「ドクター・フー」を観ていたらどうしても「銀河ヒッチハイク・ガイド」を読み直したくなり、でも図書館には残念ながら2作目までしかなかったので思い切ってシリーズ5作まとめ買いした。で、ここからは今回初めて読む。
シリーズも3作目になってちょっとテンションが落ち着いているが、語り口と性格付け&ネーミングのバカさ加減が相変わらずで安心。そしてアーサーの受難ぶりも相変わらずの安定感で安心。大体が、いきなり異星人に罵られる場面からって。しかも「あんぽんたん」って(笑)。これ原文だとどんな表現なんだろうと思わず考えてしまうほど、毎度ながら訳が素晴らしい。でもフォードはアーサーを置いてどっかに行っちゃっていて、しかもすでに4年が経過しているらしい。
……と思ったその2年後、フォードはいきなりアーサーのもとに戻ってくる。フォードのでたらめ勝手気ままさを引き写したような(笑)時空のぐちゃぐちゃさが、どうやら今作の鍵になっているような。レストラン数論ってのもまた前作を微妙に引きずってるような(笑)。おまけにマットレスと会話するロボット(=マーヴィン)とか、そのマットレスが妙に天然でなごむとか、これまた相変わらずの一種不毛なわけのわからなさである。フォードと同様、ゼイフォードもやりたい放題だし。でもそういうゼイフォードが、次に何をやらかしてくれるのかがいつも楽しみなんだけど。
タイムトラベルというお題自体はSFの王道のひとつとも言えるが、そこでいちばんありがちなタイムパラドックスをつかまえて、「実時間を守れキャンペーン」なるどこまでも相変わらず人を小馬鹿にした(笑)話が出てくるあたりが、このシリーズ独特の味。
今回はいつもの4人と1体(マーヴィン)ともう1人(スラーティ以下略)という感じだったけど、いつも全員揃ってるわけでなく「この人がこんなことになってる間あの人は何してるのか?」な状態が結構多い。で、そのバラバラを最後にはがばっと収拾してしまうお見事さも健在。その収拾を一瞬、いやワンプレイでやってのけた〈ローズ〉での最終決戦のアーサーは、普通にヒーローっぽい画だったので(笑)なんかこのシリーズっぽくないぞ! と思いつつも、やっとアーサーの今までの苦労が報われたような気にもなった。気のせいだと思うけど(笑)。
だからってわけでもないが、ついに独立(?)したアーサー、最期はいきなり再びあいつと遭遇して、次作はどうなるの? というオチ。その前に、例の「生命と宇宙とその他もろもろについて」の究極の問いはなんなのかという話が(忘れたころに)出てきたりもして、そういえば! と今さら思い出させられたり(笑)。でもここのくだりがそれこそ例によって、そこはかとない哲学っぽい雰囲気が。
巻末おまけに短編「若きゼイフォードの安全第一」という、「海難救助その他滅茶苦茶やばいこと」をやっていた若かりしゼイフォードのお話がついている。地味ーに地球とつながりのある話になっているので、イギリス人っぽいちょっとした皮肉なのであろうと思われる。ゼイフォード自身のノリはシリーズ通りなので十分楽しめる。
クリケットという、日本ではあまりなじみのないスポーツを少しでも理解していた方が、本編ラストシーンはおそらくわかりやすくなるだろう。ということで、訳者あとがきには丁寧なルール解説がついている。あと例によって、英語のわからぬ読者が知っているとより楽しめる(であろう)豆知識的なネタも入れてくれていて、至れり尽くせりである。安原さん、本当に毎回ありがとうございます。
シリーズも3作目になってちょっとテンションが落ち着いているが、語り口と性格付け&ネーミングのバカさ加減が相変わらずで安心。そしてアーサーの受難ぶりも相変わらずの安定感で安心。大体が、いきなり異星人に罵られる場面からって。しかも「あんぽんたん」って(笑)。これ原文だとどんな表現なんだろうと思わず考えてしまうほど、毎度ながら訳が素晴らしい。でもフォードはアーサーを置いてどっかに行っちゃっていて、しかもすでに4年が経過しているらしい。
……と思ったその2年後、フォードはいきなりアーサーのもとに戻ってくる。フォードのでたらめ勝手気ままさを引き写したような(笑)時空のぐちゃぐちゃさが、どうやら今作の鍵になっているような。レストラン数論ってのもまた前作を微妙に引きずってるような(笑)。おまけにマットレスと会話するロボット(=マーヴィン)とか、そのマットレスが妙に天然でなごむとか、これまた相変わらずの一種不毛なわけのわからなさである。フォードと同様、ゼイフォードもやりたい放題だし。でもそういうゼイフォードが、次に何をやらかしてくれるのかがいつも楽しみなんだけど。
タイムトラベルというお題自体はSFの王道のひとつとも言えるが、そこでいちばんありがちなタイムパラドックスをつかまえて、「実時間を守れキャンペーン」なるどこまでも相変わらず人を小馬鹿にした(笑)話が出てくるあたりが、このシリーズ独特の味。
今回はいつもの4人と1体(マーヴィン)ともう1人(スラーティ以下略)という感じだったけど、いつも全員揃ってるわけでなく「この人がこんなことになってる間あの人は何してるのか?」な状態が結構多い。で、そのバラバラを最後にはがばっと収拾してしまうお見事さも健在。その収拾を一瞬、いやワンプレイでやってのけた〈ローズ〉での最終決戦のアーサーは、普通にヒーローっぽい画だったので(笑)なんかこのシリーズっぽくないぞ! と思いつつも、やっとアーサーの今までの苦労が報われたような気にもなった。気のせいだと思うけど(笑)。
だからってわけでもないが、ついに独立(?)したアーサー、最期はいきなり再びあいつと遭遇して、次作はどうなるの? というオチ。その前に、例の「生命と宇宙とその他もろもろについて」の究極の問いはなんなのかという話が(忘れたころに)出てきたりもして、そういえば! と今さら思い出させられたり(笑)。でもここのくだりがそれこそ例によって、そこはかとない哲学っぽい雰囲気が。
巻末おまけに短編「若きゼイフォードの安全第一」という、「海難救助その他滅茶苦茶やばいこと」をやっていた若かりしゼイフォードのお話がついている。地味ーに地球とつながりのある話になっているので、イギリス人っぽいちょっとした皮肉なのであろうと思われる。ゼイフォード自身のノリはシリーズ通りなので十分楽しめる。
クリケットという、日本ではあまりなじみのないスポーツを少しでも理解していた方が、本編ラストシーンはおそらくわかりやすくなるだろう。ということで、訳者あとがきには丁寧なルール解説がついている。あと例によって、英語のわからぬ読者が知っているとより楽しめる(であろう)豆知識的なネタも入れてくれていて、至れり尽くせりである。安原さん、本当に毎回ありがとうございます。