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偏愛と放浪の記録

「オリジナル・サイコ」(著:ハロルド・シェクター/訳:柳下 毅一郎)

2014-10-12 22:35:09 | 【書物】1点集中型
 何か同じハヤカワ系のを読んでたときに巻末広告で見たのがきっかけで、長いこと読みたい本リストに入ってたんだけどほったらかしになっていた。そしたらちょうど前後して「サイコ」をCSでやってたので見てしまった。その記憶も新しいうちにこれを読むことになったので、なんだかちょっとハマりすぎた(笑)。
 これはその「サイコ」の犯人のモデルになった、エドワード・ゲインの人生を追うノンフィクション。全然知らなかったのでシリアル・キラーだと勝手に思い込んでいたけど、実際はネクロフィリアであり、サイコパス的なところもあったり。なんというか、「想像を絶する」という言葉はこういうときのためにあるんだなぁと実感するものすごさだった。ただ、その詳細をここでずらずら並べ立ててもちっとも面白くない(というか、面白いとか面白くないとかいう次元の話ではないのだが)のであえて述べない。とにかく、衝撃が強すぎて感想も分析もへったくれもない(笑)。一読あれとしか言いようがない。

 ゲインがこうなった背景には、母親の影響が確かに大きいであろう。しかし、「なぜ、不幸なものではあるがユニークというにはほど遠い、エディー・ゲインの幼年期の経験が、彼に限ってこれほど途方もない犯罪に爆発することになったのか」。愛情と憎しみと、その相反しつつも非常に近似する感情が引き起こす異常性が、ここまで振り切れた行動に彼を駆り立てたのは本当にそれだけなのだろうかと、やっぱり考えずにはいられない。


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