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或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「石の猿(上)(下)」(著:ジェフリー・ディーヴァー/訳:池田 真紀子)

2013-11-23 23:50:22 | 【書物】1点集中型
 ちょっと間が空いてしまったけどリンカーン・ライムシリーズ第4弾。スピード感のあるものが読みたいときはこれに限る。

 さて今回、ライムとサックスの関係もすっかりチーム公認の仲となり、通じ合いっぷりがどんどん堂に入ってきてる。ライムに「必ず連れ戻す」なんて言われたら、そりゃーサックスも冥利に尽きるというものでしょう(笑)。
 そして今回のゲスト、ソニーのキャラクターが今までのライムシリーズとちょっと毛色が違ってて面白い。一見ふらふらしてるように見えて、でも、あのライムに存在をちゃんと認めさせる実力もある。

 ……と、面白くなってきたところでまさかの事態。フレッドー!!と叫びつつ(笑)下巻へ進んでみると、アメリアの鑑識範囲はついに海中にまで広がっていた。うう、しかし、沈没船の描写はホラーになるなぁ……
 ライムが一生懸命献本の辞を書いていたあたり、ソニーの運命が見えちゃったのは悲しかったが、彼は最後の最後までしっかりチームの一員だったんだなぁ、と思わせる演出が心憎い。それを拾うライムの心情は「臨場」や「遺留捜査」みたいな世界に通じるんじゃないかと思う。

 「石の猿」はある意味ダブルミーニング的に使われていたのだなと、読み終えて納得。それにしても、これだけできたらサックスは役者にもなれるのではなかろうか(笑)。まあ、デルレイなんかはすでにまるっきり役者だけど。
 しかし、ゴーストの逮捕後にまだだいぶページが残っていたので、この後何が? という感じだったのだが、そこにもう一山持ってきてくれるあたり、ディーヴァーのサービス精神の旺盛さに頭が下がる。ありがとー!!

 そしてこの先、チーム・ライムにどんな事件が待っているのかな。そしてライムとサックスの関係は、形が変わってくる可能性もあるのかな?
 私はこのライムシリーズ、「いちばん怪しい奴は怪しくない」とか「で、結局裏切り者は誰なんだ?」とか考えながら読むのがすっかり態になってしまった(笑)。でもきっと次も読む。


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