金木犀、薔薇、白木蓮

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113:浅田次郎 『中原の虹〈3〉』

2007-10-02 13:49:05 | 07 本の感想
浅田次郎『中原の虹 第三巻』(講談社)
★★★★☆

西太妃の死後、皇族内閣によって追放された袁世凱が、
相次ぐ革命勢力の蜂起を押さえるため、奉天に呼び戻された。
復帰した袁世凱は、幼少の宣統帝に対し、
自らを新たな内閣の総理に任命するよう要求する。
一方、王永江を取り込んで政治的な能力を補った張作霖は、
東北地方で一大勢力を形勢するに至る。

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西太后の死後、とうとう宣統帝が退位。
袁世凱はしぶとく頑張ってるし、
張作霖も勢力を伸ばしているのだけれど、
前巻のドラマチックな展開の後始末というのか、
それぞれの思惑がからみあいながら
地味ーに話が進んでいく印象。
徐世昌、趙爾巽といった地味なエリートの活躍が
目立ちます。
浅田次郎はスーパーエリートが好きだよね。

西太后の亡霊が降りてきて、溥儀に喋らせるという展開には
やや白けてしまいましたが、清王朝の終焉は感慨深い。
あと1巻で完結なのか……。

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