

「マーヴルズ」がマーベルコミックのキャラクターと歴史の中で
そこに巻き込まれていく一般市民の物語であったのに対し、
こちらはすべてがオリジナルの(でも、どこかで見たことがある感じの)
ヒーローたちと、そのヒーローたちをひとつの風景として捉え、
時に賞賛し、ときに排斥し、そして事件に巻き込まれる市民たちの
それぞれの視点から描かれています。

そしてオリジナルの世界であるものの、そこには語られていない長い歴史や
さまざまな事件が用意されており、それがいつか語られるときが来るのでは
(特に「70年代のあの事件」とは?)と楽しみになるような作品です。

邦訳は2冊出ておりますが、ともに絶版です。

1冊目「ライフ・イン・ザ・ビッグシティ」はこの世界の説明と
この世界の『スーパーマン』であるサマリタンの日常、
さらにはひそかに地球を偵察に来ていた宇宙人の視点や
偶然にヒーローの正体を知ってしまったチンピラ、
この町の闇の地区で暮らす女性の物語などがオムニバスで描かれています。

続く「コンフェッション」は簡単に描いてしまえば
ロビンの視点から描かれたバットマンの話であるわけですが
「ヒーローであるということ」や「ヒーローの存在価値」
また、この世界における「ヒーローのなり方」みたいなものにも
触れられたりという長編となっております。

「アメコミ」というものの一般的イメージをおさえながらも、
それだけに留まらないすこし違う世界の「日常」を垣間見せてくれる
案外日本人が最初に読むアメコミに向いた作品なのかもしれません。

もちろん本国では続巻がありますので、
それを含めた復刻をお願いしたいところです。

復刊リクエストはこちらにどうぞ

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