今日は、かなりメジャーな森吉山の桃洞沢から赤水沢をぐるっと一周する沢登り。
大方の人は森吉山野生鳥獣保護センターから歩き出すんでしょうけど、八幡平からだとそこまで、どこを通っても3時間以上かかります。だったら、玉川温泉・柳沢林道の赤水渓谷登山口から登れば、車の移動も1時間半。半分以下。ガソリン代も時間も節約できますが、林道の運転は気を使います。(7:15)
赤水渓谷から赤水峠を越える道は、昔は玉川温泉への湯治客が歩いた古道。そう思ってみれば、そう見えるから不思議。
収穫を終えたお百姓さんが、草鞋に脚絆といったいでたちで、長逗留の支度を携えて行き来したことでしょう。
登山道の脇にある看板。田沢湖町と森吉町、昔はどんだけ仲が悪かったのか?
古い鉈目が沢山刻んであるブナの赤水峠。「森深く 迷い辿れば 古き鉈目は 導きぬ ♪」という明大ワンゲル部歌もあります。(7:40)
峠を越えるともう間もなく、ナメ床の道が始まります。
ちょっと難渋しそうなところにはお助けロープやら、、、
鎖に足場用にボルト。今時、湯治客の往来はないとは思いますが、昔からの伝統なのか?やたらと懇切丁寧。
とにかくひたすらナメ歩き。ナメは山の中の高速道路です。
樹齢は果たして何年のミズナラの巨木でしょうか?この辺り、さぞやマイタケもどっさり採れることでしょう。湯治客もさることながら、杣人たちの生活の場でもあったはずです。(8:25)
もう少し水量が少なければ、長靴でもいけそうですが、やっぱり沢支度の方が安心して歩けます。
まず赤水沢と合流。帰りはここに戻ってくるという予定。(8:35)
平日ということもあり誰もいない。川の音、水飛沫を上げて歩く音以外、聞こえない。
長い年月をかけ凝灰岩を侵食して出来た地形。両サイドは急傾斜の斜面が迫る。
そしてこれも水の力を見せつけてくれる甌穴(おうけつ)。よそ見してると落っこちる。
左岸の登山道を歩くようになれば、桃洞沢出合も近い。
間もなく桃洞沢出合。一旦桃洞沢を横切り、左岸の登山を歩きます。(9:15)
野生鳥獣保護センターから桃洞滝までならトレッキングシューズでも問題なし。
桃洞滝手前には切り株を飛び石状に並べてあります。今日初めての会う登山者。
右岸一段高いところを歩いていけば濡れません。
と、そこにかの有名な桃洞滝。これを右から登ります。(9:45)
マタギが刻んだと言われるステップもあり、難なく登れます。
桃洞滝の後に大きな二俣。これは左へ。(9:50)
どこに取っつくかちょっと一瞬迷うようなところには、必ずステップやお助けロープやらがあります。
桃洞沢と赤水沢が近づいてくると天然杉の巨木が天を衝く!
流木も杉。何度か二俣を分け水量が減ってくる。
難所にはお助けロープ。もうすぐ赤水沢へ抜ける峠だ!
律儀にも最後までナメ床が導いてくれます。
赤水沢へ抜ける峠には立派な道が付いていますが、峠を越えてしまえばあっという間にナメ床の道に。(11:00)
足元が良いので、とにかく速い。20分ほどで赤水沢へと降り立つ。(11:20)
ステップがあるところも下りだとちょっと怖いかも。そんな時は気合一発下りダッシュ。意外と沢で大切なのはダッシュ力。
荷重方向と遠心力をうまく捉えられるかということが大切ですね。遠心力はスピードの二乗で増えるのでダッシュ力。
気合だけではどうにもならない時は、素直にロープを出して懸垂下降。
これも有名な兎滝。私は寺子屋で正座をして勉強する子どもに見えますが。(12:05)
兎滝を越えたら、あとはナメ床歩きを満喫するばかり。水底をハヤやイワナが泳いでいるが魚影は薄い。
場所によりコケに覆われているところもあり、こういうところは膝に優しい。
兎滝から30分で赤水沢出合。けっこう早く戻ってこれました。(12:30)
さあ帰ろう!ダイモンジソウの見送りを受けて。
徐々に流れが細くなって、分かりづらい二俣を左に赤水峠へ。「柳沢林道入口」の看板があるが、ちょっと見えづらいところにある。(13:05)
藪漕ぎらしい藪漕ぎなし。最後までナメ床が続き、ナメ床が終わればもう赤水峠です。
ブナに刻まれた鉈目が往時の賑わいを偲ばせる赤水峠。ここまで戻ってくれば、少しホッとしますが、それは昔の人々も同じだったはず。「もう一息で玉川温泉だびゃ。」とか言いながら。(13:25)
登山口には13:50着。
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