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バットマン:ザ・ラスト・エピソード

2010-05-27 | 漫画
物語の始まりがあるところ、かならず終わりが訪れます。
「未完」というのもあるのですが、それもまたひとつの終わりの形として。

「バットマン」の物語の終わり、として有名なのは
フランク・ミラーの筆による「ダークナイト・リターンズ」でしょう。
年老いたブルース・ウェインの戦いへの復帰と、
バットマンの死を描いたこの作品は
ティム・バートンの映画1作目を初めとして、多くの影響を
後のコミック界に与えた作品でした。

この作品と同時期(「クライシス」によるDCユニバースリセット直前の時期)に
アラン・ムーアによって書かれたのが
スーパーマンの最終回「WHATEVER HAPPENED TO THE MAN OF TOMORROW?」でした。
スーパーマンが姿を消して10年後、その最後の事件で何が起こったのか、を
描いたこの作品は、スーパーマンストーリーの最高傑作のひとつに数えられています。

時は流れ、2009年。
映画「ダークナイト」の記録的なヒットはありましたが、
「バットマン」というシリーズを仕切りなおすために
DCコミックスはイベント「BATMAN:R.I.P」、「ファイナル・クライシス」を経て
ブルース・ウェインを一時退場させることになりました。
以前にも「KNIGHTFALL」イベントでベインに背骨を折られて退場したり
数回のバットマン職一時交代はあったのですが。

そして、前述のスーパーマン最終回に倣う形でのバットマン最終回・・・
「WHATEVER HAPPENED TO THE CAPED CRUSADER?」が
アラン・ムーアの親友である
ニール・ゲイマンの筆によって書かれることになりました。
「サンドマン」などで高い評価を得てきたわけですが、
現在はコミックの世界を離れ、主に小説の世界で活躍する彼が
(「コララインとボタンの魔女」「スターダスト」などの映画化作品もありますね)
この「バットマンの最終回」という題材をどう料理するのか?が
注目を浴びる形になりました。

そして、ゲイマンが用意したバットマンの最終回は・・・
バットマンは永遠に生き続けるヒーローだから、
その最終回としては「引退」ではなく「死」以外にありえない、と
永遠のヒーロー・バットマンの「葬式」を描くことになったわけです。

かつての友人や敵たちが集まったのは、
バットマン始まりの地・クライムアレイにあるバーの一角。
そこで語られるバットマンの死は、年代も内容もばらばらで・・・

メタフィクション的な構造を持つ物語でもありますが
それだけに永遠のヒーローであるバットマンの最後の物語として
ふさわしい作品であるとも思えます。
(ある意味最初の物語、ともいえる?)

同時に収録された、ゲイマンによるバットマン短編作品も
いかにも彼らしい若干ひねった視点から描かれる作品となっておりますので
「アメコミなんて全身タイツが殴りあう単純な話でしょ?」という
偏見を持っている方にこそ一度読んでみていただきたい作品です。

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