そういえばソローキンとか久しく読んでないなあ、でもソローキンの長編は気合が要るんだよなあ、と思っていたところ見つけたアンソロジー。タイトル通り、いわゆる「イヤミス」的なやつ。クリスティとかフレドリック・ブラウンの名前があったし、そういや実はカフカもちゃんと読んでないぞ、ということで借りてみた。
結論から言うとどれもこれもかなり、素晴らしく厭な物語である。後味最悪なんだけれども読み返さずにはいられない。秀逸。これだけの面子が揃えられただけあって、流石としか言いようがない。
嫉妬や保身や悪ふざけといった自らの行動によって、人間は思いがけなく追いつめられていく。他人、あるいは家族であっても、自分以外の人間の心理などそう簡単に量ることなどできないのだと思い知らされるのがクリスティー、ハイスミス、ランズデールあたり。オコナ―もかな。ルヴェルは「孤独」の本質をおそらく誰もが身につまされる形で描いている。あり得るかもしれない、と思わせるところがこれまた「厭な物語」である。
一見普通の世界の日常を描いているように見えて、実は想像するだにおぞましい世界だったりするのがソローキン(やっぱりな)と、ジャクスンにマシスン。マシスンのは家族が絡むだけになお恐ろしい。カフカとブロックは、前者が父親と息子、後者が犯罪被害者家族と加害者の「心理戦」といったところか。
トリのブラウンは、そのストーリーに合わせて「解説」のあとに置かれるという心憎い演出。読み終わるはずのこの本の中に、最後の最後で引きずり込まれるのである。「厭な物語」の登場人物として。
結論から言うとどれもこれもかなり、素晴らしく厭な物語である。後味最悪なんだけれども読み返さずにはいられない。秀逸。これだけの面子が揃えられただけあって、流石としか言いようがない。
嫉妬や保身や悪ふざけといった自らの行動によって、人間は思いがけなく追いつめられていく。他人、あるいは家族であっても、自分以外の人間の心理などそう簡単に量ることなどできないのだと思い知らされるのがクリスティー、ハイスミス、ランズデールあたり。オコナ―もかな。ルヴェルは「孤独」の本質をおそらく誰もが身につまされる形で描いている。あり得るかもしれない、と思わせるところがこれまた「厭な物語」である。
一見普通の世界の日常を描いているように見えて、実は想像するだにおぞましい世界だったりするのがソローキン(やっぱりな)と、ジャクスンにマシスン。マシスンのは家族が絡むだけになお恐ろしい。カフカとブロックは、前者が父親と息子、後者が犯罪被害者家族と加害者の「心理戦」といったところか。
トリのブラウンは、そのストーリーに合わせて「解説」のあとに置かれるという心憎い演出。読み終わるはずのこの本の中に、最後の最後で引きずり込まれるのである。「厭な物語」の登場人物として。