「カエアンの聖衣」がちょっと気になっていて、でも読む前にこれを本屋で見かけて、カバーデザインが好みだったのと短編集だから入門的に読んでみようってんでジャケ買いならぬジャケ借り(結局from図書館)。
とか言いつつカバーの紹介文とか事前にあまりちゃんと読み込んでおらず、読んでみたらなんとなく「これ書いた人変人じゃないか」な雰囲気を感じ、あらためてちゃんと訳者あとがき含めて隅から隅まで読んでみたらばちゃんと「奇才」って書いてあったじゃないか、という(笑)。その奇想の数々を眺めてみると、漠然とイギリスっぽいなぁという気もする。人の悪い笑いと言うか、凡人には発想の及ばない、例えばシャーロック・ホームズの推理語りを聞いてでもいるかのような。
訳者あとがきにもあるんだけど、「文学的完成度を犠牲にしてもSF的思弁を追求すべき」という主張の作家であるらしく、その点に関しては非常に納得できた。神を殺せる銃、地底を進む「潜艦」、空間という海を渡る船、未来と現在という時間のパラドックス、脳と肉体の分離が可能だとしたら……。アイディアもまさに奇想ならば、そのアイディアからのオチがなかなかに気持ち悪い(いい意味で)。「ブレイン・レース」や「ロモー博士の島」あたりなんかは一瞬、ちょっと笑えそうな話に思わせておいて話が進むと実はかなりどす黒い。
そうなると、読んでてなんか癒されるような気になる「蟹は試してみなきゃいけない」は、この中ではちょっと異色な感じ。でも面白い。蟹の生態が妙にリアルで、そこに人間の俗っぽい思考が重なって、見事なまでの蟹の青春群像。映像化してほしいくらい(笑)。
そんなこんなで「アイディア重視」な作風は非常によく伝わってきた。この奇想天外さにもう少し振り回されてみたい気もしてきたので、やっぱり「カエアンの聖衣」も読もうかな。
とか言いつつカバーの紹介文とか事前にあまりちゃんと読み込んでおらず、読んでみたらなんとなく「これ書いた人変人じゃないか」な雰囲気を感じ、あらためてちゃんと訳者あとがき含めて隅から隅まで読んでみたらばちゃんと「奇才」って書いてあったじゃないか、という(笑)。その奇想の数々を眺めてみると、漠然とイギリスっぽいなぁという気もする。人の悪い笑いと言うか、凡人には発想の及ばない、例えばシャーロック・ホームズの推理語りを聞いてでもいるかのような。
訳者あとがきにもあるんだけど、「文学的完成度を犠牲にしてもSF的思弁を追求すべき」という主張の作家であるらしく、その点に関しては非常に納得できた。神を殺せる銃、地底を進む「潜艦」、空間という海を渡る船、未来と現在という時間のパラドックス、脳と肉体の分離が可能だとしたら……。アイディアもまさに奇想ならば、そのアイディアからのオチがなかなかに気持ち悪い(いい意味で)。「ブレイン・レース」や「ロモー博士の島」あたりなんかは一瞬、ちょっと笑えそうな話に思わせておいて話が進むと実はかなりどす黒い。
そうなると、読んでてなんか癒されるような気になる「蟹は試してみなきゃいけない」は、この中ではちょっと異色な感じ。でも面白い。蟹の生態が妙にリアルで、そこに人間の俗っぽい思考が重なって、見事なまでの蟹の青春群像。映像化してほしいくらい(笑)。
そんなこんなで「アイディア重視」な作風は非常によく伝わってきた。この奇想天外さにもう少し振り回されてみたい気もしてきたので、やっぱり「カエアンの聖衣」も読もうかな。
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